’21年6月30日、公明党オートバイ議員懇話会(北側一雄会長・伊藤渉顧問)/全国オートバイ協同組合連合会(以下AJ・大村直幸会長)/オートバイ政治連盟(吉田純一会長)による座談会が開催され、バイク駐車場問題も取り上げられた(本文中敬称略)。
●文:ヤングマシン編集部(田中淳磨)
「駐車違反を緩和するか駐車場を作るかのどちらかであるべき」
話は駐車場法の改正(’06年)時にさかのぼった。
吉田「北側先生が国土交通大臣の時に2輪駐車の取締りが始まって、先生とは地元で知り合いだったものですから『2輪駐車場の法律がないのに、コレどうにかならないの?』という話をし、たった1週間で今の2輪を含めた駐車場法を作っていただきました(法改正)。大阪市で附置義務条例ができたことも、すべて公明党の尽力によるもの。他の地方にも附置義務条例を作っていただき、どんどん駐車場ができていったらいいなと思います」
初代AJ会長だった吉田氏はこのように話し、駐車場法改正などバイク駐車環境の法的な整備において、国と地方の両方で公明党の貢献が大きかったことを語った。
大村「駐車場問題は地域の問題で、首長である市長や知事の判断が大きく影響してくると思います。バイクにとって本当に大きな問題で、これからは高齢化社会を含めたコミューター類の位置付けや利活用にも関係します。国土交通大臣を歴任している公明党には期待しています」
北側「軽自動車や二輪車は、地方へ行けば行くほど経済活動や生活の足になっています。駐車違反を緩和するのか、駐車場をしっかり作っていくのかのどちらかでなければいけない。これからも、東京都のような都市部はもちろん、ある一定の大きさの建物については2輪駐車場を義務として設置していくような条例を実現できるよう取り組みたいと思います」
吉田「法律というのは、うまく利用すれば改正もまたできるんじゃないのかなと。『駐車場もないのにバイクをずっと取り締まるのもいかがなものか』とどこかで言えるんじゃないかという気もします。それにお知恵を貸していただけけたらと思います」
大村「こまごま駐車場を増やしてくれというレベルではもうダメで、一度立ち止まって会議体を持つことから始めて、改めて検討してもらえるような状況を作らないと大きな変革はないでしょうし、そのうちに『昔バイクってあったよね?』みたいな話になりかねない。大きなバイクは残ると思いますが、国民の足とは遠い話。やっぱり小さなバイクがしっかり使われて、そこから大きなバイクに乗る人が増えていくことが重要です」
吉田「今までバイクで買い物に出ていた人が、駐車場がないからクルマで行くと言う…。脱炭素って言ってるのだから、もっと考えてもらわないと」
バイクの路上駐車が社会問題となり駐車場法が改正されてなお、バイクの駐車場は足りていない。バイクの駐車環境を改善してきた3者の今後に注目したい。
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