
テイストオブツクバ(TOT)における1クラス、ハーキュリーズ。そのレギュレーションは、フレームがスチール製であれば基本的に何でもアリ。もちろん、オリジナルフレームやスーパーチャージャー、最新スーパースポーツ用エンジンの使用もOKで、現代の日本でここまでの多様性が認められ、しかも超ハイレベルなバトルが堪能できるレースは、おそらくハーキュリーズだけだろう。本記事では5月15日開催のTOTに参戦した個性的マシンを、ヤングマシンが密着した鐵隼を中心に紹介する。
●文:ヤングマシン編集部(中村友彦) ●写真:真弓悟史 佐藤寿宏
#23 加賀山就臣選手/スズキ ハヤブサ”鐵隼”(Team KAGAYAMA):決勝2位
外観はどう見ても初代ハヤブサなのだが、フレームはチームカガヤマが独自に製作したスチール製。「筑波を速く走る」ことを最優先し、STDに対しヘッドパイプをライダー側に40mm寄せるなどの独自ディメンションだ。アルミ鍛造の前後ホイールはゲイルスピードSB-1で、ブレーキパーツはブレンボで統一。燃料タンクは同社が開発したアルミ製。
【Team KAGAYAMA HAYABUSA】
JEの鍛造ピストンを組み込んだ初期型用のエンジンは、後輪で173psを発揮。インジェクション関連はノーマルを使用。
ラジエターは大容量化。バンク角を増やすため、クランクケース左右カバーは下側をカット。排気系はヨシムラの特注品。
スイングアームは軸間距離が長いGSX-R1000用で、白いドライブチェーンはRKのスペシャル。ステップは同社オリジナル。
FRPカウルはTOTの規定に準じたハーフ仕様。アナログ式メーターは純正で、前後ショックはオーリンズ/アラゴスタ。
#414 光元康次郎選手/カワサキ ニンジャH2R(Garage414&Woodstock):決勝1位
光元選手+H2Rは、今大会で2度目のハーキュリーズ制覇を達成。従来はあり余るパワーに手を焼いていたものの、OVERの両支持式スイングアームを新規導入することで、コーナーの立ち上がりで格段にアクセルが開けやすくなったと言う。
【KAWASAKI NINJA H2R】
フロントキャリパーを冷却するカーボンダクトもOVER。前後ショックはオーリンズを選択。
前後ホイールはJBマグタンで、ステップはウッドストック。ドリブンスプロケットはISA。
#71 新庄雅浩選手/カワサキZRX1200S(First☆Star AUTOBOY ACTIVE):決勝4位
赤旗中段前の決勝レースをリードした新庄選手のZRXは、ストリートカスタムのお手本になりそうな要素が満載。今回はアクティブの協力を得て、リヤにリンク式ツインショックを導入。前後ホイールとブレーキキャリパーはゲイルスピード。
【KAWASAKI ZRX1200S】
エンジンにはJEのビッグブロックキットを投入。キャブはFCRφ41mmで、排気系はストライカー。
プレスフォーミングタイプのスイングアームはアクティブ製で、リアショックはハイパープロ。
#43 江口 謙選手/OVER Racing OV-43(OVER RACING):決勝10位
外観はZ900RS風になっているけれど、OV‐43はZX‐10Rのスチールフレーム仕様と言うべき構成で、エンジンやディメンション、足まわりの主要部品は、ZX‐10R用をほぼそのまま踏襲。初陣となった今大会は、サスペンションセッティングで苦戦。
【OVER Racing OV-43】
リヤショックはアラゴスタで、ホイールはマルケジーニ。フロントディスクはサンスターに変更。
トラス構造のスチールフレームやアルミタンク、ステップ、マフラーなどは、オーバーのオリジナル。
#14 豊田浩史選手/OVER Racing OV-41(OVER-classics):出走せず
オーバーオリジナルのダブルクレードルフレームにスズキの油冷4気筒を搭載するOV-41は、海外のクラシックTT-F1レース参戦を念頭に置いて製作。豊田選手の負傷で今回は参戦を見合わせたが、パドックでは多くの観客から注目を集めていた。
【OVER Racing OV-41】
油冷エンジンには、JEφ83mm鍛造ピストンやヨシムラST-2カム&バルブスプリングを投入。
アルミタンクもOVER。ハリスタイプのカウルはイギリス製で、キャブレターはFCRφ41mm。
これ以外にも多岐にわたる参戦車両!
ハーキュリーズの主役は昔からカワサキGPZ900R/ZRX系で、左サイドにカムチェーンを備える伝統の水冷4気筒は現在も大人気。とはいえ、ヤマハやスズキにこだわるライダーも存在するし、今大会で3位に入賞した岩崎選手のZ1000は、GPZ900R/ZRX系とは路線が異なるモデルだ。
#82 谷正明選手/スズキGS1200SS(TURTLE&谷屋):決勝12位
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
従来の理念をさらに深化させた「Emotional Black Solid」 今回注目したのは、新たなステップワゴン スパーダ専用に用意された、これまた新たなアクセサリー群です。その開発コンセプトは、従[…]
ヤマハXJ400:45馬力を快適サスペンションが支える カワサキのFXで火ぶたが切られた400cc4気筒ウォーズに、2番目に参入したのはヤマハだった。 FXに遅れること約1年、1980年6月に発売され[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
レストア/整備/カスタム/販売など絶版車に関するすべての分野でサービスを提供 古いバイクを海外から輸入して販売する場合、車両によって程度の違いはあれ必ず整備が付随する。 元々のコンディション次第ではレ[…]
最新の記事
- バイクキャンプツーリングに欠かせない“テント”の選び方【自分だけの秘密基地を持ち運ぶ!】
- 待ってるぜ俺達のゼファー/FX! 直4ネオクラシックZ400RS最新情報まとめ【2025年4月版】
- 「カブ主よ今年も集まれ!」2025年の『カフェカブパーティー』九州/北海道/関西の開催概要が発表
- ドランゴンボール仕様もあった:ホンダ「モンキー125」歴代カラー大図鑑【2019年モデル】
- [今年もバイクでキャンプツーリング] コレがなければ始まらない、大型シートバッグの選び方
- 1
- 2