
前記事に引き続き、東京都が2022年3月に策定/公表した「総合的な駐車対策の在り方」について、担当部署である都市整備局都市基盤部の小島氏に話を伺った。今回は、都と区市町村の連携等について引き続きお話を伺う。
●文:ヤングマシン編集部(田中淳麿)
ケーススタディを実施しマネジメント組織化を促す
───都内の区市町村にとってケーススタディとなれそうな自治体はどこでしょうか。
小島:例えば、都心部では渋谷区です。在り方の策定に際して検討会を立ち上げましたが、渋谷区にはオブザーバーとしてご意見を頂きました。その中で、在り方の中で示した検討の方向性と施策について、渋谷区で適用した場合にどんな取り組みができるのか事例を検討しました。
在り方策定のための検討会でオブザーバーを務めた渋谷区は、早くから路上活用を実現しているのが特徴だ。都はこうした取り組みを行う渋谷区を都内における駐車対策のひとつの答えとし、このビジョンを区市町村や民間組織と共有することに努める。
───都心のようなところでは渋谷がひとつのモデルケースなんですね。多摩地区ではどうでしょうか。
小島:在り方の中で都内を4類型化しています。区域の特徴や範囲、「地区マネジメント組織」の構成者、重点的に取り組むべき施策を示し、区市町村等にも説明致しました。しかし、「渋谷地区が属さない区域についてもケーススタディを実施してほしい」という声も上がっているため、そこを実施すべく検討しています。
───「駐車・まちづくり連絡会(仮称)」は毎年行われますか? そこで確認していくイメージでしょうか。
小島:連絡会は必要に応じて開催していきたいと考えております。また、区市町村とは個別の協議・調整も平行して実施しております。この連絡会では、区市町村だけでなく、街づくりの当事者の方々にもお声掛けさせて頂き、意見交換を実施したいと考えています。そこで東京都が意見を集めて、例えば国土交通省等、関係機関と必要に応じた調整を実施していきます。各地区のうまくいった取り組みなども共有し、新たな地区マネジメント組織の立ち上げを促していきたいと思います。
───電動キックボードなど新しいモビリティとバイクの駐車環境の共存についてはどうお考えですか。
小島:まだ電動キックボードに関する改正道路交通法が施行されておらず、保安基準等、正式に決まっていない状況であるため、駐車スペース等に対する、国の検討状況を踏まえて必要に応じて調整していきたいと考えております。今は実証実験段階であり、シェアリングがメインの使われ方であるため、街中で停める場所がないという問題もあまり生じていないのかなと思います。
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