
カワサキはインドネシアで、空冷2バルブエンジンを搭載したネオクラシックモデル「W175」シリーズ×4車の2025年モデルを一挙発表した。13psの出力に120kg台の手頃なサイズ感は、まさしく「こういうのでいいんだよ」を地でいくもの。日本ではW230が登場予定とされるが、同様のバリエーションにも期待!?
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
177cc空冷2バルブ単気筒をレトロデザインに包む
2017年にエストレヤ(250)が生産終了になり、同型のマシンはタイなど海外でW250と車名を変えてしばらく生き残っていたものの、相変わらず日本でカワサキ製の軽二輪(126~250cc)ネオクラシックモデルは消滅したまま。2023年秋のジャパンモビリティショー2023では、ようやく新型モデル「W230」および「メグロS1」が参考出品され、2024~2025年モデルとしての正式発表が期待されている。
いっぽう海外では、インドやインドネシアでもっと手軽なシリーズ末弟のW175シリーズがラインナップされている。マシンのベースはフィリピンで販売されているバラコIIという実用車だが、作り込まれたレトロデザインに手頃なサイズ感、リーズナブルな価格が魅力だ。
そんなW175がシリーズ展開されているインドネシアで、W175シリーズの2025年モデルが一挙発表された。スタンダードモデルの「W175 SE」と「W175 SE ブラックスタイル」、カフェレーサー仕様「W175カフェ」、そしてスクランブラーモデルの「W175TR」だ。
日本で展開されるW800シリーズにも似たW175に対し、W175カフェは小ぶりなメーターバイザーとスポーティなシートを装着。そしてスクランブラースタイルのW175TRは、かつてエストレヤの兄弟車として日本でもラインナップされていた250TRを彷彿とさせるレトロスクランブラーだ。
特にW175TRは、エンジンのトルクの数値が他の2車よりもわずかに高く、アップマフラーやアップフェンダー、スリムな7.5L燃料タンク、エンジンを路面の石などから守るスキッドプレートなど数多くの専用装備を備えているのが特徴となっている。
価格はW175TRが3430万ルピア(日本円換算約32万9000円・6/4現在)、W175 SEが3510万ルピア(約33万6000円)、同ブラックスタイルは3600万ルピア(約34万5000円)、そしてW175カフェは3640万ルピア(約34万9000円)だ。以前のモデルは日本にも並行輸入という形で入ってきていたことがあるものの、現在は排ガス規制などもあって望み薄だろうか。
正式発表が待たれるW230/メグロS1の兄弟車としてW230TRが登場する、なんてことも期待したいが、まだちょっと気が早い……かな……?
KAWASAKI W175 SE / BLACK STYLE[2025 Indonesian model]
W175 SEは、キャブトンタイプのマフラーとシンプルなスタイリングが特徴で、燃料タンクは14L、13psの空冷単気筒を搭載した車両重量は126kgだ。最低地上高は、路面舗装率の関係か165mmと高めに設定され、前後17インチのスポークホイールに前ディスク/後ドラムブレーキを組み合わせている。また、ブラックスタイルという黒で引き締めたバージョンも用意。
主要諸元■全長1940 全幅765 全高1045 軸距1275 最低地上高165 シート高785(各mm) 車重126kg■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 177cc 13ps/7500rpm 1.3kg-m/6000rpm 変速機5段 燃料タンク容量14L■ブレーキF=φ220mmディスク+2ポットキャリパー R=φ110mmドラム タイヤサイズF=80/100-17 R=100/90-17 ●参考価格:3510万ルピア/ブラックスタイル=3600万ルピア ●色:緑、スモークゴールド、黒 ※諸元と価格は全てインドネシア仕様
KAWASAKI W175 SE[2024 Indonesian model]CANDY ARSENIT GREEN
KAWASAKI W175 SE[2024 Indonesian model]METALLIC SMOKE GOLD / EBONY
KAWASAKI W175 SE BLACK STYLE[2025 Indonesian model]METALLIC SPARK BLACK
KAWASAKI W175 CAFE[2025 Indonesian model]
カフェレーサースタイルのW175カフェは、W175 SEとほぼ同スペックの車体にメーターバイザーを加え、シート形状を変更したもの。燃料タンクのグラフィックパターンも異なる。
主要諸元■全長1940 全幅765 全高1045 軸距1275 最低地上高165 シート高785(各mm) 車重126kg■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 177cc 13ps/7500rpm 1.3kg-m/6000rpm 変速機5段 燃料タンク容量14L■ブレーキF=φ220mmディスク+2ポットキャリパー R=φ110mmドラム タイヤサイズF=80/100-17 R=100/90-17 ●参考価格:3640万ルピア ●色:灰、白 ※諸元と価格は全てインドネシア仕様
KAWASAKI W175 CAFE[2025 Indonesian model]PEARL STORM GRAY / METALLIC SPARK BLACK
KAWASAKI W175 CAFE[2025 Indonesian model]
KAWASAKI W175TR[2025 Indonesian model]
最低地上高はシリーズ他車に比べて30mm高く、車重やエンジンスペックなども異なるレトロスタイルのトレールモデル。スキッドプレートやセミアップマフラー、アップフェンダー、燃料タンクなども専用部品だ。
主要諸元■全長1950 全幅805 全高1085 軸距1285 最低地上高195 シート高805(各mm) 車重121kg■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 177cc 13ps/7500rpm 1.4kg-m/6000rpm 変速機5段 燃料タンク容量7.5L■ブレーキF=φ220mmディスク+2ポットキャリパー R=φ110mmドラム タイヤサイズF=80/100-17 R=100/90-17 ●参考価格:3430万ルピア ●色:黒 ※諸元と価格は全てインドネシア仕様
KAWASAKI W175TR[2025 Indonesian model]EBONY
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
GPz900Rを受け継ぐ実用系最速マシン【カワサキGPZ1000RX】 1983年にTT-F1の排気量上限が750ccに引き下げられた結果、リッターバイクはレースの呪縛を解かれて独自に発展し始める。 […]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ フルモデルチェンジが実施された2018年モデルの発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベー[…]
125ccのMTバイクは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)[…]
Z1から11年を経た”新基準”【カワサキGPz900R】 カワサキが水冷6気筒のZ1300を発売したのは1979年だったが、この頃からすでにZ1系に代わる次世代フラッグシップが模索されていた。 Zに改[…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
大型二輪免許は18歳から取得可能! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する[…]
英国生まれインド育ち:クラシック風味に全振りしたモデル 現存するオートバイブランドでは最古(大元のジョージ・タウンゼンド・アンド・カンパニーの創業は1851年! )と呼ばれ、1901年にオートバイの生[…]
ホンダCB1300スーパーフォア/SP ファイナルエディション 頂点のバイクに今さら“付け足すもの”などない 1992年に「PROJECT BIG-1」が発動されセンセーショナルに登場したCB1000[…]
往年の名車をオマージュしたヘリテイジにアドベンチャーバイクの原点が登場! BMWは、1170cc空油冷水平対向2気筒エンジンを搭載するヘリテイジシリーズに、『R 12 G/S』を投入する。BMWのホー[…]
“エフ”の姿で降臨した新世代フラッグシップCB 売れに売れているカワサキ「Z900RS」をホンダが黙って見ている時期はもう終わりだ。 2020年春に発表された「CB-F コンセプト」は、昨年現行ライン[…]
人気記事ランキング(全体)
ヤマハ RZV500R「2ストV4エンジン搭載で衝撃のデビューを果たしたYZR500レプリカモデル」 ライトウエイトピュアスポーツからレーサーレプリカへの橋渡しであり、起点とも言えたヤマハ RZ250[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
4ストローク2気筒の『オフ・ザ・ロード』 国産4ストローク2気筒型オフロード車を語る上で外せないバイクが1970年登場のホンダSL350です。SL350は1970年代のホンダ車の中でもレアな存在ですが[…]
GPz900Rを受け継ぐ実用系最速マシン【カワサキGPZ1000RX】 1983年にTT-F1の排気量上限が750ccに引き下げられた結果、リッターバイクはレースの呪縛を解かれて独自に発展し始める。 […]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ フルモデルチェンジが実施された2018年モデルの発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベー[…]
最新の投稿記事(全体)
アプリで『もてぎ2&4レース』決勝を予想してプレゼントをGETしよう! モーターサイクルロードレースの国内最高峰、全日本ロードレース選手権 Rd.1『もてぎ2&4レース』が、4月19日[…]
レストア/整備/カスタム/販売など絶版車に関するすべての分野でサービスを提供 古いバイクを海外から輸入して販売する場合、車両によって程度の違いはあれ必ず整備が付随する。 元々のコンディション次第ではレ[…]
やっぱり「素手」が好き! いきなりですが、筆者はかなりの作業を素手で行っています。ていうか、素手が大好きです。ボルトを回すにしても、工具を持って締め付けるにしても、とにかく手先にダイレクトに伝わる感覚[…]
ファクトリーマシンが進化して帰ってきた! スズキは東京モーターサイクルショーのプレスカンファレンスで、2025年の『Team SUZUKI CN CHALLENGE』の体制発表を行った。メーカーとして[…]
スズキ株式会社は、2025年4月1日より、39年ぶりにコーポレートアイデンティティ(CI)とユニフォームを一新すると発表した。 ユニフォームのデザインは、1986年から使用しているブルゾン、パンツ、帽[…]
- 1
- 2