日本のラインナップにおける最小排気量のハーレー、ナイトスターに豪華仕様の“スペシャル”が新登場。ビキニカウルやタンデムシート、液晶ディスプレイなどを採用しながら、価格は11万円高に抑えられている。空冷時代を彷彿させるスタイリングは感無量だ!
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:柴田直行 ●外部リンク:ハーレーダビッドソンジャパン
ハーレーダビッドソン ナイトスタースペシャル 概要
[◯] 力強く従順なエンジン。サスペンションの動きに懐かしさ
現在、ハーレーのスポーツファミリーは水冷60度Vツインを搭載しており、排気量は975ccと1252ccの2本立てとなっている。ナイトスターは前者に属し、空冷時代のベーシックなモデルと同様、フロント19/リヤ16インチホイールと、リヤ2本ショックを採用する。’23年に追加された“スペシャル”はナイトスターの上位モデルで、ビキニカウルやタンデムシートなどを装着。車重は4kg増の225kgを公称する。
エンジンは吸気側に可変バルタイ機構を採用しており、ホンダ レブル1100の87psを上回る90psを発生する。走行モードはスポーツ/ロード/レインの3種類で、スポーツモードは突進するかのごとくパワフルだ。可変バルブタイミングが切り替わるタイミングは要件によって変化するとのことで、レッドゾーンの始まる9000rpmまでの豪快な吹け上がりはかなり現代的だ。
一方、レインモードでの優しいレスポンスと低中回転域での鼓動感は、空冷883時代を彷彿させるもので、試乗の多くをこのモードで過ごした。電スロの設定なのか、発進時のクラッチミートがややシビアに感じたが、気になるのはそれぐらいだ。
ハンドリングは、空冷時代よりも明らかにクセが少なくて扱いやすいと感じた。空冷スポーツスターは舵の入り方がやや強めで、それを生かせるようになると、文字どおり峠道でもスポーティな運動性を披露してくれるが、慣れるまではその切れ込みを腕で抑えようとしてしまいがちだ。これに対してナイトスタースペシャルは、発進時からふらつくことなく、車体の傾きに対してスムーズに舵角が発生する。加えてリーンアングルは左右とも各32度確保されているので、峠道で少々ペースを上げてもステップが擦ることはない。
特に感心したのは乗り心地の雰囲気だ。サスペンションストロークは短めではあるものの、バネ下が積極的に動いて衝撃を緩和する印象は限りなく空冷時代に近く、それでいてダンピング性能はモダンになっている。外観だけでなく、走りでも空冷時代を再現していると感じた大きな要素だ。
[△] 価格設定はかなり高め。右足の熱さには覚悟を
プラス17万6000円でビッグツインのソフテイルスタンダードが買える価格だけに、エントリーモデルと呼ぶことに躊躇。それと、リヤバンクのシリンダーヘッドが右足に触れやすい位置にあるため、カバーされているとはいえけっこう熱い。
[こんな人におすすめ] 外観は古典的。中身はモダンなハーレーダビッドソン流ネオクラシック
水冷化に賛否両論あるスポーツファミリーだが、ナイトスターに関してはハーレー自身がネオクラシックに挑戦したと考えると合点がいく。排気量と価格からもライバルはBMWのRナインTシリーズで、装備面ではハーレーに軍配か。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
ハーレー女子に聞きました Q1.これまでのバイク歴/ハーレー歴など教えてくださいQ2.いま乗っている愛車を選んだ理由は?Q3.お気に入りのポイント?Q4.高年式モデルにない魅力とは?Q5.同じ趣味を持[…]
日本未導入の特別仕様車をベースにカスタム 第2次世界大戦時、軍用として用いられていた車両「WLA」をモチーフにしたカラーリングが採用されているのは、パンアメリカ1250スペシャルの特別仕様車「GIエン[…]
HARLEY-DAVIDSON HAKATA PAN AMERICA B.O.T.T. WCT ドゥカティ パニガーレやKTM RC8といった高性能スーパースポーツツインモデルたちがエントリーするバト[…]
極太タイヤで路面を蹴り飛ばす! ワイドグライドがミルウォーキーエイトを積んで復活か!? そんな期待をせずにはいられない、ワイドグライドのチョッパースタイルが見事なまでに再現されている。 見どころ満載、[…]
SPEEDRA:質感向上に欠かせない高品質素材。色とりどりのアルミビレットパーツ スポーツスターS/ローライダーSTなどを皮切りに、新たにハーレー市場に参入。アルミビレッドパーツやドライカーボンカウル[…]
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
400ccライダーの感じたレブル1100T DCT 柴﨑美奈子さんは横須賀にあるバイカーズカフェ☆TWO STAR☆のオーナー。10代で免許を取得してからずっと同じ400ccのバイクに乗り[…]
1位:トリックスターのNinja ZX-4RRターボ試乗 カワサキが送る4気筒400ccスーパースポーツ、Ninja ZX-4RRをトリックスターがターボ化。Ninja ZX-25Rの際にはクラッチの[…]
上級仕様にふさわしい装いのMT-09 SP MT-09 SPの“スペシャル”たる所以はその豪華装備にある。無印MT-09に対して、ラジアルマウントのフロントブレーキキャリパーがブレンボ製となり、前後の[…]
CL500って、とても魅力的なバイクだと思います。250cc並のコンパクトな車体サイズなのでビッグバイクビギナーでも取り回しが簡単。排気量が250ccの2倍もあるから、どんなシチュエーションでも余裕の[…]
極太タイヤで路面を蹴り飛ばす! ワイドグライドがミルウォーキーエイトを積んで復活か!? そんな期待をせずにはいられない、ワイドグライドのチョッパースタイルが見事なまでに再現されている。 見どころ満載、[…]
人気記事ランキング(全体)
小椋藍選手のファンならずとも注目の1台! MotoGPでは小椋藍選手が来季より移籍(トラックハウスレーシング)することでも注目のアプリリアから、新しいミドルクラスのスポーツモデルが登場した。欧州ではす[…]
電熱インナートップス ジャージタイプで使いやすいインナージャケット EK-106 ポリエステルのジャージ生地を採用した、ふだん使いをしても違和感のないインナージャケット。38度/44度/54度と、3段[…]
グローバル展開では『500cc』のほうが有利になる地域も ホンダ「GB350」シリーズといえば、直近ではクラシカル要素を強化したGB350Cも新登場し、走りのフィーリングまで変えてくるこだわりっぷりが[…]
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことがわかった[…]
最新の投稿記事(全体)
トラコン装備で330ccの『eSP+』エンジンを搭載、スマホ連携5インチTFTメーターを新採用 シティスクーターらしい洗練されたスタイリングと、アドベンチャーモデルのエッセンスを高次元で融合させ人気と[…]
「BMW F900XR」3台を先行導入 BMWは、首都高速道路のバイク隊に向け「F900XR」を納入したことを発表。これは「「BMW F900XR POLICE仕様」をベースとしたものだ。 黄色いバイ[…]
マルチスマートモニターYUMIでバイクライフが激変! 待ちに待った開梱! 同梱物のチェック! まずは、中身の確認! シエルのマルチスマートモニターには2モデルあり、ドライブレコーダー、空気圧センサーが[…]
『ゲルザブウォーム シートカバー』とは? 『ゲルザブウォーム シートカバー』は、冬を快適に過ごすためのゲルザブR用の電熱シートカバーです。この商品は、寒さが厳しい季節でもライダーが心地よくツーリングで[…]
Vストローム250SX[59万1800円] vs Vストローム250[66万8800円] 2023年8月に発売された、スズキ自慢の油冷単気筒エンジンを搭載したアドベンチャーモデル「Vストローム250S[…]