
旧車の雰囲気を色濃く残す現代のネオクラシックモデル、クラシック350/SR400/GB350。この3台、空冷SOHC単気筒エンジンを積み込んでいるという点では同じだが、実はその乗り味はまったく違う。見た目/個性/希少性/価格…どれで選ぶ? 本記事では、3台を比較試乗して乗り心地を検証した。
●文:ヤングマシン編集部(小川勤) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:ロイヤルエンフィールド
似ているけれど全然違う。だからシングルは面白い
’78年に登場したヤマハSR400の生産終了が昨年発表され、そのタイミングでホンダのGB350とロイヤルエンフィールドのクラシック350(インドでは昨年発表)が登場。改めて走り比べると40年以上前から基本設計を変えずにきたSR400/最新のGB350/クラシック350は驚くほどキャラクターが異なる。
【ROYAL ENFIELD CLASSIC350】■全長2145 全幅785 全高1090 軸距1390 シート高805(各mm) 車重195kg(装備) ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ349cc 20.2ps/6100rpm 2.75kg-m/4000rpm 変速機5段燃料タンク容量13L ■タイヤサイズF=100/90-19 R=120/80-18 ●価格:66万6600円
【YAMAHA SR400 Final Edition】■全長2085 全幅750 全高1100 軸距1410 シート高790(各mm) 車重175kg(装備) ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ399cc 24ps/6500rpm 2.9kg-m/3000rpm 変速機5段 燃料タンク容量12L ■タイヤサイズF=90/100-18 R=110/90-18 ●価格:60万5000円
【HONDA GB350】■全長2180 全幅800 全高1105 軸距1440 シート高800(各mm) 車重180kg(装備) ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ348cc 20ps/5500rpm 3.0kg-m/3000rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L ■タイヤサイズF=100/90-19 R=130/70-18 ●価格:55万円
SR400のエンジンはバランサーがなくどの回転でも振動が多く、特に高速道路で100~120km/hの長時間巡航は厳しい。ただし排気量の余裕はさすがで、高速道路でSRが加速体制に入ると他の2台は敵わないのも事実。しかし面白いのは排気量の少ない2台の350が120km/h巡航もこなすこと。特にGB350は振動をほとんど感じさせない。
ワインディングでもホンダはどこまでも現代風でとてもスポーティだった。よく回るエンジンとクイックなハンドリングの組み合わせは、まさにモダンシングルスポーツといったところ。
クラシックは車重もあり、どちらかというと安定型。ただ、スロットルを開けた時の爆発感は強く、それが鼓動としてライダーに気持ちよさを教えてくれる。さらにスロットルもブレーキも、ライダーの操作に対して一瞬のラグがあって反応するため、常に優しいのだ。
ハンドリング的には、この2台の中間にSR400がいる。こうして比較すると設計の古さを感じるが、それがいい意味で洗練されてなくよい。よくぞ40年もこれを守り続けたと感心させられるだけに、生産終了がとても寂しくなる。シンプルな構成の空冷SOHC単気筒がメーカーのこだわりやスタンスによって、ここまで変わるのが実に面白い。
クラシック350/SR400/GB350各部比較
ライディングポジション
ステップがいちばん前にある往年のポジション。堂々と乗ることができ、大らかな気持ちになれる。足を下ろす場所にサイドカバーがなく、見た目以上に足着き性は良好。[身長165cm/体重65kg(以下同)]
ハンドルの先端部分が下がった独特の前傾スタイル。シートは見た目の厚みはあるが、跨るとかなり沈み込むため、この3台の中ではもっとも足着き性がよい。
ワイドなハンドルの現代的なネイキッドポジション。シートも硬めで跨ってもほとんど沈まない。さらにサイドカバーの張り出しが大きいため、足着き性はあまりよくない。
エンジン
エンジンのボア×ストロークはクラシック350が72.0×85.8mm、GB350は70.0×90.5mmのロングストローク。対してSR400は87.0×67.2mmのショートストロークだ。
タンク
タンクはクラシック350とSR400はティアドロップ形状。ただしクラシックは丸みを帯びており、SRはかなり細身。一方のGBは上部の起伏が特徴的なモダンな形だ。
シート
上質で柔らかく、乗り心地のいいクラシック350のシートはクラス最上ともいえる。SR400は足着きにかかわるほど柔らかめで、比べるとGBはかなり硬めの設定。
メーター
スピードのみのシンプルなメーターを持つクラシック350とGB350に対し、SRは豪華で美しいコックピットが嬉しい。
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