新規制適合モデルしか販売できなくなる’22年11月に向け、この数か月はモデルチェンジが目白押し! スペックやプライスの変更に加え、’23年の新色も登場。現時点での主な“滑り込み車両”を一堂に紹介!
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司 沼尾宏明)
新排出ガス規制に対応して変化するスペックやプライス
新排出ガス規制に適合するか否かで、生産継続かそれとも終了かが左右される…。リミットである’22年10月末まであと2か月に迫る中で、まさに滑り込みともいえる「新規制対応モデル」が続々登場している。
その代表格とも言えるのがカワサキのZ900RSだ。ネオクラシックの人気を牽引するモデルだけに、規制に対応して生産継続は鉄板と思われていたが、まずは一安心というトコロ。ビキニカウルを装備するカフェや、豪華な足まわりを誇るSEなど全シリーズが継続するのも嬉しい。
最高出力や最大トルクのスペックに変わりはないが、WMTCモードにおける燃費が若干低下しているのは残念。厳しい規制に対応しているだけに致し方ないところかも。また車重に変化がないところから、従来モデルも新規制を見据えて設計していたと推測。
全シリーズで4万4000円プライスが上昇しているが、令和2年排出ガス規制(≒ユーロ5)では、世界共通規格の車載式故障診断システムであるOBD‐IIの装備も義務づけられている。またZ900RSシリーズにおいては今回のモデルチェンジで「カワサキケア」が付帯したので、妥当なコストアップと考えられる。
──他にもダックス125や新型GSX‐R125など延期されていた発売日が決定したモデルも。スペックや価格の変化と合わせて、見てみよう。
’23 カワサキ Z900RS/SE/CAFE【実は初チェンジ】
カワサキ Z900RS
カワサキ Z900RS CAFE
’23 カワサキ ニンジャ400/KRTエディション【爽やか系のニンジャと精悍なZにカラー変更】
4気筒モデルの登場が噂されるカワサキの400ccクラスだが、2気筒のニンジャ400/Z400ともに新排出ガス規制に対応して継続販売される。両車ともに最高出力に変化はなく、最大トルクは0.1kg-mダウンしたが、燃費はWMTCモードで0.9㎞/L向上している。プライスはニンジャが3万3000円、Zが2万2000円アップした。ニンジャは新色で3タイプ用意され、Zのカラーは1色になったが、フレームの塗色が変わってイメージを一新している。
カワサキ ニンジャ400
ネイキッドも新色展開
’23 カワサキ ニンジャ1000SX【シックなニューカラーを追加】
安定した人気を持つニンジャ1000SXは新排出ガス規制に対応したが、兄弟車のZ1000は現状未定。出力/トルク/燃費などスペックに変更はないが、プライスは7万7000円アップと上げ幅が大きい。ツヤ消しのメタリックレッドが個性的な新色を追加した。
’22 スズキ GSX-S125/R125 ABS【待望のライトスポーツ、2カ月半遅れで登場!】
GSX-R125が5月11日、GSX-S125が4月27日予定だった発売を延期していた。両車ともアンダーカウルの形状を一新し、車重がRは3kg、Sが2kg増加。最高出力/最大トルクは変わらないが、発生回転数が500rpm高くなり、燃費は若干低下。価格は両車とも3万7400円アップ。
スズキ GSX-S125
スズキ GSX-R125
’22 ヤマハ MT-10/SP【スーパーネイキッドが大幅刷新!】
最高出力/最大トルク共にアップして燃費も向上し、IMU装備で電子デバイスがさらに進化。ブレンボの純ラジアルマスターやサウンドチューニングなど変更点は多岐に渡り、値上げに見合った性能アップを図る。
’23 ホンダ CB250R【価格据え置きで大きく進化!】
倒立フロントフォークをショーワ製SFF-BPに変更し、アシスト&スリッパークラッチを装備。便利なギヤポジションインジケータを追加して、サイレンサー形状も変更。新色のツヤ消し黒は細部までブラックアウト。
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