
トライアンフモーターサイクルズは、6月28日に世界同時発表したミドルクラスのモダンクラシック「スピード400」および「スクランブラー400X」の、欧州での販売価格が明らかになった。現地からすればインド生産の両車は海外生産モデル。となれば、タイ生産のスピードツイン900との価格比を見てみる価値アリ?!
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
伊ではスピード400=5395ユーロ、スクランブラー400X=6095ユーロ
トライアンフが本気で350~400ccクラスの覇権を狙っている! そう思わずにはいられない。なにしろ、ハイスペックな水冷単気筒エンジンを搭載するミドルクラスのモダンクラシック「スピード400」と「スクランブラー400X」の価格が尋常じゃないのだ。
これにはまず、日本で販売されているホンダ「GB350」の価格を知っておいたほうがいいだろう。56万1000円という買いやすさで、251~400ccクラスはおろか大型バイクも含めて2022年の販売台数トップになっている。
GB350は、新開発の空冷単気筒に2本リヤショックのトラディショナルな構成が持ち味で、ホンダセレクタブルトルクコントロール(トラクションコントロールに相当)など装備も充実している。
では、直接のライバルになりそうなスピード400はどうかというと、60万円台中盤~後半という線が濃厚だ。というのも、このたび欧州で明らかになった販売価格が以下のようになっているからである。
英国
スピード400 4995ポンド
スクランブラー400X 5595ポンド
スピードツイン900 8795ポンド
スペイン
スピード400 5395ユーロ
スクランブラー400X 6095ユーロ
スピードツイン900 9795ユーロ
イタリア
スピード400 5495ユーロ
スクランブラー400X 6195ユーロ
スピードツイン900 9345ユーロ
なぜスピードツイン900の価格も一緒に並べてあるかというと、欧州からすると同じ海外生産モデルということになるから。スピード400&スクランブラー400Xはインド生産で、スピードツイン900はタイ生産。距離的にもタイとインドからの輸送であればコスト的に極端な違いはないはずで、その価格比から日本仕様の400シリーズも推測できるのでは、ということになる。
スピード400とスクランブラー400Xの価格差は6~9万円程度?
それぞれの国でバラつきはあるものの、スピード400の価格はスピードツイン900の価格比の約0.55倍~約0.59倍。日本仕様のスピードツイン900は115万5000円なので、これに0.55~0.59を掛ければ、おおよその価格が予想できるはず、という算段である。
同じくスクランブラー400Xは約0.63~約0.66だ。これらを踏まえて日本の価格を予想して見ると、以下のようになる。
日本仕様の予想価格
スピード400 約65万6000円~約67万9000円
スクランブラー400X 約71万9000円~約76万6000円
スピードツイン900 115万5000円(実際の価格)
トライアンフが『競争力のある価格』を示唆しているだけあって、予想価格もなかなかのもの。もちろん昨今の円安の影響などから多少のズレ幅も想定されるが、それでもネオクラシックモデル系のライバル勢に対してひと際ハイスペックなマシンは魅力たっぷりだ。
以下にライバル勢の価格も紹介するので、検討の材料に加えてみてほしい。350~400ccクラスがアジア圏で盛り上がってきていることを受け、日本でも一気にバラエティ豊かになってきたぞ!
スピード400 のカラーバリエーション
TRIUMPH SPEED 400[2024 model]カーニバルレッド
TRIUMPH SPEED 400[2024 model]カスピアンブルー
TRIUMPH SPEED 400[2024 model]ファントムブラック
スクランブラー400X のカラーバリエーション
TRIUMPH SCRAMBLER 400 X[2024 model]マットカーキ/フュージョンホワイト
TRIUMPH SCRAMBLER 400 X[2024 model]カーニバルレッド/ファントムブラック
TRIUMPH SCRAMBLER 400 X[2024 model]ファントムブラック/シルバーアイス
スピード400&スクランブラー400X のスペック
車名 | SPEED 400 | SCRAMBLER 400 X |
全長×全幅×全高 | 2055×795×1075mm | 2115×825×1190mm |
軸距 | 1375mm | 1420mm |
シート高 | 790mm | 835mm |
キャスター/トレール | 24.6°/102mm | 23.2°/108mm |
装備重量 | 171kg | 180kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ← |
総排気量 | 398cc | ← |
内径×行程 | 89.0×64.0mm | ← |
圧縮比 | 12:1 | ← |
最高出力 | 40ps/8000rpm | ← |
最大トルク | 3.87kg-m/6500rpm | ← |
変速機 | 6段リターン | ← |
燃料タンク容量 | 13L | ← |
タイヤサイズ前 | 110/70R17 | 110/90R19 |
タイヤサイズ後 | 150/60R17 | 140/80R17 |
ブレーキ前 | φ300mmディスク+4ポットキャリパー | φ320mmディスク+4ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ230mmディスク | φ230mmディスク |
サスペンション前 | φ43mm倒立フロントフォーク/140mmトラベル | φ43mm倒立フロントフォーク/150mmトラベル |
サスペンション後 | プリロード調整機構付きモノショック/130mmトラベル | プリロード調整機構付きモノショック/150mmトラベル |
日本国内価格 | 未発表 | ← |
発売時期 | 2023年末 | ← |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
トライアンフ「スピード400」の写真をまとめて見る(全70点)トライアンフ「スクランブラー400X」の写真をまとめて見る(全81点) 英国時間の2023年6月27日に発表、中型モダンクラシック×2車の[…]
ハーレーダビッドソン「X440」の写真をまとめて見る(全26点) 350ccのライバル勢に対し440ccシングルで対抗 ハーレーダビッドソンのブランニューモデル「X440」がインドで発表された! エン[…]
GB350CのカラーバリエーションCG 全3色をまとめて見る “GBカフェ”はオプションパーツで製作可能!! ホンダは4月27日に「GB350C」という商標を出願し、これが5月10日に公開されている。[…]
ホンダ「GB350/S」2023年モデルの写真をまとめて見る GB350はマットパールグレアホワイト、GB350Sはプコブルーを追加! 2022年にクラストップの販売台数を記録し、供給が追い付かないこ[…]
ターゲットを変えて3機種を作り分けるロイヤルエンフィールドの350ccシリーズ よく作り分けているなぁ、と感心する。普通自動二輪免許で乗れるロイヤルエンフィールド、メテオ350/クラシック350/ハン[…]
最新の関連記事(新型小型二輪 [251〜400cc])
2023年モデル:400クラス唯一のクルーザーとして復活 発売は2023年4月25日。先代となるエリミネーター400から実に15年ぶりの登場で、エリミネーター/SEの2グレード展開だった。 ニンジャ4[…]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ:カワサキ「ニンジャ400」【2018モデル】 発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベース[…]
KLX300はKXイメージのシャープな最新デザインに新グラフィック&色変更 日本では2016年5月15日にファイナルエディションが発売されたデュアルパーパスモデル「KLX250」だが、北米では2021[…]
日本仕様にもニューカラー投入か 英国スズキは、マキシスクーター(日本でいうところのビッグスクーターにあたる)の「バーグマン400」にニューカラーを導入すると発表した。 深緑の『パールマットシャドウグリ[…]
2025年モデル概要:無印がブラック/ホワイトの2色ラインナップに 前18/後16インチホイールを履くロー&ロングフォルムなミドルクラスクルーザー「エリミネーター」。その2025年モデルでは1色のみの[…]
最新の関連記事(トライアンフ)
ジェントルマンズライド(Distinguished Gentleman’s Ride)とは? 「ジェントルマンズライド(Distinguished Gentleman’s Ride、以下DGR)」は、[…]
660ccの3気筒エンジンを搭載するトライアンフ「デイトナ660」 イギリスのバイクメーカー・トライアンフから新型車「デイトナ660」が発表された際、クルマ好きの中でも話題となったことをご存知でしょう[…]
”最高”のスピードトリプルが登場 スピードトリプル1200RXは、世界限定1200台のみ生産予定。2025年1月に発表されたスピードトリプル1200RSからさらにアップデートされており、「究極のスピー[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
AMAスーパークロス2位の実績を持つモトクロッサーのエンデューロ仕様が上陸! トライアンフが開発したオフロードマシンには、250cc4ストローク単気筒エンジンを搭載するモデルと、450cc4ストローク[…]
人気記事ランキング(全体)
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは、948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z900」および上級モデル「Z900 SE」[…]
涼しさの心臓部。それは「素材」と「構造」の魔法的組み合わせ うだるような暑さと、じっとりと肌にまとわりつく湿気。毎年繰り返されるこの季節に、多くの人が少しでも快適に過ごせる服を探し求めている。そんな中[…]
『Wheels and Wavesフェスティバル』にカスタムマシン×11車を展示 6年目を迎えたHondacustoms(ホンダカスタムズ)、過去にはCB1000Rやレブル、CL250/CL500、モ[…]
左右2本出しマフラーやベルトドライブ、6速ミッションも採用 ヒョースンモータージャパンは、水冷124.7cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV125Xロードスター」を発売する。 挟み[…]
アメリカは”英国車マニア”多し! この1956年製MGAはご覧の通り左ハンドルで、最初から北米仕様だったもの。そもそも、アメリカは英国車マニアが数多く存在しており、1950年代どころか1930/194[…]
最新の投稿記事(全体)
「パンヘッドのチョッパーに乗りたい」理想像を具現化 目の肥えたファンが集まるカスタムショーに大きなブースを構え、絶え間なくハイレベルな作品を発表し続ける遠藤自動車サービス。その確かな技術力/信頼性の高[…]
2023年モデル:400クラス唯一のクルーザーとして復活 発売は2023年4月25日。先代となるエリミネーター400から実に15年ぶりの登場で、エリミネーター/SEの2グレード展開だった。 ニンジャ4[…]
日本を代表するツーリングロードのティア表だっ! 「次のツーリングは、どこへ行こう?」 そんな嬉しい悩みを抱える全てのライダーに捧げる、究極のツーリングスポット・ティア表が完成した。 ……いや、そもそも[…]
フレンドリーさも持ち合わせていた名機’89 NSR250R 1986年に初登場した2ストロークレーサーレプリカの名車、NSR250R。登場から30年以上が経過した現在でも、型式を問わず根強い人気を誇っ[…]
幻のヤマハロータリー〈RZ201〉 1972年東京モーターショウの最大の話題は彗星のように登場したこのローターリー車だ。水冷・横置きツインローターを搭載、また前輪とともに後輪にもディスクブレーキを採用[…]
- 1
- 2