
原付二種スクーター界、出荷台数ならホンダ PCXの独壇場だが、スズキがアドレス125とアヴェニス125を、ヤマハがジョグ125を投入したことで、’23年は勢力図が大きく変化する可能性大! ホンダ リード125とヤマハ アクシスZを加えた5台でガチンコ対決だ! 本記事ではライディングポジションや足まわりなど、特に車体性能に注目してお届けする。
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:真弓悟史 山内潤也
ライディングポジション比較:どれも不満のないレベル
ライディングポジションについては、ジョグだけが極端にコンパクトであり、日本人男性の平均身長(170.8cm)以上のライダーには窮屈に感じる可能性大だ。
足着き性は、さすが国内メーカーだけあって、5台ともシートやフロア形状を工夫することで不満のないレベルにまとめている。なお、最もシート高が高いのはアヴェニスの780mm、低いのはジョグの735mmだ。[身長175cm/体重68kg]
スズキ アヴェニス125 ライディングポジション
【シート高め、やや前乗り】シート高は5車の中で最も高い780mmだが、足着き性はご覧の通り良好だ。シートの段差の関係で着座位置は自然と前寄りになる。
スズキ アドレス125 ライディングポジション
【ゆったり系で安心感大】シート高は770mmでアヴェニスより10mm低いが、足着き性は同等。フロアボードの傾斜角の違いもあり着座位置の自由度が高め。
ヤマハ ジョグ125 ライディングポジション
【コンパクト、窮屈感あり】5車の中で最も低い735mmというシート高により、足着き性は抜群にいい。フロアボードが高めなので足の上げ下ろしで疲労するかも。
ヤマハ アクシスZ ライディングポジション
【これぞ普通。過不足なし】シート高はアドレスと同じ770mm。膝の曲がりが窮屈に見えるが、フロアボードの形状により足を前方へ伸ばせるので不満なし。
ホンダ リード125 ライディングポジション
【実に上質なクルーザー】シート高はジョグに次いで低い760mm。フロアボードが高めのデザインだが、全体のバランスは良好で、ロングライドでも疲れにくい。
タンデム性能比較:アドレスとアクシスが優秀だ
パッセンジャー目線で評価すると、一番安心感が高いのは、座面が広くてステップが踏ん張りやすい位置にあるアドレスだ。次点はアクシスで、この2車の印象はかなり近い。ジョグは座面が極端に狭いうえ、車体剛性の低さが後ろに乗っていても伝わるのでやや怖い。[パッセンジャー身長172cm/体重67kg]
スズキ アヴェニス125 タンデム性能
アドレスとの相違点は、パッセンジャーの着座位置がわずかに高いこと。グラブバーの位置は適切であり、居住性は優秀と言える。
スズキ アドレス125 タンデム性能
座面が広いので座り心地が良く、さらに一体型グラブバーのおかげで急な加減速でも上半身を支えやすい。安心感ではナンバー1だ。
ヤマハ ジョグ125 タンデム性能
座面が狭いため、ライダーに密着しないとお尻がはみ出してしまう。グラブバーが樹脂製なので、冬でも冷たくないのはうれしい。
ヤマハ アクシスZ タンデム性能
着座位置の自由度や居住性の高さにおいてアドレスに肉薄。ジョグと同様にステップバーがワンプッシュで飛び出すギミックあり。
ホンダ リード125 タンデム性能
コシ感のある座り心地が秀逸だ。パッセンジャーに伝わる微振動が少なく、サスペンションの動きも良いなど、ラグジュアリーな雰囲気あり。
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