“バイク部”擁する矢部高校が東京MCショーに登壇 二輪車競技部としての取り組みを語る

第50回東京モーターサイクルショーのステージイベントに熊本県立矢部高等学校の生徒が立った。バイク通学が行われ、バイクの部活「二輪車競技部」があることでも知られる同校のステージを紹介する。


●文:ヤングマシン編集部(田中淳麿)

他校講習会を部活でサポート!? ショーでは新たな取り組みを発表

二輪車競技部を擁するなどバイクと関わりが深いことから、’22年の大阪MCショーに続いて’23年の東京ショーにも出展を行なった矢部高校。演目は「高校生の交通安全教育ステージ」となっており、説明を行なったのは競技部部長で2年生の堂上千颯(どうのうえちはや)さんと、同じく競技部で1年生の靏田涼月(つるたりょうが)さんだ。

矢部高校の”二輪競技部”としての活動を報告するほか、次年度の大きな取り組みとして、部の活動として近隣他校で実施される原付講習会のサポートを行うことも発表した。生徒が生徒に教えるという形は画期的。矢部高校が掲げる交通安全教育、競技部を通して培われてきた指導法に関するノウハウが他校に広がっていくことの意義はとても大きい。彼らへの期待は増すばかりだ。

MCショーで二輪車競技部の活動を部員自らが説明

ちょうどこの日が原付免許の校内交付日とのことで、免許は「帰ってから受け取ります」と靏田涼月さん。

競技部の部長(キャプテン)を務める堂上千颯さん。YZF-R25で部員とのツーリングも楽しんでいる。

スライドで活動内容をプレゼンテーションした。練習シーンでは走行映像も流されイメージしやすかった。

埼玉県教育局県立学校部保健体育課健康教育・学校安全担当主導主事の関口衛さん(左端)、MC担当でJAPANRIDERSアンバサダーの梅本まどかさん(左から2人目)との記念撮影。関口さんは埼玉県での三ない運動撤廃と交通安全教育への転換について登壇、説明した。

プレゼンテーションで取り上げられた矢部高校 二輪競技部の主な活動

高校生の二輪車安全運転教育

少子化のなか学区の統合などで通学範囲が拡大し、公共交通が不便な地域ではマイカー送迎が行われ、その負担が小さくない。一方で、バイク通学ができる矢部高校では、生徒の通学時間や費用が節約でき高校生活にゆとりがある。さらには競技部が生徒に交通安全教育を推進するという自主自立のスタイルがある。

矢部高校の交通教育方針

矢部高校では「免許を取らせない指導では交通社会に適応できない」という考え方から、積極的に乗せて指導する方針であり、交通教育は全人教育にもつながることから力を入れている。免許取得者向けの講習会や登校指導、クラスマッチなどで安全運転に取り組んでいる。さらには、警察協力のもと原付免許の学科試験と交付が学校内で行われているのだ!

二輪車競技部の活動と展開

良識ある社会人を育成するという方針のもと、部員には運転技術だけでなく地域の交通安全リーダーとなることが求められる。他の生徒に指導をするほか、ゴミ拾いなどの地域ボランティアも行うのだ。なお、部員は普通/大型二輪免許も取得でき、安全運転大会でも見事優勝している。

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