ポルシェジャパンは、現在開催中のロサンゼルスモーターショーでお披露目された限定車「911ダカール」の予約受注を開始した。4WDシステムと標準車よりも50mm高めた車高により、オフロードでの高い走行性能も併せ持つというこのポルシェ911には、なんとあの“ロスマンズカラー”がオプション設定されているのだ!!
●文:ヤングマシン編集部(マツ) ●写真:真弓悟史/ポルシェジャパン
ポルシェ、ホンダ…最強マシンを彩ったカラーが蘇る!
“ロスマンズ”と言えば、‘80〜90年代のモータースポーツを積極的にスポンサードしていた英国のタバコブランド。4輪ならグループCのポルシェやF1のルノーを、そして2輪では“ロスマンズ・ホンダ”として全盛期のNSR500や250などを彩った、まさに速さと強さの象徴とも言える伝説のカラーリングだ。
市販車でもNSR250Rに代表されるホンダのレプリカ系を中心に純正採用され、今でも高い人気を維持しているのはご存知のとおり。現在50歳前後のレース好き/レプリカ好きにとっては、マルボロやハーベー、ラッキーストライクなどと並び、忘れ得ぬタバコ系の名スポンサーカラーと言っていいだろう。
そんな懐かしの“ロスマンズカラー”を、再び新車で購入できるチャンスが訪れた!! 誰もが憧れるスポーツカー・ポルシェ911、その限定車である「ダカール」にオプション設定された「ラリーデザインパッケージ」が、白✕青のツートーンの境目を赤と金のラインで引き締めた、あのロスマンズカラーなのである!
とはいえ、もちろんこれはホンダNSRを意識したものではなく、ロスマンズのスポンサードを受けて1984年のパリ・ダカールラリーを制した、ポルシェ911のラリー仕様をオマージュしたもの。カラーリングは塗装とラッピングによって再現されているが、ドアに刻まれるロゴが「Roughroads」と、車両コンセプトを示しつつも明らかに「Rothmans」を意識したスペルと書体なのが何ともユニークだ。
それにしてもこの911、オフロード仕様に仕立ててしまうポルシェの度胸もさることながら、ラリーデザインパッケージのカラーリングは現在47歳の筆者には正直シビれるものがある。以前ホンダ関係者に「ロスマンズカラーの車両はもう販売できないのか?」と訪ねた際に「不可能ではないが、このご時世、タバコをPRする商品は企業としてハードルが高い」と回答されたことがあるのだが、あのポルシェがやってきたのだから、我らがホンダだって可能なのではないだろうか?
ロスマンズカラーの愛好者はレーサーレプリカ世代を中心に非常に数多いし、そもそも、このカラーリングはバランスも配色も非常に美しい。いきなりバイクは無理だとしても、ヘルメットやジャケットといったグッズからでも構わないので、栄光の“ロスマンズ・ホンダ”の復活を熱望いたします(だってポルシェは買えないもん!)
お値段3090万円。ラリーPKGは433万円のオプションだ
この911ダカールは、ポルシェ911の4WD仕様・カレラ4 GTSをベースに車高を50mm高めて専用開発のピレリ製オールテレインタイヤを装着、スポーティなオフロード走行にも対応させた車両で、車高は標準装備のリフトシステムでさらに30mmアップさせ、悪路や障害物の走破性をより高めることが可能。黒いフェンダートリムや前後バンバー、CFRP製リヤスポイラーなどはダカール専用品で、42kgまで積載可能なルーフバスケットやルーフテントがオプション設定される。
走行面では、480psを発揮する3Lの水平対向6気筒ツインターボエンジンをリヤに搭載し、8速PDKトランスミッションを介して0-100km/h加速3.4秒というパフォーマンスを発揮(最高速度はオフロード用タイヤに合わせて240km/hに制限される)。前後の駆動配分などを変化させる走行モードもオフロード用に最適化されている。2500台の限定で車体価格は3090万円。ラリーデザインパッケージは433万7000円のオプションとなっている。
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