
ライダーが増え、バイクが売れているいま、その背後に潜んでいる不安や不満を払しょくするために各界のトップはどう考えているのか。ホンダの電動化担当役員(4月1日付で取締役 代表執行役副社長に就任)で、かつて二輪事業本部長を務めていてバイクにも非常に造詣の深い青山さんにバイクの電動化の方向性、そしてエンジンが生き残る可能性などをお聞きした。 ※2023年1月取材/ヤングマシン2023年4月号掲載
●取材/文:ヤングマシン編集部(Nom) ●写真:ホンダ/編集部
【青山真二(あおやましんじ)】’63年12月生まれ。’86年に本田技研工業(株)に入社。以後、二輪事業に携わり、’12年執行役員 二輪事業本部 事業企画室長、’13年二輪事業本部長 取締役 執行役員に就任。’17年アジア・大洋州本部長に就任。’18年常務執行役員 北米地域本部副本部長、’19年北米地域本部長、’21年電動化担当。’22年4月執行役専務兼事業開発本部長兼コーポレートブランドオフィサー、同年6月取締役 執行役専務 四輪事業本部長に就任。’23年4月取締役 代表執行役副社長に就任。
昨年11月に二輪事業本部に電動開発部を新設した
昨年の9月13日、ホンダは「二輪事業の取組みについて~電動化を中心としたカーボンニュートラルの実現〜」という内容の記者会見を行った。その中身は、’40年までにすべての二輪製品でのカーボンニュートラル(以下CN)を実現することを目指し、内燃機関の進化も継続的に取組みながら二輪車の電動化を促進し、’25年までにグローバルで電動二輪車を合計10モデル以上投入。さらには、今後5年以内に100万台、’30年に年間350万台レベルの電動二輪車の販売を目指すという、バイクの電動化シフト宣言とも受け取れる内容だった。
その詳細を、「電動化担当(取材当時)」の青山さんに改めてお聞きした。
「’30年にひとまず350万台、世界の二輪販売台数の15%相当ぐらいを電動にしていきたいというのが趣旨です。ボリュームはやっぱりアジアで稼ぎたいということで、350万台のうち50万台くらいを中国で、残りの300万台を中国以外のASEAN、インドを中心に販売し、日本を含む先進国でも昨年のEICMAで発表したモバイル・パワー・パック(以下MPP)を1個使うEM1:eを販売予定です。バッテリーに関しては、MPPだけじゃなく、固定式のものも含めていろいろやっていきたいと思っています。
そんななかで、バッテリーのセルなどはある一定の共通項はあるので、二輪、四輪、パワープロダクツ全体のシナジーーのいまのコストを含めて考えるを生かしていけるような取組みにしていきたいなと思っています。また、昨年11月には二輪事業本部の中に電動開発部という部門を設けて、そこで’24年くらいに向けていろいろな商品を仕込んでいこうとしています」
昨年の9月13日に、ホンダが発表した二輪車のCNに向けたロードマップがこれ。’25年までにEV(電動車)、EM(電動モペット)、EB(電動自転車)を計10モデル以上展開するとしていて、その中には日米欧で発表するFUNモデル3機種(図下段右から3台)も含まれている。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
’23年はEWCの王座奪回が目標、鈴鹿8耐は日本人ライダーを起用したい 昨年7月、数か月前から噂されていたモトGPからの撤退を表明したスズキだが、同時にFIM世界耐久選手権(以下EWC)へのワークス参[…]
MFJはレースのためだけの組織ではなくツーリングも事業内容のひとつなんです MFJはレースのための組織で、一般ライダーとは接点がないように思っている方が多いと思うが、事業案内には「ツーリング」という一[…]
"ゼロエミッション東京"実現に向け、非ガソリン化を推進 多くのライダーが知っての通り、東京都は'50年の世界のCO2排出量実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」の実現を目指し、'30年までに温室効[…]
高速料金問題は自民党PTの1丁目1番地。12年かかって一歩進んだと思います 2022年4月3日からスタートした“ETC二輪車定率割引”。土日祝日限定/事前に専用サイトで自分のETC機器を登録/片道10[…]
約500万人が便利に利用している原付一種の存続を強く訴えていく 全国オートバイ協同組合連合会(以下AJ)は、日本全国の約1600社のバイクショップが加盟する都道府県単位の協同組合で組織される団体で、大[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
バイクはお兄さんの影響 メグミさんは昔からバイクに興味があったのだと言います。 「兄が二人いて、どちらもバイクに乗っていたんです。小さいときからその様子を見ていたので、自然に自分も乗りたいと考えるよう[…]
超高性能なCB750FOURでオートバイのイメージを損なわないようジェントルなモデルをアピール! 1969年、世界初の量産4気筒スーパースポーツ、CB750フォアが衝撃のデビューを果たした。 これを契[…]
丸山浩直伝! ホンダCB1000Fの嗜み やっぱりCBはストリート=公道のヒーローだった。 まず何が素晴らしかったかと言えば、低速域におけるトルク感とかあのドロドロっとした大排気量直4CBならではのフ[…]
通勤からツーリングまでマルチに使えるのが軽二輪、だからこそ低価格にもこだわりたい! 日本の道に最適なサイズで、通勤/通学だけでなくツーリングにも使えるのが軽二輪(126~250cc)のいいところ。AT[…]
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
人気記事ランキング(全体)
「マスダンパー」って知ってる? バイクに乗っていると、エンジンや路面から細かい振動がハンドルやステップに伝わってきます。その振動を“重り”の力で抑え込むパーツが、いわゆるマスダンパー(mass dam[…]
トップス&インナー 機能性抜群な冬用パーカー JK-630:1万3000円台~ 伸縮性の高い透湿防水生地を使用したウインターパーカー。保温性に優れた中綿入りなので、暖かさをキープでき、快適なライディン[…]
「特殊ボルト」で困ったこと、ありませんか? 今回は「でかい六角穴のボルト」を特殊工具なしで外してみようというお話。 バイクを整備していると時々変なボルトに出会うことがあります。今回は古い原付オフロード[…]
主流のワンウェイタイプ作業失敗時の課題 結束バンドには、繰り返し使える「リピートタイ」も存在するが、市場では一度締め込むと外すことができない「ワンウェイ(使い捨て)」タイプが主流だ。ワンウェイタイプは[…]
繋がる、見える、タフネス。ライダーが求める基本性能を凝縮 ツーリングにスマホナビは欠かせないが、バイク乗りなら誰もが抱える共通の悩みがある。それは、走行中の激しい振動によるスマホカメラの故障や突然の雨[…]
最新の投稿記事(全体)
超高回転型4ストローク・マルチのパイオニアはケニー・ロバーツもお気に入り 今回ご紹介するバイクは1985年春に登場した超高回転型エンジンを持つヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)です。 フェー[…]
KADOYAとAraiのコラボモデルがTX-STRADAに登場! 東京・浅草を拠点とする、日本の革ジャンの老舗『KADOYA(カドヤ)』と、アライヘルメットのコラボレーションモデルが登場する。 MGグ[…]
ノスタルジーとラグジュアリーを共存させたカドヤとのコラボモデル 創業90周年を迎えた日本のレザージャケットの雄、カドヤのスペシャルグラフィックをあしらった『RAPIDE-NEO KADOYA』は、格子[…]
第1特集「エンジョイ外国車」 国産バイクのテイストとは大きく異なる、海外バイクメーカー各社の車両。デザイン性はもちろんのこと、走行性能や車両設計に対するフィロソフィの違いも着目に値するところだ。『R★[…]
1位:日本初上陸の中国ブランド・BENDAが本格始動! 中国のクルーザー専業ブランド「BENDA」が日本上陸。その第1弾がカスタムクルーザータイプの「ナポレオンボブ250」だ。価格は93万5000円、[…]




































