
オーストリアにある欧州最大の二輪ディーラー KSRグループが’18年に立ち上げたバイクブランド・ブリクストン。日本国内では、ランブレッタやファンティックを扱うモータリストが取り扱いを開始している。本記事では、同ブランドの中でもクロスファイア500/クロムウェル1200に速攻試乗だ!
●文:ヤングマシン編集部(谷田貝洋暁) ●写真:富樫秀明 ●取材協力:モータリスト
ブリクストン クロスファイア500:バランス超良好でデザインもマル
エンジンはホンダのライセンス品とのことだが、フィーリングもそのままで非常に扱いやすい。このエンジンに、”理にかなったしっかり走れる車体”を与えたのがこのモデルの最大のポイントのようだ。
だからだろう。車体剛性、ハンドリングといった要素がエンジンパワーとものすごくマッチしていてバランスがいい。特別速いわけではないのだが、パワーに対してのバランスが良いおかげで不安なところがいっさいない。だからマシンを操ることにものすごく集中できるのだ。
このクロスファイアのデザインを行なったのはグレイグ・デント氏が率いるデザイン会社。彼は元キスカのデザイナーで、KTMのスモールデュークやハスクバーナのスヴァルトピレン/ヴィットピレンなども手がけている。クロムウェルがどことなくそれらの車両に似ているのも納得。しかもデザインと性能がしっかり整合しているところが凄い!
【BRIXTON Crossfire500】■全長2117 全幅757 全高1116 軸距1416 シート高795(各mm) 車重190(装備) ■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ486cc 47.6ps/8500rpm 4.4kg-m/6750rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量13.5L ブレーキF=ディスク R=ディスク タイヤサイズF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:110万円 ●色:黒、白、青
シート高795mmで、踵は若干浮く程度の良足着き性。上半身は、尖ったデザインとは逆に意外にアップライトでフレンドリー。ステップポジションもニュートラルで操作しやすく、このポジションなら1日乗っても疲れにくそうだ。[身長172cm/体重75kg]
ホンダがライセンスを供与しているメーカーが作る水冷486ccの2気筒エンジン。よく見るとCB500X/F系(国内では400XやCBR400R)のエンジンと酷似している。
13.5L燃料タンクの特徴的なデザインは、CROSS、“X”がモチーフ。モダンクラシック系のクロスファイヤシリーズはブリクストンの中でもっともパフォーマンス重視のキャラクターになっている。
ブリクストン クロムウェル1200:KSR社初となる自社製エンジンを搭載
クロムウェル1200に関しての試乗は駐車場内程度であったが、その素性の良さはしっかりと感じられた。車体は本場イギリスのクラシックモデルよりも軽快感があり、非常によく曲がるのが印象的だ。攻めはじめるとすぐにステップを擦るくらいのコーナリング性能を持っている。また元気なエンジンにもびっくり!
モード切り替えによるキャラクターの変化がはっきりしており、スポーツモードにすると正調クラシック系のモデルにはない加速感が味わえる。クラシックなスタイルは好きだが、もっと元気にスポーツしたいというライダーにはぴったりだろう。
【BRIXTON Cromwell1200】■全長2180 全幅800 全高1115 軸距1450 シート高800(各mm) 車重235(装備) ■水冷4スト並列2気筒SOHC4バルブ1222cc 83ps/6550rpm 11.0kg-m/3100rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量16L ブレーキ F=Wディスク R=ディスク タイヤサイズF=110/90R18 R=150/70R17 ●価格:149万6000円 ●色:黒、緑、灰
シート高は800mmで、両足を着こうとすると踵が若干浮く。アップライトだがやや前傾するポジションは、クラシカルというより非常に現代的なネイキッドポジションに近い。[身長172cm/体重75kg]
270度クランクのバーチカルツインは、最大トルクを3100rpmで発生する低速トルクがモリモリのキャラ。2チャンネルあるモードを「スポーツ」にすると加速がかなり強烈!
発表資料によれば燃費は21・7km/Lでタンク容量は16Lなので、航続距離347kmほど。ちなみに資料によればトップスピードは198km/hとのこと。
125や250クラスも続々上陸!
ブリクストンはこの他に、今回試乗したクロムウェル1200とクロスファイア500シリーズの排気量違いの同名モデルに加え、ビンテージオフロードスタイルのフェルスベルクシリーズとして、250ccモデルと125ccモデルがラインナップ。さらにメーカーカスタマイズモデル的な位置付けのサンレイ125、レイバーン125を加えた全13モデルを擁している。
クロムウェルll250(手前左/70万4000円)、クロスファイア125XS(手前右/39万6000円)、フェルスベルグ125XC(後方左/49万5000円)、サンレイ125(後方右/52万8000円)。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
フロントまわりの軽さも操縦しやすさに大きく貢献 猛暑が続いていても、やっぱりバイクに乗りたい…というわけで、今月はCB750 HORNETでプチツーリングしてきました! このバイクは、アドベンチャー系[…]
外観をスタイリッシュにリニューアルしたトリシティ125 前回のトリシティ300に続き、今回試乗を行うのも前2輪を持つLMWシリーズのトリシティ125。ちなみにLMWとは、リーニング・マルチ・ホイールの[…]
これぞCBだ! そう直感的に思えるライダーの視界 跨った瞬間に「CBだ!」と思えた。視界に入る燃料タンクの大きな面積や両腿の内側に感じる存在感、そして昔で言う“殿様乗り”が似合う大きくアップライトなラ[…]
念願のWYVERNシリーズ最新作の登場だ! ついに復活を遂げて、新発売となったSHOEI「ワイバーンØ」。歴代ワイバーンシリーズを愛用してきた筆者としては、どんな進化を遂げたのが期待しかない。そこで、[…]
乗ってみた! APトライク250 やっと乗るチャンスがやってきました。APトライク250を作った、株式会社カーターさんのご協力によるものです。ありがとうございます! 以前は同様にAPトライク125も体[…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
『パールビガーブルー』と『メタリックミスティックシルバー』の2本立て スズキは、前年モデルから車体カラーを継承した「KATANA(カタナ)」を2026年モデルとして発表した。価格は2万2000円上昇し[…]
マニア好みのボルドールカラーが映える! アクティブが手掛けるCB1000Fカスタムだが、まずはカラーリングがインパクト大! CB-Fといえば、純正カラーでも用意されるシルバーにブルーのグラフィックの、[…]
グランプリレースの黄金時代が甦る! 1970年代~80年代にかけて伝説的なアメリカンライダーのケニー・ロバーツ氏が走らせたYZR500は、イエローのストロボライン(ヤマハは現在スピードブロックと呼称)[…]
火の玉「SE」と「ブラックボールエディション」、ビキニカウルの「カフェ」が登場 ジャパンモビリティショー2025でカワサキが新型「Z900RS」シリーズを世界初公開した。主軸となる変更はエンジンまわり[…]
これぞCBだ! そう直感的に思えるライダーの視界 跨った瞬間に「CBだ!」と思えた。視界に入る燃料タンクの大きな面積や両腿の内側に感じる存在感、そして昔で言う“殿様乗り”が似合う大きくアップライトなラ[…]
人気記事ランキング(全体)
名機と呼ばれるVツインエンジンを搭載! 今や希少な国内メーカー製V型2気筒エンジンを搭載するSV650/Vストローム650が生産終了となり、名機と呼ばれた645ccエンジンにひっそりと幕を下ろしたかに[…]
より高度な電子制御でいつでもどこでも快適な走りを!! 【動画】2026 CB1000GT | Honda Motorcycles ホンダがEICMA 2025にて発表した「CB1000GT」は、「Hi[…]
スポーツライディングの登竜門へ、新たなる役割を得たR7が長足の進化 ミラノで開催中のEICMA 2025でヤマハの新型「YZF-R7(欧州名:R7)」が登場した。2026年から従来のワールドスーパース[…]
背中が出にくい設計とストレッチ素材で快適性を確保 このインナーのポイントは、ハーフジップ/長めの着丈/背面ストレッチ素材」という3点だ。防風性能に特化した前面と、可動性を損なわない背面ストレッチにより[…]
ニンジャH2 SX SE 2026年モデル発売! スーパーチャージャー搭載のスポーツツアラー「Ninja H2 SX SE」の2026年モデルが、2025年11月1日に発売。おもな変更点は、カラー&グ[…]
最新の投稿記事(全体)
欧州では価格未発表だが、北米では前年から200ドル増の9399ドルと発表 ヤマハは北米で新型「YZF-R7」を発表。欧州で発表された新型「R7」にモデルチェンジ内容は準じつつ、北米独自のカラーリングで[…]
論より証拠! 試して実感その効果!! カーシャンプーやワックスをはじめ、さまざまなカー用品を手がけてきた老舗ブランド「シュアラスター」。そのガソリン添加剤シリーズ「LOOP」のフラッグシップモデルが、[…]
2026モデルのモトクロッサーYZ450Fをベースに電動化 電動トライアルマシンの「TY-E」でFIMトライアル世界選手権EVクラスに参戦するなど、カーボンニュートラル達成に向けた取り組みにも積極的な[…]
ニンジャH2 SX SE 2026年モデル発売! スーパーチャージャー搭載のスポーツツアラー「Ninja H2 SX SE」の2026年モデルが、2025年11月1日に発売。おもな変更点は、カラー&グ[…]
より高度な電子制御でいつでもどこでも快適な走りを!! 【動画】2026 CB1000GT | Honda Motorcycles ホンダがEICMA 2025にて発表した「CB1000GT」は、「Hi[…]
- 1
- 2

















































