
イタリアのモンディアルは、MotoGPの祖となる世界選手権ロードレースの創成期に125クラスで大活躍した名門チーム。当時はレーシングマシンしか作っていなかったが、半世紀余りを経て公道モデルで大復活!「原付」という名称が不似合いなほどに立派なフルサイズ125は、今後の原二スポーツ界に大きな影響を与えそうだ
●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司) ●写真:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:F.Bモンディアル
イタリア名門の参戦で、フルサイズ125スポーツが熱い!
F.Bモンディアルジャパンによって2018年から国内販売が行われているが、モーターサイクルショーで一般公開するのは今回が初めてだ。モンディアルは第二次大戦後間もない1948年に創業し、世界選手権レースの125・250クラスで大活躍したイタリアの名門。1979年に会社は解散したが、2015年のEICMA(ミラノショー)でHPS125を発表して見事に復活した。
そして2019年にスポーツクラシックのパガーニをラインナップに加え、さらにフラットトラックも登場。いずれもフルサイズで原付二種とは思えないスケールと迫力を醸す。CBR125RやGSX-R125など国産スポーツと真っ向勝負のプライスも大きな魅力。またHPSとパガーニには125とほぼ同一のシャシーに249ccエンジンを搭載した日本限定モデルの「300」も目が離せない存在だ。
スクランブラー風ネオクラのHPS
サイドカバーのHipstersは「通」とか「新しい物好きな人」を表し、その名の通りレトロとモダン織りなす新しい造形を纏うHPS。展示車両はHPS 300だが、125もエンジン以外のスペックはほとんど同じだ。 [写真タップで拡大]
DOHC4バルブの水冷単気筒エンジンは、125はアプリリア製でユーロ5適応。HPS300は車名は300だが排気量は249ccの日本限定モデル。こちらは躍進著しく信頼性の高い中国のZONGSHEN(ゾンシェン)製でユーロ4仕様を搭載。短い2本出しサイレンサーがレトロな雰囲気を醸す。 [写真タップで拡大]
燃料タンクは前方下部がフォーク付近まで伸び、ニーグリップ部を強く絞った造形は懐かしさと新しさが混在。タックロールの座面を別体とした珍しいデザインのシート。もちろんタンデム可能だ。 [写真タップで拡大]
フロントブレーキは4ポットのラジアルマウントキャリパーを装備し、ABS装備。写真のHPS300は280mmのラウンドディスクだが、HPS125はウェーブディスクを装備。リヤブレーキも300はラウンド、125はウェーブディスクを装備する。スイングアームフェンダー&ナンバーマウントは欧州車で流行。 [写真タップで拡大]
HPS 125[2022 model]
■軸距1360mm シート高795mm 車重133kg ■水冷4ストローク単気筒 124cc 13.6ps 1.07kg-m 変速機6段 燃料タンク9.5L ●価格:48万9500円 ●色:灰、黒
HPS 300[2022 model]日本限定モデル
■軸距1360mm シート高790mm 車重149kg ■水冷4ストローク単気筒 249cc 23.1ps 2.29kg-m 変速機6段 燃料タンク9.5L ●価格:57万6400円 ●色:灰、黒
名ライダーの名を冠した「パガーニ」
フルカウルのクラシックレーサーに、モンディアルを駆って1949年から始まったロードレース世界選手権125ccクラスで初代チャンピオンを獲得した名ライダーのネッロ・パガーニの名を冠した。125、300(日本限定モデル)ともにエンジンやシャシーはHPSとほとんど共有するが、各所のデザインワークで見事なまでに別カテゴリーに変身している。 [写真タップで拡大]
燃料タンクはセンターの樹脂カバーの処理やグラフィックこそ異なるが、HPS、パガーニ、フラットトラックの3車で共通なのが凄い。シートも基本体に共通で、簡単に着脱可能なシングルシートカバーを外せばもちろんタンデム可能だ。 [写真タップで拡大]
SPORTCLASSIC Pagani 125[2022 model]
■軸距1360mm シート高804mm 車重133kg ■水冷4ストローク単気筒 124cc 13.6ps 1.07kg-m 変速機6段 燃料タンク9.5L ●価格:52万2500円 ●色:白×赤、青×銀
SPORTCLASSIC Pagani 300[2021model]日本限定モデル
■軸距1360mm シート高804mm 車重153kg ■水冷4ストローク単気筒 249cc 23.1ps 2.29kg-m 変速機6段 燃料タンク9.5L ●価格:58万800円 ●色:白×赤、青×銀
これで公道モデル!? の「フラットトラック」
サイドカバーはヒートガード&ゼッケンに変貌し、細身のテーパー状のサイレンサーが左右2本出しとなる。シートは他モデルと同じ形状だが色付きのステッチがイカしている。シートカウルを外してタンデム可能だ。ガソリンタンクはHPSやパガーニと同一形状にもかかわらず、まったく別物見える。 [写真タップで拡大]
FRAT TRACK 125[2022 model]
■軸距1380mm シート高870mm 車重133kg ■水冷4ストローク単気筒 124cc 13.6ps 1.07kg-m 変速機6段 燃料タンク9.5L ●価格:52万2500円 ●色:黄、赤、黒
フルサイズ・エンデューロ「SMX」
本格エンデューロのSMXは、アプリリアのRX125の兄弟車で、外装パーツの形状が異なるが、スペック的にはほぼ同じ。RX125はABS装備だがSMXはCBS(前後連動ブレーキ)となる。 [写真タップで拡大]
SMX 125 ENDURO[2022 model]
■軸距1425mm シート高1020mm 車重124kg ■水冷4ストローク単気筒 124cc 15ps 1.12kg-m 変速機6段 燃料タンク6.3L ●価格:45万7600円 ●色:黄、赤
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