よりスポーティにチューニングされた「RS」〈トライアンフ ストリートトリプルR/RS 試乗インプレッション〉
次に公道でRSに乗ったが、前後サスがアップグレードしているだけのことはある。またがった瞬間にダンピングが利いていることが分かり、しなやかさの中にもしっかりとした腰が感じられる。
走り出すと、Rよりシート高が10mm高く、低めにセットされたハンドルポジションにより、フロント荷重がかかっていることが分かる。Rに比べると若干クイックで、ハンドリングはスポーティになっている。
公道の路面には細かいギャップがあるものだが、そのいなし方が見事。凹凸をゴツゴツ拾うことがなく、しっかりと路面に追随していることが分かる。接地感、安心感とも非常に高い。
これはRSならではの装備であるタイヤ──ピレリ ディアブロスーパーコルサSP V3の恩恵だろう。タイヤ自体のしなやかさが利いている。乗り心地良好ながらグリップレベルも高く、とても優れたタイヤだ。
エンジンはRより10psパワーアップしているが、公道の速度域ではその差は感じられなかった。正直なところ、公道なら120psのRでも十分すぎるほどパワフルだ。
新型はギヤレシオとファイナルが見直されており、これがかなり秀逸。1速がロングになり、2~6速がクロスしているとのことだが、シフトチェンジ時の各ギアのつながりが非常に良好だ。特にシフトアップ時の回転数の落ち込みが少なくなっているので、今まで以上にスムーズに加速できる。
【’23 TRIUMPH STREET TRIPLE 765 RS】主要諸元 ■水冷4スト並列3気筒 762cc 130ps/12000rpm 8.16kg-m/9500rpm ■車重189kg シート高836(各mm) 15L ■キャスター23.2°/トレール96.9mm タイヤサイズF=120/70-17 R=180/55R17 ●色:赤 銅 黄 ●価格:149万5000円~
ヘレスサーキットで感じた「RS」の真価〈トライアンフ ストリートトリプルR/RS 試乗インプレッション〉
さて、2日目はヘレスサーキットに舞台を移した。’02年、モトGPでNSR500を走らせたのが最後だから、21年ぶりということになる。
ヘレスでの試乗はRSだけだったのだが、これがまた、楽しいのなんの! 久々のヘレスを最高な気分で満喫できた。
公道で感じたRSのクイックさが、サーキットでのスポーツ走行にはピッタリなのだ。こちらの操作に対して即、望んだだけ反応してくれるから、思い通りのラインをトレースすることができる。減速しながらの寝かし込みもシャープだから、「ギュッと減速、一気に向き変え」という僕の理想的な走りが可能なのだ。
リヤのオーリンズサスペンションも利いていて、トラクション感は実に豊かだ。なんのストレスも感じない上質なライディングを堪能できる。
1000ccスーパースポーツに比べると絶対的なスピードは及ばないが、スポーツライディングを無理なく楽しむにはちょうどいい。現役を引退して21年。目玉を三角にして攻めるより、エンジョイライディングを末永く続けることをモットーにしている僕にはピッタリだ。
そもそも、ストリートトリプルはップライトなポジションのネイキッド。サーキットを激攻めするよりも、ほどよい緊張感を楽しむレベルに留めておいた方がいい。
ただ、無理のない範囲内での満足感は非常に高い。直列3気筒エンジンならではのどの回転域からでもついてくるトルク、新型になってより気持ちよくなった加速フィール、意のままになるハンドリングは、いくら走っても飽き足らないほどだった。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(トライアンフ)
世界中のビルダーがボンネビルをカスタム 今回開催されたバイクカスタムの世界規模コンペティションには、世界各地から8チームが参加。その中からファイナリストに選出されたのは、ブラジル、フランス、イタリア、[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」。 今回は、2025年モデルで各部のブラッシュアップが行われたトライア[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
アドベンチャー仕様としてオフロード性能を強化 新型モデル「スクランブラー400XC」は、トライアンフが誇る400ccモダンクラシックシリーズの新顔だ。既存のスクランブラー400Xをベースに、さらなるオ[…]
ニューカラーをまとった2026年最新トラをチェック プレミアム志向の輸入ブランドとしても、国内でも地位を確立した感のあるトライアンフ。その2026年モデルが、ニューカラーをまとって出そろった。 話題の[…]
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
“クラシック”シリーズ初の2気筒モデル ミドルクラスでグローバルな存在感を増しているロイヤルエンフィールドは、空冷350cc単気筒シリーズと空冷650cc 2気筒シリーズを多数展開。これに水冷450c[…]
今回のツーリングで3337.2kmを走ったトレーサー9 GT+Y-AMT ①ACC&Y-AMTの組み合わせは高速移動が圧倒的にラクチン! 今回のインプレッションでは首都圏から北海道まで高速道路を使って[…]
“快適”と“スポーツ”を電サスで無理なく両立!! 超絶的な防風性にAT機構のDCT、グリップヒーターやコンフォートシートなどの快適装備。長距離を走るツアラーとして“疲れにくさ”にトコトンこだわったNT[…]
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
乗ったのはサーキット、でもストリートの皆さんにこそ魅力を届けたい! 今春の大阪モーターサイクルショーで世界初公開されたCB1000Fコンセプト、その披露にともない、私、丸山浩はCBアンバサダーに任命さ[…]
人気記事ランキング(全体)
ホンダ「CB1000F SE コンセプト」が鈴鹿8耐で世界初公開! 8月1日より予選が始まった“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会のホンダブースにて、CB1000F SE コンセプト[…]
3色すべてホイールカラーも異なる カワサキは欧州でZ650RSのニューカラーを発表。カラーバリエーションの全てが新色に置き換わり、黒ボディにレッドストライプ&レッドホイールのエボニー、メタリックブルー[…]
国内規制に合わせてエンジンを再設計 ホンダのCB750フォア(1969年)の発売と前後して、大型バイクの事故の増加や暴走族が社会問題化し、国内では750ccを超える排気量のバイクを販売しない自主規制が[…]
KOMINE プロテクトフルメッシュジャケット ネオ JK-1623 フルメッシュで残暑厳しい秋口のツーリングでも快適さを保つジャケット。胸部・肩・肘・背中にプロテクターを標準装備し、高い安全性も両立[…]
最小限のカスタムでクルーザーをアドベンチャーマシン化 1200ccという大排気量の水平対向エンジンを心臓部に持つBMWのヘリテイジモデル、R12シリーズ。その新しいバリエーションとして2025年5月に[…]
最新の投稿記事(全体)
秋の浜松はスズキ祭り! 3つのミーティングが開催 2025年のスズキミーティングは、3つのモデルシリーズに焦点を当てて開催される。 9月7日(日) 「KATANA Meeting 2025」 会場:は[…]
作って、触って、攻略する。新感覚のサーキット模型 スマホケースなどの地図柄グッズを手がけるクロスフィールドデザインが、モビリティライフスタイルブランド「レシプロ」の新商品として「レイヤード ランドスケ[…]
国産から海外、EVまで! 圧巻の車両ラインナップを見よ! 総展示台数350台以上を誇る東北最大級のバイクイベント「BIKETOBER FESTA」。新車購入を検討している者から、愛車のカスタムを考えて[…]
RA1250ST パンアメリカ1250ST:オンロードを制するためのニューマシン“ST”登場 アメリカで人気沸騰中のスーパーフーリガンレースでは、公式バイクとして位置づけられ、H-Dファクトリーのサポ[…]
フレキシブルプラグソケット:スリムな外径で汎用性をアップした、ユニバーサルジョイント一体ソケット 最初は指でねじ込んで、ネジ山が噛み合ってからプラグソケットを使うのが理想だが、雌ネジがプラグ穴のはるか[…]