レースでも装着できるSHOEIのフラッグシップフルフェイス『X-Fifteen(エックスフィフティーン)』に、新たなグラフィックモデル『X-Fifteen DAIJIRO(ダイジロウ)』が登場する。発売予定は2024年9月だ。
●文:ヤングマシン編集部(山下剛) ●外部リンク:SHOEI
加藤大治郎選手のメモリアルレプリカが満を持してX-Fifteenに登場!
SHOEIが加藤大治郎選手のレプリカヘルメットを製作したのは2003年のことで、その前年からMotoGPへと名称を変えた世界最高峰レースの第13戦パシフィックGP(ツインリンクもてぎ)出場用のヘルメット製作の打ち合わせのとき、彼自身の希望によってレプリカグラフィックモデルの販売が決まった。
しかしその発売直前、2003年MotoGP第1戦の日本GP(鈴鹿)でのクラッシュにより、加藤選手は26歳の若さでこの世を去ってしまう。SHOEIは加藤選手の思いを尊重し、彼の家族や関係者の賛同を得たうえで、彼の誕生日である7月4日に『X-Eleven DAIJIRO』にメモリアルモデルとして発売した。それ以降、SHOEIはフラッグシップフルフェイスがモデルチェンジするたび、加藤選手のレプリカモデルを製作してきた。
『X-Fifteen DAIJIRO』は、そんな経緯を持つ加藤大治郎レプリカの最新モデルだ。X-Eleven DAIJIROのリリース資料によれば、最初のレプリカモデルを製作する際、「僕のレプリカは派手すぎて、公道では被れない人もいるのでは」と気にしていたそうだ。そのため、X-Eleven DAIJIROはやや控えめな色使いだが、X-Fifteenに追加されるレプリカモデルもネオンイエローをアクセントに彩度の強い青や白を使い、後頭部にはデフォルメしつつも鋭さと強い意志を感じさせる両目が描かれている。
カラーバリエーションは黄×青(TC-3)と赤×青(TC-1)の2種類が用意される。いずれも加藤選手が’03年に使用していたグラフィックだ。
『X-Fifteen』はMotoGPスペックの安全性と快適性を持つフルフェイスヘルメットで、世界中のレーシングライダーが信頼を寄せてレースで着用し、彼らからのフィードバックによって進化を重ねてきた。
さらに帽体形状開発には風洞実験を繰り返し、時速350km/h超の速度域でも安定した空力性能を発揮するよう設計されている。それは100km/hの速度域でも発揮され、走行中の疲労軽減し、安全運転に対する集中力を持続させる。
帽体の素材は、強靭なガラス繊維と3次元形状の有機繊維の複合積層構造とし、さらに高い弾性性能を持つ高性能有機繊維素材を加え、軽量ながらも剛性と弾性に優れている。これらにより、公道走行に必須なJIS規格をはじめ、国内レースに欠かせないMFJ規格、国際レース参戦に必要なFIMもクリアしている。
シールド内側の曇りを防ぐため、レーシングポジションで固定できるベンチレーションシステム、前傾姿勢時の広い視界を確保するアッパーフィールドオブビジョン、走行中の水分補給をサポートするレディフォーハイドレーションシステムなど、スーパースポーツオーナーやサーキット走行を楽しむライダーをサポートする機能が満載だ。
公道にレーシングスペックは必要ない、と思う人もいるかもしれないが、安全性と快適性はオーバースペックであっても過分ではない。しかし、たとえ速度域は遅くとも事故発生率を考えれば公道のほうが危険であることを踏まえれば、決してオーバースペックではない。安全性と快適性を優先するなら、迷うことなく選びたいヘルメットだ。
SHOEI X-Fifteen DAIJIRO
●価格:9万6800円 ●サイズ:XS(53-54cm)、S(55-56cm)、M(57-58cm)、L(59-60cm)、XL(61-62cm)、XXL(63-64cm) ●色:赤×青(TC-1)、黄×青(TC-3) ●規格:JIS、FIM、MFJ ●構造:AIM+(Advanced Integrated Matrix Plus Multi-Fiber) ●付属品:布袋、ブレスガードJ、チンカーテンD、シリコンオイル、防曇シート、ロアエアスポイラー、SHOEIロゴステッカー、シールド用ステッカー(No.11ステッカー) ●発売予定:2024年9月
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