今やバイク乗りの定番ブランドとして認知されるようになったワークマン。ライダー向けに特化したものから、これはバイク用として使えそうだという商品まで、とにかくラインナップは豊富だ。急激に肌寒くなってきたこの時期に、2022-2023年秋冬シーズンのおすすめアイテムをあらためて紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:長谷川徹 ●取材協力:ワークマン
2022-2023秋冬コレクション、テーマは「原点回帰」と「さらなる深化」だ
ついこのあいだまで夏だったのに……。そう感じているライダーのみなさんに、ワークマンの2022-2023年秋冬コレクションの情報をお届けしたい。アウトドアおよびスポーツウエア、一般アパレルなどラインナップ全体を見渡してみると、やはり高機能をセールスポイントとするワークマンだけあって、グラフェン保温綿やフワテック、ドロップテックといった、素材や加工に関する新たな名称が散見される。人気商品をただ継続することは稀であり、見た目の印象を変えずにサイズ感を修正したり、生地を変更して機能性を高めるといったマイナーチェンジは日常茶飯事だ。しかも、価格は常に据え置きなのである。
さて、ライダー向けのアイテムについて。2022-2023年秋冬の目玉は、通勤通学ライダーを中心に長年愛されてきた元祖イージスシリーズのフルモデルチェンジだ。このブランド名を世に知らしめた透湿防水防寒スーツだけあって、その気合いの入り方は並々ならぬものがある。また、より高機能なEUROシリーズについては、新色を追加するとともに細部を見直すなど深化している。グレンチェック柄やマットオーカーといったカジュアルなカラーが登場したり、STRONGジャケットについては待望のSサイズを追加するなど、ユーザーの声を反映したバージョンアップとなっている。
このほか、グローブやシューズの新作も登場しているが、商品によってはすでに品薄のものもあるようなのでご注意願いたい。10月13日現在でオンラインストアに掲載されているものはリンクを設置してある。
元祖イージスが生まれ変わり、透湿度4倍&中綿量4割アップ!
ライダーの間に「イージス」の名を広めた立役者が、2016年に登場した透湿防水防寒スーツだ。雪寒地域での屋外作業にも耐えられるよう、とにかく暖かく、防水仕様であることが求められたこの作業着は、上下セットで6800円というコスパの高さもあって、当初想定していなかった通勤通学ライダーの間に口コミで広まっていく。これを受けて、2019年にはバタつきを軽減するためジャケットにアジャスターを追加したり、パンツの前合わせにマチを追加して防水性を高めるなど、バイク乗りの声を反映したアップデートを実施。それと平行して、夜間の被視認性を高めた「リフレクト」や、釣りやタウンユースを想定した「オーシャン」など、バリエーション展開もスタートしている。
そんな我々ライダーにとって馴染み深いイージスシリーズが、「REBORN」をテーマにフルモデルチェンジを実施した。新しいラインナップはバイク向け、フィッシング向け、ワーク向け、そしてスキー&スノボ向けの4種類で、最大のポイントは価格の大幅ダウンだ。上下セット6800円(昨年のみ継続モデルを値下げして販売)を4900円とし、さらにコストパフォーマンスを高めてきた。もちろんそれだけではない。蒸れにくさの目安となる透湿度は2019年に3000g/m2/24hから5000g/m2/24hへと引き上げられているが、2022年は何と先代比4倍(!)となる2万g/m2/24hへと飛躍的に高めてきたのだ。
さらに、ラインナップ4種類のうちこのライディング向けのみ、中綿量を140gから200gへと約43%も増やし、大幅に防寒性を高めている。また、ライダーにとってうれしい要素として、グローブのままでも収納物を出し入れしやすいよう、胸ポケットの開口部がワイドになっているのも見逃せない。
カジュアルなG.チェックブラウンを追加し、合わせて細部改良
2019年に登場し、2020年には表地を強度の高いものに変更。2021年は耐水圧を1万mmから1万5000mmにスペックアップするなど、ライダー向け秋冬用ジャケットおよびパンツとして着実に進化してきた当モデル。ジャケットについては、各種ミドルレイヤーをファスナーで接続できるアタッチメントシステムを昨年から採用しており、好評につき2022年モデルもそれを継続する。胸ポケットの中にはファスナー開閉式のエアインテークがあり、ここを通じて内ポケットの収納物を外側からも取り出すことが可能だ。また、鼻まで覆うことができる格納式フェイスガードや、防水&防風効果を高めるフロントのダブルフラップなど、優秀な基本設計はこれまで通りである。
2022年モデルは、胸ポケットの開口部をワイドにして使い勝手を高めたほか、取り外し可能なフードに調整コードを追加し、走行中のバタつきを軽減できるように工夫している。さらに、新色としてG.チェックブラウンとF.デニムグリーンを追加。前者はいわゆる千鳥格子柄であり、Sサイズも設定されているので女性ライダーに支持されそうだ。なお、細部を改良しつつ今年も価格は据え置きの6800円となっている。
ジャケットと同じく2019年に登場したパンツは、翌2020年に裏地にもストレッチ生地を採用して動きやすさを高め、続く2021年には合成皮革のF.レザーブラックを追加するなど、こちらもライディング向けとして年々魅力度を高めている。
2022年モデルは、ジャケットと同様に新色としてG.チェックブラウンとF.デニムグリーンを追加した。ユニークなのはカラーごとに仕様が微妙に異なることで、F.デニムグリーンと継続のインディゴネイビーはワイドな手差しポケットと左腿にカーゴポケットを採用。それ以外の2色は手差しポケットとヒップポケットに止水ファスナーを設ける。それぞれに使い勝手が異なるので、ぜひ店頭で見比べてみてほしい。なお、膝プロテクター用のポケットや、裾内側の耐熱生地、マチ付きの裾アジャスターなど、ベースとなる仕様は全カラーで共通となっており、こちらも価格は据え置きの4900円で販売される。
アタッチメントシステム新採用、フロントはダブルフラップに
2016年のエリア限定販売を経て、2017年からレギュラーラインナップへと昇格した透湿防水防寒ジャケット。最大のポイントは、商品名にも入っている「360°リフレクト」だ。表地の一部にドット柄のリフレクタープリントが施されており、全方位からの光に対して反射する。夜間走行時の被視認性は圧倒的であり、安全性という点においても強く推せる商品だ。
2022年モデルは、このドットプリントのレイアウトを見直し、さらに被視認性を高めている。加えて、上位モデルのSTRONGジャケットと同じアタッチメントシステムを新採用し、さらに前合わせのファスナーをダブルフラップ化している。いずれも防寒性を高めるための改善であり、寒がりなライダーにとっては朗報だろう。
なお、新色はマットオーカーで、ジオホワイトはプリントパターンを変更している。これだけ進化していながら価格は5800円で据え置きだ。
裏ボア×耐久撥水×防風の極暖パンツにPUレザーが新登場
伸縮性のある防風デニム生地と各部のシャーリングにより、スリムなシルエットでありながら抜群に動きやすい防寒パンツ。裏面は毛足の長いボアで、膝には取り外し可能なニーパッドを標準装備。さらにウエストの両サイド内側にはプロテクター用のポケットを設けるなど、完全にライディングを意識した作りとなっている。
2年目となる2022年モデルは、革パンツ風のF.レザーブラックを追加し、継続のデニムネイビーとデニムブラックと合わせてカラーバリエーションは3種類となった。さらに、裾をロールアップすることでさりげなくリフレクターが露出するというギミックをプラス。サイズ展開にSと4Lが追加されたというのも朗報だろう。
樹脂プロテクター入りの本格的な防風防水ライディンググローブ
ワークマンがバイク用のグローブをラインナップに加えたのが2019年の春夏シーズンのこと。以来、ユーザーの声を反映しつつさまざまなタイプのグローブをリリースしてきた。2022年秋冬シーズンの新作は、甲部に樹脂製のナックルプロテクターをレイアウトした防寒モデルだ。
長めの裾にドローコードを組み合わせた本格的な防風防水仕様で、手のひらには微振動を緩和するクッション材を内蔵。左手人差し指にはヘルメットのシールドに付着した水滴を拭うためのワイパーを、さらにスマホタッチやリフレクターまで採用するなど、ライダーにとってうれしい機能をこれでもかと盛り込んでいる。山羊革を部分的に使うことで質感を高めるといった工夫もあり、これで3900円は非常にお買い得だ。
ついにここまで! フィット感、操作性とも高レベルなグローブ
もう一つの新作は、中綿のない3シーズン用グローブだ。手のひら側には山羊革を、甲側には柔軟性に優れる人工皮革を使用したハイブリッドな作りで、最大のポイントは着用感の高さだ。塩化ビニル樹脂製のナックルプロテクターは適切な位置に収まり、優れた立体裁断と合わせて異物感はほぼ皆無。またレバーやスイッチ類の操作性についても優秀で、ワークマンのライディンググローブもついにこのレベルに達したか、というのが正直な感想だ。カラーはブラックのみ、サイズ展開もM~LLの3種類のみだが、2900円というコスパの高さもあってヒットする可能性大だ。
ライディングも想定したセーフティシューズがデビュー!
昔からワークブーツやセーフティシューズをバイク用として履いているライダーは多い。そうした現状のニーズを受けて、既存の先芯入りセーフティシューズをライディング向けとして改良したのがライザクトの「111」だ。
もともと前作の101もミドルカットではあったが、111は転倒などのアクシデントを想定してくるぶしをしっかりと覆うデザインとし、さらに保護パッドに加えて補強生地をプラスしている。シフトペダルが干渉するツマ先の擦れは、もともとあった補強生地の面積を広げてこれに対処する。鋼の先芯については、内側にウレタンパッドを当てることで指先との干渉を軽減し、さらにかかとにはクッション材を入れて歩きやすさにも配慮している。
かかと後方にはリフレクターを装備するなど、夜間走行時の被視認性を高める工夫もプラス。コスパ最優先でライディングシューズをお探しの方にぜひお試しいただきたい。
なお、上記の各情報については7月下旬の情報解禁時点のものであり、発売までに一部変更などがされた可能性もあるとのことをご了承願いたい。
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