
2020年モデルをファイナルに絶版となったヤマハの名作トレール・セロー250。復活を望む声はいまだ根強いが、ヤマハ社内においてセローに関するなんらかの動きがあるとの情報をキャッチ。今までにヤングマシンが掴んでいる情報からも、セロー的なマウンテントレールの復活は“アリ”と睨む。その姿を大胆予測だ!!
●CG製作:SRD
ヤマハにとって、絶ッッッ対に必要なモデルがセローだ
【YAMAHA SEROW250 Final Edition[2020]】セロー35年の(現時点での)最終モデル。初代モチーフのグリーンとレッドの限定カラーを纏っていた。●参考当時価格:58万8500円 ■空冷4スト単気筒 249cc 20ps 2.1kg-m 車重133kg
1985年に“マウンテントレール”という新ジャンルで登場し、その後の改良とともに多くの支持を得ていったセロー。登場時の225ccから、途中で250ccへの排気量拡大やFI化といった進化を重ね、35年ものロングセラーを達成したが、2020年モデルを最後にセローは国内ラインナップから消滅。ヤマハファンならずとも残念な人は多いはずだ。
……が、諦めきれないヤングマシンはその後もネチネチと“セロー復活”の可能性を嗅ぎ回っている。その甲斐(?)もあり、本誌2023年6月号でヤマハの日本国内販社・ヤマハ発動機販売の松岡大司社長にインタビューを行った際には「ヤマハのイメージに貢献してきたモデルに変わるものは必要。なくなったことは我々が一番悔しいし、何とかしなくてはと考えている。限られたリソースでどうやっていくかを準備中」との談話を引き出している。
さらに本誌の2024年1月号でインタビューした、ヤマハ車両開発の統括部長である西田豊士氏からも「アセアンを含めた国内外のラインナップを見たときに、既存モデルをプラットフォームにセローのような、オフロードをゆっくり走れるモデルを作ってみるのはあり得る。そこにひとつの“解”がある」とのコメントを頂戴した。
我々はお二人以外のルートからも〝セローに関する何らかの検討はなされている〞との情報は掴んでいるが、信ぴょう性において、ヤマハのトップに立つ人物からのコメントに勝るものはない。ヤングマシンは”セロー的なトレール車の復活は、かなりの確度で可能性アリ”と断言する!!
既存リソース活用なら……空冷/水冷どちらの可能性も!!
では具体的に“セロー後継車”はどんなバイクになるのか。これに関してはヤマハ側でも検討段階と思われ、現時点で具体的な情報はない。しかし西田氏のコメントにあるように、現在販売されているヤマハ車のリソースを用いて作られることは間違いないだろう。
そこで国内外のヤマハ車を見たわすと……。実はセロー250はアメリカで「XT250」としていまだ現役。さらにインドで2022年まで販売されていた「FZS25」は、セロー250と同系列のエンジンでユーロ5と同等のインド排出ガス規制・BS6に適合し、ABSも装備していた。この2台を合体させれば、従来モデルのセローを色濃く継承した“空冷”での復活劇が可能なのではないか?
もうひとつ根強く存在する噂は、インドネシアなどで販売中の水冷155㏄トレール・WR155Rをベースに復活させるというもの。このエンジンは2023年末に国内投入されたYZF-R15と共通のため、排ガスなどの規制クリアに関しては全く問題なし。もし障壁があるとすれば、セローの後継機と呼ぶにはやや物足りない排気量だろう。
しかし、可変バルブのVVAなどを装備するこの水冷単気筒は19psと、最高出力だけ見れば最終型セロー250の20psにまったく遜色ないし、アフターマーケットでは206ccのボアアップに成功した例も存在する。WR155Rをベースに排気量をアップさせた“水冷セロー”の誕生も、これまたありえなくはない話なのだ。
ともあれ各方面でセロー後継への期待は高まるばかり。昨年のジャパンモビリティショーでは、カワサキが一時販売を休止していたKLX230をリニューアルし、今夏以降の国内再投入を明言しているが、この排気量帯のトレール車マーケットを長らく牽引してきたのはヤマハ。ぜひとも華麗な復活劇を望みたい!!
【次期型SEROW250[IMAGE CG] 】従来型オーナーが望むのはやはり空冷での復活では…という予想のもと、編集部で作成したCG。外観は1985年の初代をオマージュしたが、ネオクラブームのご時勢、こんな路線もアリなのでは?! (CG製作:SRD)
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(YMイメージCG by SRD)
“次”が存在するのは確実! それが何かが問題だ 2018年に発売されたモンキー125以来、スーパーカブC125、CT125ハンターカブ、そしてダックス125と、立て続けにスマッシュヒットを飛ばしている[…]
エイトボール! 王道ネイキッド路線への参入予告か スズキがグローバルサイトでティーザーらしき予告画像を公開した。ビリヤードの8番玉の横には『SAVE THE DATE 4TH JULY』とあり、7月4[…]
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
その名も「V3R」と「V3R E-COMPRESSOR」だ! ホンダが全く新しい4ストロークV型3気筒エンジンのコンセプトモデルを公開したのは、2024年秋のEICMA(ミラノショー)でのこと。かつて[…]
ASEANモデルのプレミアム化を推進するヤマハ 以前からスクープ情報をお届けしているとおり、WR155シリーズやYZF-R15などが200ccに進化して登場することになりそうだ。 国内のヤマハから公道[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
ヤマハNMAX155試乗レビュー この記事では、ヤマハの原付二種スクーターから、NMAX ABS(125)の2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年7月公開時の内容に基づく 【NMAX[…]
あの頃の中型 青春名車録「2ストの台頭」(昭和55年) 1970年代(昭和45年~)、国内における250ccクラスの人気は低迷していた。車検がないためコスト的に有利だが、当時は車体設計が400ccと共[…]
欧州ヤマハとUSヤマハの連携で生まれたカスタムビルドのXSR900 GP ウェイン・レイニーがバイクでサーキットを走った! 往年のレースファンなら、それがどれほど特別なことか理解できるだろう。 199[…]
ジェネシス末弟の新世代を狙う2モデルに鋏まれた濃淡2パターンのレプリカ! 1985年4月、ヤマハは宿敵ホンダが1982年に放ったVT250Fの人気に待ったをかけるべく、4気筒のFZ250 PHAZER[…]
人気記事ランキング(全体)
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
カバーじゃない! 鉄製12Lタンクを搭載 おぉっ! モンキー125をベースにした「ゴリラ125」って多くのユーザーが欲しがってたヤツじゃん! タイの特派員より送られてきた画像には、まごうことなきゴリラ[…]
ヤフオクで入手したバイクのフレーム。ネジ穴に折れたボルトが詰まってた!? ヤフーオークションでとあるバイクのフレームを買ったところから話が始まります。 フレーム曲がりや大きな傷もなく、塗装面も小傷があ[…]
“次”が存在するのは確実! それが何かが問題だ 2018年に発売されたモンキー125以来、スーパーカブC125、CT125ハンターカブ、そしてダックス125と、立て続けにスマッシュヒットを飛ばしている[…]
原付スクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があ[…]
最新の投稿記事(全体)
零戦と同じサムライ魂が成し遂げた「究極」の直4 時代を決定的に「それ以前」と「以降」に画してしまうエポックメイキングなモデルはいくつか存在する。中でもZ1は紛れもない革命児である。 量産車として世界初[…]
ある日チョークが折れてた エンジン始動でチョークを引っ張ったらいきなり「スポッ」と抜けた。何事かと思ったら・・・折れてたんですよ、チョークケーブルのアウターが。 アクセルやクラッチ、スロットルやチョー[…]
パフォーマンスマシン:レース環境から生まれた究極の操作性 ハイパフォーマンスを追求するのが、ハーレーの最新トレンド。優れた機能性とカスタムルックを高い次元で両立するアルミニウムビレット製のラジアルハン[…]
嬉しい、楽しい、大好きダックス! ちょっとHondaのバイクに詳しい人なら知っていることかもしれませんが、じつは「ダックス」のペットネームを持ったバイクがはじめて誕生したのは、半世紀以上も前の1969[…]
BSAにニッチな2ストロークマシンがあったとは…… BSAモーターサイクルは7月16日(日本時間同日19時過ぎ)にSNSを更新し、『We’re going back to the future on […]
- 1
- 2