
富士スピードウェイのショートコースと周辺のワインディングを使ってKTMの試乗会が開催され、様々な最新モデルに試乗できる機会を得た。本記事では、KTM伝統のネイキッド=デューク系のトップモデル 1290スーパーデューク Rエヴォ/GT/Rの3機種を乗り比べたインプレッションを紹介する。
●文:ヤングマシン編集部(小川勤) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:KTM
KTM 1290スーパーデューク Rエヴォ:もっとも電脳化が進んだネイキッド
The BEAST(野獣)のペットネームを与えられて’14年にデビューした1290スーパーデュークRは着々と進化続け、数ある外車のアグレッシブなネイキッドの中でも最強の領域にいる。そんな隙のない1台が’22年にEVOとなってさらに進化。電子制御式サスペンションを搭載し、さらなる高みに踏み込んできた。
その装備は各メーカーがラインナップするスーパースポーツ以上ともいえ、KTMが考える理想のネイキッドのカタチがここにある。
【KTM 1200 SUPER DUKE R EVO】ボディカラーはオレンジベースとブラックベースの2種類。クロモリ製フレームは軽量でありつつ高い剛性を確保。モードを上げていってもそのシャシーは驚くほど従順。緊張感よりも楽しさが湧き上がるバイクだ。●価格:249万9000円
180psを誇る1301ccのVツインエンジンは、とにかくパワフル。これが野獣の所以である。そのエンジンを伝統のトレリスフレームに搭載し、電子制御でそのスペックを手なずけてきた。
ポジションは楽だが、シートは高く、そのハンドリングはどこまでもシャープ。独特の不等間隔爆発が生み出すエンジンはトラクションを感じやすく、アクセルを開けるのが本当に楽しい。
テスト車両はオプションのテックパック(15万8024円)を搭載。アンチダイブ機能やリヤサスペンションのプリロード、5種類から選べるダンピング特性など、様々な電子制御を組み合わせることで、自分の好みやシーンに特化した最強のビーストをつくり出すことが可能だ。
前後サスペンションの減衰力調整機構からハーネスが出て、連続的に減衰力を変化させる。リヤはプリロード調整部分にアクチュエーターを装備。スイッチ操作だけで様々な変更が可能だ。
パワーをかけた時に働くMTC(トラクションコントロール)とスライド時に機能するMSR(スリップ制御)も搭載。ライドモードはトラック/パフォーマンス/スポーツ/ストリート/レインの5種類から選べる。
KTM 1290スーパーデュークGT:ライダーはもちろんパッセンジャーもフルサポート
KTMのスポーツツアラーというカテゴリーに唯一ラインナップされるのがこの1290スーパーデュークGT。ベースはデュークRだが、ポジションや電子制御をツーリング方向に振り、快適性を向上させている。ハンドリングは先の2台よりはかなり安定方向。しかし、ハンドル幅は狭く乗っている感覚はネイキッドそのもので、その加速はアグレッシブ。
いかに長距離を快適に走るか、パッセンジャーを疲れさせないかをテーマにあらゆる改良が行われ、リヤのサスペンションストロークやガソリンタンク容量も確保されている。
【1290 SUPER DUKE GT】175psとパワーは十分。テックパック(14万8567円)を装備することで、クイックシフト+/MSR/アダプティブブレーキライト/ヒルホールドコントロールがプラスされる。●価格:244万9000円
KTM 1290スーパーデュークR:ネイキッドでもっともスポーティ
EVOが登場したがスタンダードのRもパフォーマンスの高さは健在。基本的にEVOとの違いはサスペンションでこちらの各部調整機構は機械式になっている。オプションのテックパック(12万8290円)も装備することで、クイックシフト+/MSR/アダプティブブレーキライトがプラスされる。電子制御式サスペンションの設定選びに自信がない方はこちらがオススメだ。
【1290 SUPER DUKE R】●価格:228万円
KTMの電子制御は直感的に使えるものばかりで、その情報はメーター内で把握できる。フォークトップには手で調整できる減衰力調整機構を装備。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
北米レブル300にEクラッチ仕様が登場 ホンダEクラッチが世界戦略進行中だ。欧州で人気のグローバル車・CBR650R/CB650Rを皮切りに、日本では軽二輪クラスのベストセラーであるレブル250に搭載[…]
乗ってみた! APトライク250 やっと乗るチャンスがやってきました。APトライク250を作った、株式会社カーターさんのご協力によるものです。ありがとうございます! 以前は同様にAPトライク125も体[…]
最新Z900/Z500らに共通する3眼LEDヘッドライトやファットバーを採用してデザイン刷新 カワサキは欧州で、2026年モデルとして新型車「Z650 S」を発表。つい最近、スタンダードの「Z650」[…]
世界初公開の2機種はいずれもモーターサイクル カワサキが発表したジャパンモビリティショー2025出展モデルで確定しているのは、日本初公開となる「Z1100 SE」、スーパーチャージドエンジンを搭載した[…]
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
最新の記事
- 【祝! ホンダCB1000F発売決定】コンセプト時点で公開された期待のカスタムモデル2選
- MVアグスタ(MV AGUSTA ) F4【音速の貴公子】アイルトン・セナが愛した限定モデル!「セナ仕様」のプレミア価値
- 78年前の“バタバタ”が甦る?! ホンダが自転車を“電動アシスト化・コネクテッド化”できる「スマチャリキット」のライセンス事業を開始
- 【2024-2025 秋冬新作】アルパインスターズの街乗りカジュアルウェア3選! バイクを降りてもお洒落な防寒アイテム
- カワサキ新型「Z650 S」初登場! 最新3眼ヘッドライト採用、ライディングポジションも最適化【欧州】
- 1
- 2