近年バイクメーカーが力を入れている「ネオクラシック」というカテゴリー。かつて人気を得たレジェンドバイクを現代の技術でリバイバルするが、はたしてそこに「旧車の味わい」はあるのか? 本記事で取り上げるのは、ホンダ1100パラツイン第4弾・カフェレーサースタイルのホーク11。ロケットカウル&セパレートハンドルの情景を、穏やかで満足感溢れる現代的な走りに転化。「上がりバイク」の真髄やいかに!?
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司) ●テスター:丸山浩 ●写真:関野温 真弓悟史 ●外部リンク:ホンダ
ホンダ ホーク11 概要:ロケットカウルありきのカフェレーサースタイル
今年3月の大阪・東京モーターサイクルショーで発表されたホーク11。水冷2気筒SOHCエンジンはアドベンチャーのCRF1100アフリカツインがベースで、クルーザーのレブル1100やツアラーのNT1100に続く4車目の採用となる。
ちなみにシャーシもアフリカツインやNT1100がベースで両車とも腰高だが、ホーク11では低いカフェレーサーのディメンションに見事に変身している。
まずは「ロケットカウルありき」でデザインされ、低いカフェレーサーのフォルムに合うようにディメンションやエアボックス容量を確保するのに苦心したという。セパレートハンドルもカフェレーサーの要素として譲れない部分だが、前傾姿勢がキツくならないように配慮した。
そしてロケットカウルは、造形の美しさや風景の映り込みにもこだわって、FRPによる継ぎ目のない一体成型で製作している。
ロケットカウルといえば過去のホンダ車ではGB400TTマークIIが存在するが、直接的なモチーフではない。ネーミングではCB400TホークIIがベテランライダーに有名なので、2気筒のロードスポーツをアピールするためにホークのネーミングを復活させたというから、モチーフとなる特定の車両は存在しないようだ。
ホンダ ホーク11 試乗インプレッション:昔ながらの走りの味わいを最新コンポーネンツで再現
スポーツバイクを評価する言葉として適切ではないし、語弊があるのも承知で言わせて頂くと、ホーク11は「ダラダラ走れる」。もちろん、いい加減な走りという意味ではなく、後輪にしっかり荷重を与えて…みたいなことを意識しなくても、満足度をもって走ることができるのだ。エンジンは走行モード等で電子的に味付けできるが、既存のシャシーをベースにハンドリングを昔ながらの味わいに変えるのは容易ではないので、これは驚きである。
スタイルに関しては好みの分かれるところかもしれないが、セパレートハンドル&ロケットカウルのバイクで、ある意味ラクに走れるのは新鮮だ。ハンドルは一見すると低めで遠いが、ロングランが苦痛になるようなライディングポジションではないのも評価できる。
アフリカツインから始まった並列2気筒エンジンは、車種によってクラッチ操作の必要ないDCT仕様も用意されるが、ホーク11は6速MTのみ。また近年メジャーになってきたクイックシフターも装備せず、オプション設定もない。しかしこのマシンに関しては単純に「シフトチェンジを楽しめるからなくてもイイや」と思えるのだ。
「楽しさは数字じゃない」というキャッチフレーズや、メーカー試乗会のプレゼンでは「速くない、でも少し速い」という言葉も飛び出した。ともすると性能で勝負しない(できない)バイクの逃げ口上と思われるかもしれないが、じつは正反対。数字や速さを評価の基準にしないのは、実際はすごく大変なこと。しかしホーク11の穏やかだけど操っている感の高いフィーリングを味わうと、素直に「速くなくていい」と思えてしまう。とはいえこの2気筒エンジン、充分に速いのだが(笑)。
ホーク11は直接的にモチーフとするバイクはないが、なんとなく“当時のバイクのカスタム感”を感じる。たとえばホークIIにセパレートハンドルやカウルを付けたらこんな感じかも…と、漠然と思ってしまうのだ(実際はキチンと走らないかも…だが)。ホーク11のエンジンや走りの優しさが、そんなイメージを抱かせるのかもしれない。
ホンダ ホーク11 ネオクラポイント
ホンダ ホーク11 車両紹介
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