SEはドラレコ初期装備! カワサキ エリミネーター 車体解説【今どきの”欲しい”をフル搭載!】

春は新車の季節! 中でも注目したいのは、3月17日に開幕した大阪モーターサイクルショーで世界初公開されたモデル。そう、ヤングマシンスクープ的中! 新生「エリミネーター」だ! 現行ラインナップ唯一の400ccクルーザーとして、新世界を切り拓く本機の車体と装備について解説する。


●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:藤村ノゾミ ●外部リンク:カワサキモータースジャパン

加速性能を増した心臓と専用の軽量フレームを融合〈カワサキ エリミネーター 車体解説〉

エリミネーターのエンジンは、鋭い低中速トルクと高回転パワーに定評あるニンジャ400のダウンドラフト並列2気筒を搭載。セッティングや内部パーツなどを含めて基本的にニンジャと同じで、6速ミッションやスリッパークラッチなどの装備も踏襲している。ただし、二次減速比をショート寄りにし、加速性能を一段と向上。ドラッガーだった旧エリミらしいダッシュ力が期待できそうだ。

フレームは専用設計で、カワサキお得意の高張力鋼トレリス構造。1520mmのロングホイールベースと低いシート高を実現しつつ、ジオメトリーを最適化した。中でも重視したのは軽さ。従来の旗艦ニンジャH2などで培ったスイングアームプレートマウントなどで、エンジンをストレスメンバーとして利用。170kg台という軽さと適度な剛性を確保した。

さらに足回りも充実。フロントは大径φ41mmフォークに、リッタークラスと同等の大径φ310mmセミフローティングディスクを組み合わせる。前18&後16インチホイールという珍しい組み合わせも、美観と走りの軽快感を狙ったものだ。

関係者筋によると重厚なフォルムながらハンドリングは軽快かつ扱いやすい。また、引き起こしが驚くほど軽いというから楽しみだ。

【’23 KAWASAKI ELIMINATOR SE】■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 398cc 48ps/10000rpm 3.8kg-m/8000rpm ■車重176kg[178kg] シート高735mm 12L ■タイヤサイズF=130/70-18 R=150/80-16 ●価格:75万9000円[85万8000円] ※[]はSE

カワサキ エリミネーター エンジン

’18で登場した現行ニンジャ400のパラツインを踏襲。高回転域で吸気効率に優れるダウンドラフトインテークのほか、φ 32mm大径スロットルバルブ、アルミダイキャスト製オープンデッキシリンダーなどを受け継ぐ。熱気が感じにくいラジエターはカバーが新作だ。

【軽々クラッチ!!】クラッチレバーの握りが軽く、過度なエンブレを抑えるアシスト&スリッパークラッチが標準。走りがラクだ。

カワサキ エリミネーター シャーシ

【ロー&ロングと軽量を両立】低く長いスタイルを実現するため、フレームを新設計。ニンジャH2を筆頭にニンジャ250/400らに採用された鋼管トレリスフレームの軽量化技術で、最適な剛性と軽さを両立。さらにキャスター30/トレール121mmなどのディメンジョンで軽快かつ自然なハンドリングを狙った。

【実質的にはエンジン支持】エンジン背面にマウントプレートを結合し、ピボットシャフトをプレートに貫通。フレームが簡素化でき、軽量になる(図はニンジャH2の例)。

カワサキ エリミネーター 足まわり

【F18&R16インチは新エリミの独自性】旧エリミ400のF18&R15インチ、レブルの前後16インチに対し、新型エリミは独自設定のF18&R16で軽やかなハンドリングを狙う。サス設定は自然さを重視。キャリパーは前後とも2ポッドだ。

【加速力ヨシ!!】二次減速比は、ニンジャ400の41/14に対し、43/14で加速性能を強化。クルーザーながら、走りは鋭い。

便利さに加え、楽しさと快適性までも追求〈カワサキ エリミネーター 主要装備〉

まず特筆すべきはSEに標準装備されるドライブレコーダーだ。前後映像を記録し、万一の際の備えになるのはもちろん、ツーリングの思い出を振り返ることも可能。後付けするユーザーが多いことから国内仕様のバイクで初めて採用に踏み切った。

工場出荷時に専用ハーネスで組むため、後付けで配線に苦労することなく、キレイに車体へ収まる。前述のとおりSEに標準のUSBソケットも実に役立つ装備だ。

さらにツーリングに役立つ機能が揃っている。ETC2.0車載器を全車標準で備えるほか、メーターにはスマホ連動機能を搭載。無料アプリを通して電話やメール着信の通知がメーターに表示できる。また、走行ルートをはじめ、車速、エンジン回転数、ギヤポジ、瞬間燃費などの情報をスマホでグラフィカルに確認できるログ機能が楽しい。

そして快適性の追求に余念がない。不快な振動を軽減するため、ハンドルをラバーマウントしたほか、シート下にゴムダンパーを設置。ライダー&タンデムステップともに中空構造と硬質ゴム、下部ウエイトで振動を低減する。全方位的にツーリングの快適性を狙った1台なのだ。

【コクピットもスタイリッシュ】コクピットは左マウントのメーターと、ワイド&フラットなハンドルバーが特徴。ハンドル切れ角は左右各35度で、低速での小回りや取り回しも得意だ。SEはハンドルをブラックアウトで引き締めている。

【ブルートゥースでスマホと相互通信】小ぶりな円形の白黒デジタルメーターを新開発。高コントラストで視認性が高く、アナログ風タコやギヤポジ表示を備える。スマホとブルートゥース接続でき、詳細な走行ログを記録可能。走行ルートや合計走行距離、走行時間、平均速度なども無料アプリで取得できる。

【リヤも快適!】グリップはないが、リヤシートはフラットで快適なライディングポジション。振動の少ないステップも嬉しい。シート下にワイヤー式メットホルダーあり。

【SEにドラレコ標準装備!】SEのみとなるが、ミツバサンコーワ製のGPS対応ドライブレコーダーを日本車で初搭載。カメラはヘッドライト左下側とテールランプ左下側に装着し、マイクロSDカードに常時走行を記録する。現在STDにはオプション設定されていない。

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