欧州ヤマハとYART GYTRプロショップは、鈴鹿8時間耐久ロードレース仕様の限定版「R1」を3台限定で発売する。2024年はYARTが鈴鹿で初表彰台を獲得したことを受け、それを記念したモデルだ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:YART GYTR Pro Shop
2023年の世界チャンピオン、2024年は総合2位の『Yamalube YART Yamaha EWC Official Team』
ヤマハモーターヨーロッパ(YME)とヤマハオーストリアレーシングチーム(YART)GYTRプロショップは、『Yamalube YART Yamaha EWC Official Team R1』のレプリカマシン「2024 YART Suzuka 8H Replica Edition」を限定3台で発売すると発表した。
2024年FIM世界耐久選手権(EWC)を戦ったこのマシンにより、YARTはルマン24時間レースで3位、スパ8時間レースで優勝、ボルドールで3位を獲得するなどして、シーズン総合2位を獲得。さらに昨年のチャンピオンチームは、悲願でもあった鈴鹿8時間耐久ロードレースにおける初表彰台(2位)を獲得している。
この結果を受け、YARTチームが日本で走らせた特別なカラーリングを再現した、鈴鹿8時間耐久レースR1レプリカを3台製作することにしたという。ユーザーの希望に合わせてベースモデル、EVOバージョン、ファクトリーエディションを選択することができ、アップグレードすつごとにEWC仕様のYART R1と同じ仕様に近付いていくというから驚きだ。
2024 YART Suzuka 8H Replica Edition の『ベースモデル』は200psを発生するパワーユニットと、オーリンズ製の高性能レーシングサスペンションが付属。その内容はFGK 219フォーク、TTX YA468リやショック、レース仕様のステアリングダンパーというラインナップだ。まだ、アクラポヴィッチ製ファクトリーエキゾーストキット、マルケジーニ製アルミ鍛造ホイール、前後タイヤはブリヂストンのV02レーシングスリックタイヤを装着する。
また、ブレーキにはブレンボ製GP4-RXキャリパー、Z04パッド、Tドライブディスクをチョイス。フロントブレーキレバーの遊びを走行中でも調整できるリモートブレーキアジャスターも装備している。
『EVOバージョン』には、オーリンズ製FGR252フロントフォークを追加し、さらにレーシングレベルのセットアップを施す。またブレンボ製キャリパーはGP4-MSにアップグレードされ、さらにニッケルコーティングされたリヤブレーキキャリパーとCNC PR18x19マスターを装備。BMCエアフィルターも付属する。
最後の『ファクトリーエディション』は、カムシャフトやピストン、コンロッド、バルブスプリングなどGYTRのフルキットによってエンジン内部をアップグレード。最高出力は220psにまで向上する。
すべてのグレードに、タイヤ交換時に後輪をより素早く交換できる最新のクイックチェンジシステム、レーシングステップ、ECU、ハイスロットルほか、多数のGYTR(ヤマハ純正レーシングテクノロジー)パーツが搭載されている。
3台すべてヨーロッパ全土へ無料配送できるというが、日本から買うのは相当にハードルが高そう……。価格はベースモデルが3万9999ユーロ(日本円換算約657万円・11/8現在)、Evoが4万4999ユーロ(約739万円)、ファクトリーエディションが5万9999ユーロ(約986万円)だそうな。詳細スペックなどの確認はリンクよりどうぞ。
マンディ・カインツ監督(YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team)のコメント
「ヤマルーブ YART ヤマハ EWC オフィシャルチーム限定の鈴鹿8耐 R1レプリカをご紹介できることを嬉しく思います。3つの異なるバージョンにより、お客様はフルEWC仕様のR1にどれだけ近づけたいかを選択できます。また、カラーリングは実に美しいものです。鈴鹿で初の表彰台を獲得することは、私とチームで働く全員の夢でした。これらのバイクは、この偉業を祝う素晴らしい方法です。このプロジェクトを実現させ、3つの個性的でありながら同様に素晴らしいトラックバイクを製作するという素晴らしい仕事をしてくれた YART、YME、およびすべてのパートナーに感謝します」
2024 YART Suzuka 8H Replica Edition
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
ヤマハの最先端技術の結晶、それがYZF-R1だ 今からちょうど10年前の2014年11月。イタリアはミラノで開催されたEICMAにおいて、7代目となるヤマハのフラッグシップ“YZF-R1”が華々しくデ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
高いポテンシャルを持ちながら肩の力を抜いて乗れる二面性で大ヒット セローが登場した1985年は、オンロードでは本格的なレーサーレプリカブームが到来する頃でした。オフロードも同様で、パンチのある2ストロ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
最新の関連記事(レース)
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]
機密事項が満載のレーシングマシンたち バイクムック”RACERS(レーサーズ)”は、「いま振り返る往年のレーシングマシン」がコンセプト。それぞれの時代を彩った、レーシングマシンを取り上げている。 現在[…]
ポイントを取りこぼしたバニャイアと、シーズンを通して安定していたマルティン MotoGPの2024シーズンが終わりました。1番のサプライズは、ドゥカティ・ファクトリーのフランチェスコ・バニャイアが決勝[…]
プロジェクトの苦しさに相反する“優しい雰囲気” 全日本ロードレース最終戦・鈴鹿、金曜日の午前のセッション、私はサーキットに到着するとまず長島哲太のピットの姿を撮りに行った。プレスルームで初日のスポーツ[…]
人気記事ランキング(全体)
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
一定以上のスピードの車両を自動的に撮影する「オービス」 結論から言うと、基本的にバイクはオービスに撮影されても捕まらない。そもそもオービスはバイクを取り締まるつもりがない。ただし警察にもメンツがあるか[…]
第1位:JW-145 タッチパネル対応 蓄熱インナーグローブ [おたふく手袋] 2024年11月現在、インナーウェアの売れ筋1位に輝いたのは、おたふく手袋が販売する「JW-145 蓄熱インナーグローブ[…]
新色×2に加え、継続色も一部変更 ホンダは、水冷4バルブの「eSP+」エンジンを搭載するアドベンチャースタイルの軽二輪スクーター「ADV160」に、スポーティ感のある「ミレニアムレッド」と上質感のある[…]
寒い時期のツーリング 冬はライダーにとって、本当に過酷な季節です。急激に気温が下がったりしてきましたが、オートバイに乗られているみなさんは、どういった寒さ対策をしていますか。 とにかく着込む、重ね着す[…]
最新の投稿記事(全体)
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
全日本ST1000とASB1000の両カテゴリーを制す! 開幕2連勝を飾り、常にポイントリードし最終戦を待たずにチャンピオンを決めた全日本ST1000クラスに比べ、ARRC ASB1000クラスは、ポ[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
ヤマハの最先端技術の結晶、それがYZF-R1だ 今からちょうど10年前の2014年11月。イタリアはミラノで開催されたEICMAにおいて、7代目となるヤマハのフラッグシップ“YZF-R1”が華々しくデ[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
- 1
- 2