令和の原付二種HY戦争勃発?! ヤマハNMAX vs ホンダPCX〈#2 試乗インプレッション比較〉

ヤマハNMAX vs ホンダPCX〈試乗インプレッション比較〉

快進撃を続けるホンダPCXに対し、ヤマハNMAXが反撃の狼煙を上げた! トラクションコントロール/キーレス/アイドリングストップを追加し、さらに国内125ccクラス初となるスマホ接続システムも投入。新設計フレーム&ホイールなど基本骨格も大幅に進化を遂げた。果たして王者PCXの背中は見えたのか、厳しくジャッジ。モータージャーナリスト大屋雄一氏の試乗インプレッションをお届けする。

●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:真弓悟史 ●ヤマハ ホンダ

ヤマハNMAX&ホンダPCX|試乗インプレッション|大屋雄一
[写真タップで拡大]

【テスター:大屋雄一】テスター歴20年以上のベテランジャーナリスト。国内外/排気量を問わず豊富な試乗経験を持つ。

ライバルを徹底的に研究。装備についてはほぼ互角に

’10年のデビュー以来、販売台数において原付二種スクーターのトップを快走するホンダPCX。3度目のフルモデルチェンジを受けた’21年モデルは、水冷エンジンを2→4バルブ化した上でボアストローク比を変更。さらにフレームを刷新してリヤブレーキをディスク化するなど、隙のない進化を遂げた。

この牙城を崩すべく、ライバルのヤマハNMAXが’16年のデビュー以来初となるフルモデルチェンジを実施した。最大のポイントは、ヤマハ国内モデル初となるスマホ接続システム”Yコネクト”の採用だ。メーター上で着信通知/燃費管理/最終駐車位置の確認など様々な使い方ができる。さらに、PCXがすでに採用しているトラクションコントロール/スマートキーシステム/アイドリングストップを追加しただけでなく、フレームや前後サスペンションを新設計とするなど、ほぼ全面的に進化した。そして何より驚いたのは、これだけ装備を充実させていながら税抜価格1万円しかアップしていないこと。ヤマハの本気ぶりが伝ってくるだろう。

ヤマハNMAX|試乗インプレッション

【’21 YAMAHA NMAX】装備充実でライバル追撃! [写真タップで拡大]

まずはエンジンから。NMAXの水冷シングル”ブルーコア”エンジンは、6000rpmを境に吸気側カムが切り替わる可変バルブ機構・VVAを採用。最高出力はPCXに対して0.5ps、最大トルクも1Nm下回るが、このVVAの効果もあってか発進加速はPCXよりもわずかに力強い。スロットル全開でスタートすると、50km/h付近でカシャッという作動音とともにカムが切り替わる(同時にVVAのアイコンがメーターに表示される)が、加速フィールは極めてシームレス。スロットルレスポンスも適度に忠実で、全域で扱いやすいエンジンに仕上がっている。

新たに導入されたアイドリングストップは、始動用モーターと発電用ジェネレーターを一体化した”スマートモータージェネレーター”により、キュルルッというギヤ鳴りをさせずに静かに再始動する。PCXも同様のシステムを採用しており、完全に肩を並べたと言えるだろう。付け加えると、この始動時を含め全域で振動が少なかったのも好印象だ。

ホンダPCX|試乗インプレッション

【’21 HONDA PCX】王者の貫禄で迎え撃つ! [写真タップで拡大]

ハンドリングに違いあり。実力はほとんど横並びだ

続いてハンドリングについて。PCXがフロント14インチ/リヤ13インチのホイールを履くのに対し、NMAXは前後13インチを新型でも継続する。水平基調のデザインゆえにPCXの方が長く見えるが、全長は2車同一であり、ホイールベースはPCXの方が25mmも短いのだ。

ハンドルの押し引きなどできっかけを与えるとすぐにバンクし、フロントからスイッと向きを変えるPCXに対し、NMAXはライダーの操縦にどこまでも忠実で、この2台のハンドリングは実に対照的だ。PCXは先代/現行モデルで段階的に接地感と旋回力を高めてきており、リラックスしたライディングポジションのまま不安なくコーナリングできるという点において右に出るものなし。これに対してNMAXは、やや背筋を伸ばした乗車姿勢から積極的にバンク角をコントロールするタイプで、その傾きに比例して舵角が付き、狙ったラインを気持ち良くトレースできる。まさにヤマハらしいハンドリングであり、原付二種スクーターでもスポーティーな走りを楽しみたい人にとっては、まさに打って付けだろう。

なお、PCXは現行モデルからハンドルホルダーがラバーマウント化されたのだが、NMAXから乗り換えるとハンドルバーの揺れがさまざまな場面で気になった。慣れてしまえばまったく問題はないのだが…。

ヤマハNMAX|試乗インプレッション

【’21 YAMAHA NMAX】 [写真タップで拡大]

ブレーキは両車とも前後ディスクを採用する。PCXはフロントに片押し式2ピストン、NMAXはシングルピストンのキャリパーを選択するが、絶対制動力/コントロール性とも大差はなかった。ただ、ひとつ気になったのはABSの作動性だ。リヤにもこれを導入するNMAXはPCXに対してアドバンテージを持つが、実際に作動させるとレバーへのキックバックが大きく、しかもタイヤのロックと解除の間隔が大きいので、最初は戸惑うかも。これに対してPCXはフロントのみだが、介入がスムーズなので安心感は大きい。

さて、NMAXが導入したYコネクトも試してみた。専用アプリをスマホにインストールすればすぐに使うことができ、電話の着信や各SNSからの通知をメーターに表示させられるほか、スマホ上でさまざまな情報を知ることが可能だ。特にビギナーにとって心強いと思われる機能が、問題や故障を検出した際、その時間や位置情報を指定のメールアドレスに自動で送信するというもの。このアプリはまだスタートしたばかりで、今後さらに便利な機能が実装される可能性も。非常に楽しみである。

同価格帯の最新スマホ同士を比較する程度に実力と装備が拮抗しているこの2台。年間販売計画台数に大きな開きはあるものの、どちらも原付二種スクーターとしてはトップクラスのパフォーマンスを有しており、正直なところ甲乙付けがたい。見た目の好みで選んでも後悔しないだろう。

ホンダPCX|試乗インプレッション

【’21 HONDA PCX】 [写真タップで拡大]

0-60km/h加速:最高出力は下回るが加速はNMAXの勝ち

本文にも記したように、スタートダッシュではNMAXの方がわずかに力強く感じる。その差を明らかにしようと2台で同時に発進することを試みるも、スロットルを開けるタイミングが揃わずに断念。そこで使用したのがデジスパイスだ。結果は0-60km/hのテストにおいてNMAX7.8秒/PCX8.3秒だった。この条件においてNMAXは50km/h付近で吸気側カムがローからハイへと切り替わるので、それもパフォーマンスに影響しているようだ。なお、PCXのエンジンは低振動かつメカノイズが少ないことが特徴的だが、今回の試乗車同士の比較ではNMAXの方が静かでジェントルに感じられた。スペックに現れない要素なので、ぜひ試乗して確かめてほしい。

[左]NMAX 7.8秒 [右]PCX 8.3秒 [写真タップで拡大]

ヤマハNMAX&ホンダPCX|主要諸元比較

ヤマハNMAX&ホンダPCX|主要諸元比較 [写真タップで拡大]

[写真タップで拡大]

【デジスパイス】0-60km/h加速に使ったのはヤングマシンお馴染みのデジスパイス。解析ソフトを使えばコースのライン取りや0-1000m計測なども可能だ。https://digspice.com/jp/


※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

マシン・オブ・ザ・イヤー2021
マシン・オブ・ザ・イヤー2021

最新の記事

ヤマハ NMAXの価格情報新車・中古バイク検索サイト ウェビック バイク選び

ヤマハ NMAX

ヤマハ NMAX

※ 価格は全国平均値(税込)です。

新車 249価格種別 中古車 59

本体

34.71万円

価格帯 27.72~40.92万円

本体価格

本体

25.8万円

価格帯 17.8~36.85万円

諸費用

1.64万円

価格帯 2.67~3.13万円

諸費用

諸費用

2.1万円

価格帯 ―万円

乗り出し価格

36.36万円

価格帯 30.85~43.59万円

乗り出し価格

乗り出し価格

27.9万円

価格帯 21~36.03万円

Webike バイク選びで 新車・中古車を探す

ホンダ PCX125の価格情報新車・中古バイク検索サイト ウェビック バイク選び

ホンダ PCX125

ホンダ PCX125

※ 価格は全国平均値(税込)です。

新車 409価格種別 中古車 222

本体

34.03万円

価格帯 28.9~44.88万円

本体価格

本体

23.99万円

価格帯 17.39~29.39万円

諸費用

1.81万円

価格帯 ―万円

諸費用

諸費用

2.66万円

価格帯 2.48~3.47万円

乗り出し価格

35.84万円

価格帯 31.8~40.29万円

乗り出し価格

乗り出し価格

26.66万円

価格帯 20.86~31.87万円

Webike バイク選びで 新車・中古車を探す
WEBヤングマシン|最新バイク情報