
FIMトライアル世界選手権 第6千フランスGPにおいて、レプソルホンダチームのトニー・ボウ(Toni Bou)選手が18年連続18回目のシリーズチャンピオンを獲得した。インドアのXトライアルでもポイントランキング首位につけている。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ホンダ
2024年シーズンのトライアル世界選手権は、全7戦12レースでタイトルが争われている。今シーズンのボウ選手は、初めて開幕戦として開催されたモビリティリゾートもてぎでの日本GPで、2レースとも優勝する完全優勝で好調なスタート。第2戦アンドラGPでも完全優勝を飾ったが、第3戦のイタリアGPではレース1には優勝したものの、レース2は2位となり開幕からの連勝がストップした。しかし第4戦ドイツGPでは今シーズンで3度目となる完全優勝を果たし、続く第5戦ベルギーGPでも優勝、9レース中8レースを制し18度目のタイトルに王手をかけて、第6戦フランスGPに臨んだ。そしてここでも見事に優勝し、ランキング2位でチームメイトのカブリエル・マルセリ選手(スペイン 24歳)とのポイント差で、最終戦を待たずにチャンピオンが決定した。
ボウ選手は、2007年にHRCのワークスマシン「Montesa COTA 4RT」で初の世界チャンピオンを獲得して以来連覇を重ね、人工セクションを走破する屋内競技であるXトライアル世界選手権でも17年連続でチャンピオンに輝いている。10月から再開されるXトライアルの2024年シーズンにおいても、18連覇に向け現在ポイントランキングで首位につけている。
アウトドアのトライアル世界選手権で8連覇を達成した2014年の時点で前人未到の記録ロードへと踏み込み、あとはひたすら勝ち続けているという37歳の超人がボウ選手。世界チャンピオンを初めて獲得した2007年にレプソルモンテッサHRCに移籍して以来、ずっとホンダに乗り続けてきた。来シーズン以降、若いチームメイトがボウ選手に迫っていけるのか、要注目だ。
Repsol Honda Team トニー・ボウ選手のコメント
「まず初めに、今シーズンも素晴らしい仕事をしてくれたチームに感謝したいと思います。タイトルを獲得するチャンスがあるときは、常にプレッシャーがあり、第1セクションのようにミスをすることもありますが、その後は最高の走りができ、素晴らしい勝利を得ることができました。レースを制してタイトルを獲得できたので、なおさら素晴らしい勝利です。今シーズンはとてもいい仕事ができました。自分のキャリアのなかでも最高のシーズンのひとつで、とても幸せです」
Repsol Honda Team監督 藤波貴久のコメント
「今日は素晴らしい日で、ボウ選手の勝利とタイトルを祝福したいと思います。ボウ選手は、素晴らしい才能と最高の結果を出すためにレースにかける努力を、改めて示してくれました。マルセリ選手のレースにも満足しています。スペイン大会でもこのレベルを維持して、ランキング2位を守ることが重要です。タイトル獲得までの道のりをサポートしてくれたHRC、すべてのスポンサー、そしてチームに感謝いたします」
株式会社ホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長 渡辺康治のコメント
「トライアル世界選手権での18連覇という快挙を達成してくれたトニー・ボウ選手の栄誉を称えたいと思います。今シーズンは開幕戦の日本GPから勝利を重ね、他の追随を許さない力強い走りを見せてくれており、今後の記録更新も期待しています。藤波貴久監督、チームスタッフ全員、レース活動を支えてくださっている多くのスポンサー様には心から感謝の気持ちを伝えたいと思います。そして最後になりましたが、いつも熱い声援をいただいている、世界中のトライアルファンの皆様に改めてお礼申し上げます」
トニー・ボウ(Toni Bou)選手のプロフィール
トニー・ボウ選手とMontesa COTA 4RT
| 生年月日: | 1986年10月17日(37歳) | |
| 出身地: | スペイン | |
| 主な戦績: | 2003年 | トライアル世界選手権にデビュー |
| 2007年 | REPSOL MONTESA HRCに移籍し、初めて世界チャンピオンを獲得 同年に、Xトライアル世界選手権のシリーズチャンピオンも初獲得 | |
| 2008年~ 2023年 | トライアル世界選手権およびXトライアル世界選手権の 両シリーズで各17連覇(合計34連覇)を達成 | |
| 2024年 | トライアル世界選手権で18連覇 | |
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