
250ccクラスの中でもめっぽう軽いネイキッドロードスポーツ CB250Rがモデルチェンジ。’23モデルは持ち前の軽さはそのままに、最新の令和2年排出ガス規制に適合。加えてメーターやクラッチなどもブラッシュアップ! その乗り味を確かめた。
●文:ヤングマシン編集部(谷田貝洋暁) ●写真:関野温 ●外部リンク:ホンダ
ホンダ CB250R:異様なまでの軽さは今なお健在なのだ!
新世代CBシリーズの一員として、共通のモダンなスタイリングを与えられて’18年に登場したCB250R。だが当時、その登場はものすごくひっそりと行われた記憶がある。
当時400cc以下モデル専門誌の編集長をしていたこともあって、特集記事を作ろうと思っていたのだが、ホンダによる発表会や試乗会といったお披露目の機会は一切なし。いつの間にか発売されていた。
ところがである。業界関係者向けに作られた技術説明資料を読んでビックリ。クラス初のIMUを搭載していたり、徹底的な軽さとマスの集中に拘ったりと、CB250Rはフィーチャーポイントのオンパレード。思わず“詳しく話を聞かせて欲しい”と開発者インタビューを申し込んだくらいだ。
【HONDA CB250R】■全長2020 全幅805 全高1045 軸距1355 シート高795(各mm) 車重144kg(装備) ■水冷4スト単気筒 249cc 27ps/9500rpm 2.3kg-m/7750rpm 変速機6段 燃料タンク容量10L ブレーキ形式F=ディスク R=ディスク タイヤサイズF=110/70R-17 R=150/60R-17 ●色:青 黒 ●価格:56万4300円
ホンダ CB250R 試乗インプレ:際立つスポーツ性
このCB250R、最大の特徴はその軽さである。車両重量144kgは今なおクラス最軽量。この数値は、ロードスポーツモデルというより、オフロードバイクのそれに近い。しかもその軽さがさらに、バッテリー搭載位置の工夫といった徹底的なマスの集中でことさら軽く感じる。月並みな表現だが、125ccの車体に250ccのエンジンを積んでいるかのようなキビキビ感がある。
車体に関しては、基本コンポーネントを弟分の125と共用しているものの、ものすごく丁寧に作り込んでいる印象だ。車体が負けてブレーキングやコーナリングで不安が出たりすることもなければ、変に剛性が高すぎないのもいい。路面にしっかり踏ん張ってくれるし、路面からのインフォメーションも多いから乗っていて安心感がある。
まぁ“ちゃんとスポーツバイクとして作り込んでいる”ってことなのだが、このCB250Rが属する軽二輪クラスは、グローバル戦略という御旗のもとに、ベーシックなバイクとスポーツバイクの境界が曖昧な機種も増えてきている。それだけにこのCB250Rのスポーツ性がことさら際立つのだ。
ホンダ CB250R 試乗インプレ:軽さゆえのクラス初IMU
クラス初となるIMU搭載の話もしておきたい。実はコレも軽さとマスの集中を突き詰めた結果だったりする。というのも軽く作りすぎたことでフルブレーキング時に後輪のリフトアップが起こる可能性が出てきてしまった。要は、不意のジャックナイフ防止のために、後輪のリフトアップを感知するとブレーキ圧を緩めて浮き上がらないようにしているというわけである。
【250ccで唯一、IMUを搭載】’17モデルのCBR1000RRと同じ5軸IMUを搭載。その情報をフロントブレーキのかけすぎによるジャックナイフ現象の防止に利用している。軽すぎるゆえの対策だ。
ホンダ CB250R 試乗インプレ:まとめ
軽く/扱いやすく/走りもキビキビとしているCB250R。こんなバイクに乗って楽しくないわけない。しかも、今回のモデルチェンジで導入されたアシストスリッパークラッチは、レバー操作を軽くするだけでなく、攻めればきちんとその効用を感じられる。スポーツバイクとしてしっかり研ぎ澄まされているCB250Rが、さらにその走りに磨きをかけたというわけだ。
個人的にはもう少し脚光を浴びていいバイクだと思うのだが、この軽さは酸いも甘いも噛み分けるベテランはもちろんビギナーにもおすすめできる。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
経済性と耐久性に優れた素性はそのままに、ブレーキ性能を向上 ホンダはタイで、日本仕様のキャストホイール+ABSとは別ラインになっているスーパーカブ110(現地名:スーパーカブ)をマイナーチェンジ。新た[…]
※走行写真は欧州仕様 航続距離はなんと362km! ヤマハは、2025春に開催された大阪モーターサイクルショーにて「オフロードカスタマイズコンセプト」なる謎のコンセプトモデルをサプライズ展示。従来型の[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転可 バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原[…]
500km/hの速度の鉛玉も防ぐ! SHOEIがキャリーケース事業をスタートする。これまでに培ってきたヘルメット製造技術を活かした新規事業で、GFRPを用いた質感と堅牢性、強固なフレーム構造による防犯[…]
充実してきた普通二輪クラスの輸入モデル この記事で取り上げるのは、日本に本格上陸を果たす注目の輸入ネオクラシックモデルばかりだ。それが、中国のVツインクルーザー「ベンダ ナポレオンボブ250」、英国老[…]
最新の記事
- 【新型外車】ロイヤルエンフィールド「ヒマラヤ450 マナ・ブラック エディション」登場:限定20台の最高峰アドベンチャー
- 【ワークマン】16日で211万着! 伝説のリカバリーウェア「メディヒール」新作投入。1290円から身体の“オーバーホール”を始めよう
- 【昭和名車】ホンダ(HONDA)CBX400F【1981~1984】各部解説:改革の旗手として恥じない最先端メカの数々
- 最大排気量の自然吸気『Z』が正式発表! カワサキ新型「Z1100」「Z1100 SE」は2月14日に発売へ
- カワサキ新型「Z900RS」ついに正式発表! 5psパワーアップして火の玉「SE」はドラレコ装備、黒い火の玉「ブラックボールエディション」も新登場だ!
- 1
- 2
























