カワサキはイタリア・ミラノで開催されたEICMAにGPz900Rの“映画仕様”を展示。これがGPz900Rの復活か、新しいGPZ900RSの登場を示唆するのかと話題になったが、我々はひとつ誤報をお届けしてしまった。心からお詫び申し上げたい。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:EICMA Official, 小川勤
“展示のために制作された車両”は誤報でした! 申し訳ありません!
カワサキがEICMAで展示したGPz900R“トップガン仕様”について速報をお届けした我々は、続報でもそれがビッグネーム「GPz900R」の復活、あるいは新ネームの「GPZ900RS」の登場を示唆するものではないかとお伝えしてきた。
おそらくはZ900系をベースとし、2025年あたりのイヤーモデルとしていずれかの名称で登場するのではという、推測と希望を交えた記事だった。根拠のひとつとして、カワサキが2012年に公開した無名のコンセプトモデルが、5年後のZ900RSの誕生につながっていったのではないかという前例を持ち出し、答え合わせは再来年! と締めくくったものだ。
さて、その中でひとつ誤報があったので訂正させていただきたい。
展示されていたGPz900Rは、このショーのために制作された車両である……というものだ。このGPz900Rの登場に「イヤッホーーゥ!!」となってしまった編集部では、展示車の説明書き(英語)をナナメ読みして、「ほほう、36年の歳月を再現か……」と解釈したうえで、上記のように早とちり。ところが、拙い英語力ながらよくよく読み返してみると、映画の続編であるトップガン マーヴェリック(2022年5月27日公開)で使われた車両であるらしいとわかってきたのだ。
念のため情報筋に確認したところ、間違いなく映画で使われた車両だと判明した。ここに謹んでお詫び申し上げたい。すみませんっしたー!
1986年の旧トップガン仕様と何が違うの?
お詫びついでというわけでもないが、せっかくなので2022年のマーヴェリック仕様と1986年の旧トップガン仕様の何が違うのかをお伝えしていきたい。旧トップガン仕様は版権の問題があって写真を掲載できないので、「トップガン GPz900R」などと検索していただきたく。
異なる点はけっこう細部になることをお断りしておく。
まず車体の色については、いずれも純正色に存在しないカラーリングで、マーヴェリック仕様は36年の月日を表現するためにユーズド風の処理を施している。緑青を用いて経年劣化を表現し、全体にくすんだトーンだ。また、黒と赤のツートーンを分ける白いラインは、旧トップガン仕様よりも細いように見える。
エンジンは旧トップガン仕様のほうが全体に白くなっており、ポイントカバーのメーカーロゴやブレーキキャリパーのKマークが見えなく(見えにくく?)なっている。
マーヴェリック仕様では上記のロゴマークが見えるだけでなくエンジンは経年こそ感じられるものの黒塗装が生きている。また、サイドカウルにオレンジのリフレクターが追加されているのも特徴だ。
このほか、マーヴェリック仕様は燃料タンク横のステッカーの数が多く、色も経年で褪せた感じを出している。タンク横やシートカウルの傷はマーヴェリック仕様のほうが浅く見えなくもない(?)。また、フロントフォークにはステッカーが追加され、チェーンガードのラベルは省略されているようだ。ちなみにタイヤ銘柄も異なる。
以上が見て判別できた違い。36年前とはそもそも同一個体ではなさそうだが、36年の月日の中でマーヴェリックがステッカーを追加したのかな、サイドカウルが傷付いたので交換したらリフレクターが付いているパーツになっちゃったのかな、と新旧映画のストーリーの間の空白を想像する楽しみと解釈してもいいかもしれない。
ちなみに、以下の動画はトップガン マーヴェリックが公開される前の公式トレイラー映像で、劇中のGPz900Rは1分19秒から確認できる。一瞬なので一時停止は狙いすまして!
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