
チェーンへの注油など、リヤタイヤを浮かせたい場面で活躍するのがリヤスタンドだが、リフトアップする際に外れやすいという難点があった。それを完璧に克服した製品がデイトナから新登場。今までなかったのが不思議なほどの便利さだ。
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:デイトナ
[◯] スッと差し込むだけでカチャッとロック完了
その昔、私がNSR50などでサーキットを走っていた時代、リヤスタンドのスイングアームを受ける部分はL字型が主流だった。その後、スプールと呼ばれるパーツをスイングアームに装着し、U字型アタッチメントで支える方式へと進化。これによりリフトアップ時のズレがゼロになり、さらに整備中にスタンドが外れる事故も激減したように思う。
今回テストしたデイトナの新製品は、このU字型アタッチメントの進化版で、バネの力で閉じるプレートを追加したものだ。U字型の開口部をスプールの凹部へ差し込むと、自動的にプレートが開いてくわえるので、一度差し込んでしまえばリヤスタンドは外れない。その状態で車体を垂直にし、スタンドの力点を足で踏むなり、後ろに回って腕で押し下げるなりすれば、重い車体でもイージーにリフトアップできるのだ。
外すときは、プレートを開いた状態で真っ直ぐ引き抜くだけ。これを面倒に思うかは人それぞれだが、U字型アタッチメントでも不安を感じていた人にとっては朗報だろう。
なお、U字クランプアタッチメントのみも販売されるので、同社のスタンドユーザーは要チェックだ。
【デイトナ ワンタッチリアスタンド U型クランプアタッチメント】●耐荷重:200kg ●リフトアップ高さ:270~345mm ●対応スイングアーム幅:約260~400mm ●スプール対応径:φ14~φ18mm ※推奨径18mm ●価格:1万780円
昨今のリヤスタンドは支点にローラーが付いており、デイトナの製品もそれに該当。軽い力でリフトアップできるだけでなく、支点を中心にバイクが後退しないのもメリットのひとつだ。車両に付いている一般的なセンタースタンドよりも軽い力で上げられると言えば分かりやすいかも。
この状態でスタンドがスプールから外れていないのがポイント。リフトアップ高は270~345mmの間で5段階に調整可能。対応アーム幅は約260~400mmで、約330mmを境にアームホルダーの向きを入れ替える。
この製品の要であるU字クランプアタッチメントは、スプールに沿って自動的にバネが広がる仕組みのため、スプールに差し込むだけでセット完了。
[△] スプール取り付け用のネジ穴があれば対応可
当然ながら、スイングアームにスプールが取り付けられないと使えない。また、左右で段違いのスイングアームもNGとのことで要注意。
[こんな人におすすめ] 試して納得! 整備が楽しくなること必須だ
高さと幅を使用するバイクに合わせてさえしまえば、あとは瞬時にリフトアップ可能。フロントブレーキをロックしておくことが重要で、デイトナではそのためのアイテムを多数用意。降ろす際は忘れずにサイドスタンドを出そう。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
タイヤの内圧規定ってなんだ? 今シーズン、MotoGPクラスでたびたび話題になっているタイヤの「内圧規定」。MotoGPをTV観戦しているファンの方なら、この言葉を耳にしたことがあるでしょう。 ときに[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回はホンダCL250を洗車します。 洗車ポイントは“黒い部分をしっ[…]
燃料キット開発時は現物確認と現物採寸が大前提 キースターでは、原付からオーバー1000ccモデルまで、500車種以上のキャブレターに対応した燃調キットを開発してきました。現在でもコンスタントに新製品を[…]
軍手は洗車道具たりえるのか みなさんバイクってどうやって洗ってますか? スポンジ? ブラシ? それとも高圧洗浄でしょうか。実は筆者は最近「軍手で洗車」に目覚めたのです。 きっかけは使ってたスポンジがボ[…]
カブの乗車時にできる”ブーツ傷”から守る! どんなに気を付けていても、できてしまいがちな”またがり傷”。カブ乗りの悩みのひとつを解消してくれるアイテムが登場しました。ハンターカブ/クロスカブ/C125[…]
最新の関連記事(デイトナ)
ワンタッチで取り付け可能な便利設計 「FDH-1」は、強力なバネの力でペットボトルをしっかりホールドし、片手でワンタッチ脱着が可能なバイク用ドリンクホルダーです。600mlまでのペットボトルに対応し、[…]
使い方は「水を含ませる」だけ。走行風を味方につける冷却アイテム 今回紹介するデイトナの「DI-015 ウェットクールベスト」は、水と走行風を利用した気化熱式のクールベストだ。使い方はシンプルで、ただベ[…]
3面同時に洗浄できる! メンテ初心者にもやさしいチェーンブラシ 「チェーン掃除って面倒そう…」と思っている方にもぴったりなのが、デイトナのバイク用三面チェーンブラシ。ブラシ部が上下、横の3方向に広がっ[…]
ヘルメット装着で手軽に使えるバイク専用ドラレコ 「MiVue MP30Gps」は、バイクヘルメットに直接取り付けられるドライブレコーダー。これまでの車体取り付け型と違い、視界や操作性を損なわずに取り付[…]
安全性と装着感を両立したフルフェイス 「DN-003NM」の最大の特長は、ABS+PC複合素材を使用した高強度な帽体構造。転倒や衝撃に強く、SG規格にも対応しており、万一のアクシデント時にもライダーの[…]
人気記事ランキング(全体)
ファン+ペルチェでダブル冷却 山善のペルチェ ベストは、外径約100mmの大型ファン(厚み約38mm)で風を取り込み、さらに内蔵のペルチェデバイスで空気やウェア表面を冷やす仕組みを採用。保冷剤用メッシ[…]
コンパクトながら高出力のペルチェ冷暖ベスト おたふく手袋の「冷暖ペルチェベスト JW-699」は、USB PD対応の2万mAhバッテリーを標準付属。psEマーク取得のバッテリーで、最大連続使用は冷却の[…]
MotoGPライダーのポテンシャルが剝き出しになったトップ10トライアル 今年の鈴鹿8耐で注目を集めたのは、MotoGPおよびスーパーバイク世界選手権(SBK)ライダーの参戦だ。Honda HRCはM[…]
最外層にカーボンファイバーを使ったX-Fifteenの最高峰モデルが登場! 積層させた炭素繊維を樹脂で固めたカーボンファイバー(CFRP)は、軽くて強い素材だ。そのため航空機やレーシングマシンに使われ[…]
派生機種を生んだ素性の良さ GS750/Eの実質的な生産期間は約3年。とはいえ、派生機種として登場したGS750G/GL、排気量拡大版のGS850Gは’80年代半ばまで生産を継続。この点については兄貴[…]
最新の投稿記事(全体)
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
ワークマン公式アプリから先行予約、店頭受け取り限定で販売 まずはイージス防水防寒スーツの「リミテッドブラック」が欲しくてソワソワしている人のために、その予約方法をお伝えしよう。 ワークマンは9月1日([…]
ドゥカティを王者へと導くマシンを開発するピッロ選手のシグネチャーモデル 『F-17 Mips MICHELE PIRRO』は、MotoGPに参戦中の『ドゥカティ レノボ チーム』のテストライダーを務め[…]
タイヤの内圧規定ってなんだ? 今シーズン、MotoGPクラスでたびたび話題になっているタイヤの「内圧規定」。MotoGPをTV観戦しているファンの方なら、この言葉を耳にしたことがあるでしょう。 ときに[…]
ジョアン・ミル選手が今季着用中のシグネチャーモデルが登場! 『F-17 Mips JOAN MIR』は、’23年からレプソル・ホンダと契約してMotoGPを戦っているレーシングライダー、ジョアン・ミル[…]
- 1
- 2