
スズキのビッグアドベンチャー、Vストローム1050XTの実質的な後継として“DE”が誕生! フロントホイールの19→21インチ化を筆頭に、ホイールトラベル量の増加やフレーム補強などでオフロード性能を強化。合わせて双方向クイックシフターが追加されたぞ!
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:柴田直行 ●外部リンク:スズキ
スズキVストローム1050DE 概要
【SUZUKI V-STROM 1050DE】■全長2390 全高1505 シート高880(各mm) 車重252kg ■水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブ 1036cc 106ps/8500rpm 10.1kg-m/6000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量20L ■ブレーキF=ダブルディスク R=ディスク ■タイヤF=90/90-21 R=150/70R17 ●色:黄 青 ●価格:171万6000円
【ライディングポジション】シート高880mmで足着き性は厳しめ。30mm低いローシート(2万5520円)を純正アクセサリーで用意する。ライポジはスタンディングのしやすさも考慮。[身長175cm/体重68kg]
[◯] 乗り心地の良さに感動。エンジンは熟成の極み
’20年モデルで新排ガス規制に適合し、現行のスタイリングとなったVストローム1050/XT。アルミキャストホイールのSTDは’23年も継続し、ワイヤースポークホイールのXTは“DE”へと進化した。
フロントホイールの19→21インチ化によるハンドリングは、微速域から直進安定性が強く、XTとは明らかに方向性の違いを感じる。とはいえクセが強いと表現するほどではなく、STDよりも40mm広いハンドルを使って車体を倒し込めば、バンク角主体で大らかに旋回する。
特に感心したのは乗り心地の良さで、ホイールトラベル量をわずか(フロントで10mm、リヤで9mm)とはいえ伸長したことと、フロントホイールの大径化、タイヤ銘柄の変更などが功を奏しているようだ。フラットダートを走ってみたところ、21インチによる凹凸の乗り越えやすさや安定性はXTよりも高く、オフ性能を強化してきたことは明らかだ。ただ、車重がけっこうあるので、ダート走行に自信のない人ほど無茶は禁物だ。
106psを発揮する1036ccの水冷90度Vツインは、ローRPMアシストが違和感なくサポートしてくれることもあり、発進時から極めて扱いやすい。トップ6速、100km/hでの回転数は3750rpmあたりで、街中や峠道で自然と多用するのは6000rpmまで。力強くも優しいトルクの出方、3種類の走行モードによる明確なレスポンスの違い、トラクションコントロールのナチュラルなサポートなど、電子制御システムのセッティングはほぼ完璧。新導入の双方向クイックシフターについては、ローからセカンドに上げるときにやや強めのショックが出るが、それ以外は極めてスムーズ。クルーズコントロールの制御も特に不満はない。
XTと同様に6軸IMUを導入しており、前後連動ブレーキの制御は極めて優秀だ。コーナリングABSをはじめ、荷重の変化によりブレーキ圧を補正したり、勾配に応じてABSの介入を最適化するなど、高度な機能を導入するが、それを感じさせないほど利き方は自然。ツーリングにおいてこれは心強い味方だ。
[△] 乗る人を選ぶシート高。車重のハードルも高い
伸長したとはいえアドベンチャーとしてはサスペンションストロークは短めであり、乗車1Gであまり沈み込まないことから、数値以上にシート高が高く感じる。それと252kgという車重はBMWのR1250GS並みに重く、取り回しはかなり大変だ。
[こんな人におすすめ] 軸足はあくまでオンロード快適ツアラーだ
XTよりもオフ性能を強化したとはいえ、軸足はあくまでもオンロード。だが、フロント21インチ化によってスタイリング的にもかつてのDR750Sにより近付いたわけで、この形に惚れた人ならネガ要素も克服してしまうはずだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
【岡崎静夏 おかざき・しずか】ルックスはキュートなバイク女子。走りは全日本ロードレース選手権J-GP3クラスでシリーズランキング4位を獲得する実力!! E-クラッチがもたらす超スムーズな変速に感動 今[…]
ラインナップ豊富な新生KLX230シリーズ カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させた。 KLX230[…]
BMWが打ち出すベテラン用オートマチック 違和感はなく、慣れという意識も必要なかった。走り出して10分もすると、僕はASA(オートメイテッドシフトアシスト)のコツを掴み、その機能をより効率良く活用する[…]
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキは、KLX230シリーズのモデルチェンジ時点で、トレッキングモデル「KLX230シェルパ」をラインナップに加えた。シェルパの名を冠したバイクとしては[…]
車体の刷新でスポーツ性を大幅強化 今回の倒立フォーク化&ラジアルマウント化のモデルチェンジでは、本来約4.5kgの重量増になるところを、MT-07ならではの軽さに拘って各部を軽量化。車体のねじれ/縦方[…]
人気記事ランキング(全体)
まず車間が変わることを理解しておこう! ツーリングでキャリアのある、上手なライダーの後ろをついてゆくのが上達への近道。ビギナーはひとりだと、カーブでどのくらい減速をすれば良いかなど判断ができない。そう[…]
ヤンマシ勝手に断言。これでレースに出るハズだ!! 「CB1000Fコンセプト モリワキエンジニアリング(以下モリワキCB)」は、見ての通り、ホンダCB1000Fコンセプトをレーサーに仕立てたカスタムモ[…]
ナンバー登録して公道を走れる2スト! 日本では20年以上前に絶滅してしまった公道用2ストローク車。それが令和の今でも新車で買える…と聞けば、ゾワゾワするマニアの方も多いのではないか。その名は「ランゲン[…]
モバイルタイプでも水の勢いは十分。洗車での活躍は間違いなし 今回発売されるケルヒャー「OC 5 Handy CB」は、もっと手軽に、どこでも洗浄したいというユーザーの持ち運びニーズに対応した、ガンタイ[…]
タイホンダ創立60周年を記念したスペシャルエディション 特別仕様車の製作に旺盛なカブハウスは、タイホンダの創立60周年を記念した「New Monkey Chrome Legacy Limited Ed[…]
最新の投稿記事(全体)
【岡崎静夏 おかざき・しずか】ルックスはキュートなバイク女子。走りは全日本ロードレース選手権J-GP3クラスでシリーズランキング4位を獲得する実力!! E-クラッチがもたらす超スムーズな変速に感動 今[…]
QBRICK(キューブリック):据え置き/持ち運びどちらもOK。多彩なボックスを連結して自分仕様の収納ができる 共通のジョイント機構により、多様な形状や容量のボックスを自由に連結、分割できるQBRIC[…]
新5色ラインナップとなった2022年モデル 2022年モデルが発売されたのは、2022年6月23日のこと。2021年のフルモデルチェンジの際には、新設計の水冷エンジンが4バルブの「eSP+(イーエスピ[…]
15番手からスタートして8位でフィニッシュした小椋藍 モナコでロリス(カピロッシ)と食事をしていたら、小椋藍くんの話題になりました。「彼は本当にすごいライダーだね!」と、ロリスは大絶賛。「ダイジロウ・[…]
筑波サーキット向けにカスタム中 「X350ウィズハーレー編集部号」は、2024年12月現在、サーキット、とくに筑波サーキットでタイムを削るためのカスタムを進めている。過去、全日本選手権に出場し、筑波サ[…]