
シールド付きクロスオーバーヘルメットとして愛好家の多いツアークロス3が全面刷新。帽体から新設計となり、トータルでの性能を大きくアップしたほか、オフ→オンロードスタイルへのチェンジも工具ナシで可能になった。その実力をさっそくテストだ!※この記事はヤングマシン2023年9月号に掲載されています。
●まとめ:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:アライ
[◯] 全方位的に魅力アップ。特に換気性能が秀逸だ
バイザーとシールドを備え、アドベンチャーモデルに最適なツアークロス。従来の「3」から実に11年ぶりのフルチェンジを敢行した。
新設計の帽体はシールド位置を下げ、滑ってかわす面積を増やすことで安全性を向上。さらに、前面が尖ったツアークロス3に対し、通常のフルフェイスに近い曲面フォルムとなった。また、従来はシールドを外すのに左右各2本のネジを外して別売のホルダーを装着する必要があったが、本作ではボタン一つで着脱でき、ホルダーも不要に。シールドを外してゴーグルで走行する場面でもより素早く簡単に変更できる。
実際の被り心地は、カッチリしながら頬のホールド感はやさしく面で包む感じ。特に感心したのは換気性能だ。額のダクトは従来の左右×2から上下×2となり、バイザー装着時でも吸気量が増大したことが実感できる。特に開口部を増やした口元は換気効果が素晴らしく、快適だ。
空力性能も優秀。通気孔を新設したバイザーや、リヤスポイラーにより100km/hでも安定感抜群だ。直進時は、確実に前作よりバイザーが煽られにくくなっている。なおバイザーは可動式で、走行中でも自由に角度を変更できて便利だ。
【アライ ツアークロスV】●サイズ:54 55-56 57-58 59-60 61-62 ●シールドシステム:VAS-Aシールド対応 ●対応規格:スネル JIS ●色:ソリッドモデル=白 銀 黒 マット黒 灰/グラフィックモデル=青 赤 白 ●価格:ソリッドモデル=6万9300円/グラフィックモデル=7万9200円
工具なしで3スタイルに変化。一段とオン用に近いフォルムとなり、バイザーを外した際はよりスタイリッシュに。また、眉の通気孔を廃止したことで開口部が広くなり、ゴーグル装着時に干渉しにくい。
帽体は最新のPB-cLc2に。インカムを装着しやすい帽体形状とし、乱流を抑えるリヤスポイラーも。
【換気性能UP。口元20%拡大】通気ダクトはフロントロゴダクトなどで吸気量が増加。チンガードの開口部は20%も拡大。
[△] ついに単色でも7万円近い価格に
特に不満は見当たらないものの、価格が前作より約1.7万円高に。物価高だけに仕方ない…。
[こんな人におすすめ] 多彩な車種で旅がはかどる! まさに万能だ
内装は側頭部の厚みが調整可能な新作となり、スピーカーホールも採用。ツーリング向けの快適機能が満載となった。バイザーを外せばモタードやストファイ系にも似合い、様々な車種に対応できるのでお買い得だ!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ヘルメット)
軽量コンパクトなフルフェイスがカーボンモデルとなってさらに軽く強く! Kabutoのフルフェイスヘルメット『AEROBLADE-6』は、軽量&コンパクトな帽体を空力特性に優れる形状に仕上げたモデルだ。[…]
HJCハイパフォーマンスの結晶、RPHA 12 まずは、ベースモデル「RPHA 12」について振り返っておこう。RPHA 12は、HJCが安全性、快適性、そして空力特性を極限まで追求したという、まさに[…]
インパクト大の「ミニオン」になりきれるグラフィック 「V10 ミニオンズ スチュアート」最大の特徴は、ヘルメット全体でミニオンになりきれる、遊び心あふれるデザインにある。とくにヘルメットの天頂部に大き[…]
人気のネオクラシックモデルに、グラフィックデザイナー・加藤ノブキ氏の第3弾 アライの「RAPIDE-NEO(ラパイドネオ)」は、かわす性能を追求した安全性と快適性をクラシカルなデザインでまとめたフルフ[…]
安全性と装着感を両立したフルフェイス 「DN-003NM」の最大の特長は、ABS+PC複合素材を使用した高強度な帽体構造。転倒や衝撃に強く、SG規格にも対応しており、万一のアクシデント時にもライダーの[…]
最新の関連記事(アライヘルメット)
人気のネオクラシックモデルに、グラフィックデザイナー・加藤ノブキ氏の第3弾 アライの「RAPIDE-NEO(ラパイドネオ)」は、かわす性能を追求した安全性と快適性をクラシカルなデザインでまとめたフルフ[…]
機能豊富なマルチパーパスフルフェイスのシールドを外した、さらに身軽なフォルム 『TOUR-CROSS V』は、アライヘルメットが’23年6月に発売したマルチパーパスヘルメットだ。高速走行時の空気抵抗を[…]
【受注期間限定】SHOEI「EX-ZERO」新色モスグリーン 「EX-ZERO」は、クラシカルな帽体デザインにインナーバイザーを装備し利便性に優れる一方で、着脱式内装システムや、万一の際にヘルメットを[…]
ビヨンド・ザ・タイム(時を超えて) 「かわす性能」でライダーの頭を護り続けるアライヘルメットが、オールラウンドフルフェイス「アストロGX」の新グラフィックモデル「アストロGXビヨンド」を発売する。 ア[…]
高品質な『ラメ感』を演出する特殊塗装を用いたデラックス仕様 『CLASSIC AIR』は、フェイスガードを持たないオープンフェイスヘルメットで、帽体部にベンチレーションホールやスポイラーをいっさい装備[…]
人気記事ランキング(全体)
スマホ連携TFTやスマートキー装備のDX ホンダがミラノショーで発表した2025年モデルのPCX125(日本名:PCX)。2023年には欧州のスクーターセグメントでベストセラーになった同車だが、日本で[…]
ニューカラーにスマートフォン接続機能が進化 2026年モデルでパッと目を引くのは、やはりカラー&グラフィックの変更だ。「Ninja ZX-4R SE」は、パールロボティックホワイト×メタリックスパーク[…]
みんながCBを待っている! CB1000Fに続く400ccはあるのかないのか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「[…]
意外と複雑な一方通行の表示 一方通行規制のおもな目的は、車両の相互通行による複雑で危険な交通状況を単純化し、交通の安全と円滑を図ることにある。とくに、道幅が狭く、歩行者や自転車の通行が多い住宅地や繁華[…]
スズキ ジクサー150試乗インプレッション 全日本ロードレースを走るレーシングライダー、岡崎静夏選手がスズキ「ジクサー150」の2025年モデルを試乗。彼女は想像以上にスポーティーな乗り味に驚いたと語[…]
最新の投稿記事(全体)
「ワインディングの覇者を目指すならCB-1」のキャッチコピーだったら評価は変わった!? カウルを装着したレーサーレプリカが出現する以前、1970年代までのスーパースポーツはカウルのないフォルムが一般的[…]
軽量コンパクトなフルフェイスがカーボンモデルとなってさらに軽く強く! Kabutoのフルフェイスヘルメット『AEROBLADE-6』は、軽量&コンパクトな帽体を空力特性に優れる形状に仕上げたモデルだ。[…]
バイク専用設計で干渉しにくいL字コネクター デイトナのUSB-A to USB-C充電ケーブルは、バイク乗りの使いやすさを徹底的に追求した設計。スマホ接続部がL字コネクターになっており、走行中もハンド[…]
2025年上半期の国内登録台数は3099台で販売新記録! 発表会の冒頭、BMW株式会社モトラッド・ジェネラルマネージャーの大隈 武氏が壇上に立ち、2025年上半期のビジネス概要/取り組みを発表した。 […]
サスペンションのオーバーホールとは? バイクのメンテナンスで必要な項目と言えば、多くの方がまず“エンジンオイルの交換”を思い浮かべるのではないでしょうか? 実は、サスペンションも同様にメンテナンスが必[…]
- 1
- 2