
ホンダは、全世界の二輪メカニック対象の技能コンテスト「ホンダ グローバル モーターサイクル テクニシャン コンテスト」の第一回大会をホンダテクニカルカレッジ関東(埼玉県ふじみ野市)で10月8日に開催した。全世界8.9万人のサービススタッフの頂点を目指して、各国から選抜された23人が技術を競った。
●文:編集部 ●写真:山下 剛/ホンダ
ホンダ グローバル モーターサイクル テクニシャン コンテスト(以下HGMTC)は、言うなればホンダメカニックの世界一決定戦。全世界に8.9万人いるホンダ二輪サービススタッフの頂点を目指し、各国・各地域の大会を勝ち抜いた23名のファイナリストが点検・診断・修理における確実性やスピードを競うもの。国や地域別では開催されているものの”世界大会”は今回が初となる。メカニックのモチベーションアップや労働条件の改善がコンテストの狙いだ。
スーパーカブ110が競技車両の「コミューター部門」と、CB650Rを用いる「ファン部門」に分かれており、初日に筆記試験、2日めに実技試験を行う。この実技も始動しない車両のトラブルシューティングを行い、制限時間内にエンジンを始動させる「実車競技」と、チェーンのかしめやバルブステムシールの交換といった部品単位で行う「単品競技」の2つに分かれており、作業の速度や正確性、工具の正しい使い方などが試験官によって採点される。
今回、このHGMTCの実車競技と単品競技を取材する機会に恵まれたが、派手な開会式の演出や選手が作業するブースの作り込みなど、ホンダの力の入れようはかなりのもの。さらに課題は簡単すぎず、かつ時間内に解決できないメカニックも出るレベルに絶妙にコントロールされていたのが印象的で、これが世界大会らしい、緊張感のある戦いをうまく演出していた。
日本からは2名がファン部門に参加しており、1位のウ・チュン・イィ選手(台湾)、2位のヨス・ポロス選手(オランダ)に次いで阪田充宏選手が3位入賞を果たした。ちなみに日本選手が参加していないコミューター部門は1位インドネシア、2位中国、3位ベトナムの選手という結果だった。
HGMTCは今後、4年ごとの開催を予定しているとのこと。選抜されたメカニックたちの真剣勝負は非常に見応えのあるもので、不謹慎かもしれないが見ていてとても興味深かった。メカニックの意欲向上策として捉えるならライブ配信や一般公開など、衆目環境の下で行うのもひとつの手なのではないかと思う。
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