
デビュー以来、5年連続でトップセラー街道をばく進中のホンダ・レブル250/Sエディションが、一部仕様を変更して令和2年排出ガス規制に適合するとともに、カラーバリエーションを一新した。車両価格はSTD、Sとも1万1000円アップに抑えられており、良心的な仕様変更だ。
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:柴田直行 ●外部リンク:ホンダ
ホンダ レブル250 概要
【HONDA Rebel 250】■全長2205 全高1090 シート高690(各mm) 車重171kg ■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 249cc 26ps/9500rpm 2.2kg-m/6500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量11L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=130/90-16 R=150/80-16 ●色:白 灰 黒 ●価格:61万500円
【ライディングポジション】やや遠めにあるハンドルと膝の真下にあるステップにより積極的な操縦が可能だ。足着き性はご覧のとおり優秀。[175cm/68kg]
[◯] クルーザーらしさ不変。この低さが快感の源だ
レブル250の年間販売計画台数を調べてみると、初年度の’17年はわずか1500台だったのに、今年は何と11倍の1万7000台に。それだけこの軽二輪クルーザーは爆発的に売れているのだ。’23年モデルは新排ガス規制適合のため仕様を一部変更し、車体色を3種類とも一新。諸元については、最大トルクの発生回転数が7750→6500rpmへと下がり、WMTCモードの燃費が微減。車重は1kg増えた程度だ。
1490mmという軸距の長い車体に、ファットな前後16インチタイヤを組み合わせるレブル250。この特異な構成からは想像できないほどハンドリングはニュートラルで、Uターンのような小回りから高速道路でのレーンチェンジまで、極めてナチュラルに舵角が付く。また、一般的なクルーザーよりもバンク角が深いことから、峠道でスポーティな快走を楽しむことも可能だ。なお、’20年モデルで前後サスペンションの仕様変更が実施されており、それ以前よりも明らかに作動性は向上したのだが、体重の大部分がシートに乗る乗車姿勢のため、ギャップ通過時のリヤからの突き上げは相変わらず大きめだ。
26psを発生する249cc水冷単気筒エンジンは、スロットルを大きく開けずとも力強く発進することができ、着座位置が低い=視点が路面に近いこともあって、体感加速は1〜2割増しという楽しさがある。規制前後の違いについて、タコメーターが付いていないので試乗後に計算したところ、3000rpm以下のトルクが若干薄くなっているような印象を受けたが、新旧を直接比較していないので断言は避けたい。レブル専用の1次バランサーと排気系により、力量感を伴いながら高回転域まで吹け上がり、100km/h巡航も余裕でこなせる。’20年型からアシストスリッパークラッチが採用されているのでクラッチレバーの操作力が軽く、シフトフィールも良好だ。
ブレーキについては、クルーザーなのでリヤがコントローラブルなことが好印象だ。フロントはシングルだが握り込めば十分以上の制動力を発揮し、ABSの介入も適切だ。
[△] 高速の長時間走行で振動がやや気になる
あくまでも記憶の中での新旧比較となるが、若干のスペック変更の影響だろうか、高速巡航時のパルスフィールが振動過多のように感じられた。それと、リヤからの突き上げは長時間受け続けると腰への負担が大きく、試乗後はやや疲れ気味に。
[こんな人におすすめ] 眺めて良し、走って良しの傑作クルーザー
今回の試乗中、平日にもかかわらず4台のレブルとすれ違った。爆売れなのは肌感覚で分かるほどで、エリミネーター登場後も勢いは衰えないだろう。’20年モデル以来の試乗であり、すぐに肌に馴染む感覚は最新型も不変だった。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(レブル250/Sエディション)
小野瀬みらいちゃんとマスツーリング! 最近、調べものをしたり気になったお店や場所があると、地図を見てバイクでここ行きたいな! このルートかぁ! と見ることが増えました。 クルマの方が楽な時もあるけど、[…]
共通の仕様変更はわずかだがその効果は想像以上だった 2017年4月に発売され、翌2018年から軽二輪クラスのベストセラー街道をばく進中なのが、ホンダのレブル250だ。今年は一部の仕様変更とともに、待望[…]
250ccクラスは16歳から取得可能な“普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は全部で7種類ある。原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制[…]
ツーリングの楽しさを気軽に、疲れ知らずで ウェット路面に翻弄され、全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラス今季初戦は、決勝9位という不本意な結果に…。その悔しさを癒してもらおうと、新型のRebel […]
250ccクラスは16歳から取得可能な“普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は全部で7種類ある。原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制[…]
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
まさかのAMTをクラス初採用 BENDAやヒョースンなど海外メーカーがV型2気筒モデルを投入する一方、日本車ではホンダの単気筒・レブル250が孤高の地位を築く軽二輪(250cc)クルーザーカテゴリー。[…]
DRZ4シリーズが24年ぶりのフルモデルチェンジ ʼ00年に登場したDR-Z400シリーズ。オフ車の“S”が24年ぶり、モタードの“SM”が19年ぶりとなるフルチェンでDR-Z4シリーズへと進化! 早[…]
オンロードメインで楽しむ扱いやすいツアラーモデル いい意味で、事前の想像とは大きく異なる乗り味だったのが、油冷単気筒エンジンを搭載した軽二輪アドベンチャーのVストローム250SX。このルックスから、個[…]
低中回転域の力強さとよく動くサスペンションが楽しい! CRF250ラリーは、ダカールラリーのワークスマシンをデザインモチーフとした異色の軽二輪アドベンチャー。車体にボリュームがあり、車重も開発ベースと[…]
抜群に上手い半クラッチ制御、しかも再現性は完璧 正直言って驚いた。兄弟車であるレブル250で先行してデビューしていた250ccクラスのHonda E-Clutch仕様だが、10月に発売されたCL250[…]
人気記事ランキング(全体)
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
寒暖差が大きくても着替えずに対応できる! ワークマンのヒーターウエア『WindCore(ウインドコア)』シリーズは、電熱ヒーターを内蔵する防寒アイテム。別売りのバッテリー(4900円)は必要だが、もの[…]
お待たせしました経過報告です 前回のラバゲイン記事、おかげさまで大反響をいただきました。ありがとうございます! そして同時に、「続編が知りたい!」「その後どうなったの?」「どれぐらい持つの?」「いつま[…]
昔ながらの構成で爆発的な人気を獲得 ゼファーはレーサーレプリカ時代に終止符を打ち、以後のネイキッドの基盤を構築したモデルで、近年のネオクラシックブームの原点と言えなくもない存在。改めて振り返ると、’8[…]
BLESS CREATIONのカーボン外装をまとう カーボン外装メーカー・ブレスクリエイションの高い質感と造形の美しさのX350専用外装に惚れ、編集部号にも装着することにした。フロントフェンダー/ラジ[…]
最新の投稿記事(全体)
バニャイアにとって「新しいモノはいいモノ」じゃなかった MotoGPマシンがあまりにも速くなりすぎたこともあって、再来年にはレギュレーションが大きく改定されることになった。 エンジンは850ccに、空[…]
戦闘力を高めるヘッドギア「ダインギア ヘッドアーマー」 クロスカブ110の個性をさらに際立たせ、カスタムの方向性を決定づけるほどの高いデザイン性を持つパーツが登場した。それがダイバディプロダクションが[…]
粘り強い100mmボアビッグシングルと23Lタンク KLR650の心臓部は、水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒エンジンだ。排気量は652ccで、ボア径はなんと100mmにも達する超ビッグシングルと[…]
きっかけは編集部内でのたわいのない会話から 「ところで、バイクってパーキングメーターに停めていいの?」 「バイクが停まっているところは見たことがないなぁ。ってことはダメなんじゃない?」 私用はもちろん[…]
ワールド経験者と全日本ホープが加入! FIM世界耐久選手権(EWC)を戦っているTeam Étoile(チーム・エトワール)が2026年のライダーラインナップを12月12日(金)に発表しました。 2[…]








































