25年以上の歴史を持つ台湾メーカー、ハートフォードのミニエリート150という軽二輪バイクを紹介しよう。前後12インチホイールを履くコンパクトな車体だが、150.1ccの水冷シングルを搭載しているので高速道路も走行可能。東京湾アクアラインも渡ってみたぞ!
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:ウイングフット
ハートフォード ミニエリート150 概要
[◯] このサイズでパワフル。高速巡航も意外や余裕
モンキーに代表される小径ホイールのコンパクトなバイクが好きな人にとって、ロマンあふれるモデルが台湾からやってきた。このミニエリート150、ホイール径はモンキー125と同じ前後12インチで、車体寸法もかなり近しい。そんな小さなボディに、約15psを発揮する150ccの水冷エンジンを搭載しているのだから、かなり魅力的な1台だ。
まずはエンジンから。FIやバランサーシャフト、6段ミッションなどを採用する水冷SOHC4バルブ単気筒は、低回転域からけっこうな力があり、軽量な車体をグングンと加速させる。シート高が低い、つまり視点が低いこともあって、実際の速度以上にスピード感があるというのが小径バイクの長所だ。125cc超の軽二輪なので、東京湾アクアラインを含む高速道路も走ってみたところ、トップ6速100km/hでの回転数はおよそ7000rpm。上り勾配でも失速しないなど、まだまだ余裕ありといった感じだ。新車なのでシフトが硬いとか、スリッパークラッチ付きなのにレバーの操作が重いなど、いくつか気になる点はある。とはいえ、例えばモンキー125をここまでパワフルにするにはかなりの金額がかかるのでは、というぐらいに力強いのは間違いない。
続いてはハンドリングだ。標準装着タイヤは、かつてホンダのエイプシリーズが履いていたマキシス製の12インチで、舗装路でのグリップ力は十分以上だ。トレール量が短いのか、低速域でややフラつきやすいのと、高速道路ではもう少し安定性がほしいと感じたが、これらは小径ホイールゆえの特性もあるだろう。市街地や峠道では、パワフルなエンジンと相まってキビキビと気持ち良く走れる。また、前後のディスクブレーキが強力なこともあり、見た目のクラシカルな雰囲気とは裏腹に、スポーティに攻めることも可能だ。
ステップ位置が低いので、意外とあっさりバンクセンサーが接地してしまうが、それに不満を覚えるほど快走できるミニエリート150。お値段はちょっと高めながら、それに見合うだけの実力は有している。
[△] リヤショックの硬さでお尻が跳ね上げられる
フロントフォークの動きはまずまずだが、リヤショックはかなり硬めの設定で、大きい段差ではお尻が跳ね上げられることも。ただ、これを柔らかくすると、さらにバンク角が減ってしまう可能性があり、カスタムの際はこのバランスで悩みそうだ。
[こんな人におすすめ] このサイズで高速も走れるこれぞロマン!
同排気量のジクサー150より20万円以上高いとか、1万1000円足せばレブル250が買えるなど、価格は高めではある。だが、このサイズ感のバイクが好きな人には、パワフルさと高速を走れる長所からむしろ安いと思うはず。
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