ロイヤルエンフィールドは本国インドにて、新エンジン&新フレームとなった新生「クラシック350」を発表した。まったく新しいのにレトロ極まるこのマシン、単色/ツートーンのラインナップにシングル/2チャンネルABSを組み合わせ、現地価格は18万4374ルピー~21万5118ルピー。日本への導入にも期待!
オールニューのクラシック350は“Jプラットフォーム”で新生
第2次世界大戦後のG2モデルにインスパイアされて誕生したクラシックシリーズの最新作“クラシック350”は、2021年に発表されたニューモデルであっても独自の伝統と職人技を継承する。ベースとなっているのは約1年前に発表されたメテオ350で、その基本構成は“Jプラットフォーム”を名付けられた。
ロイヤルエンフィールドが正式発表した新型クラシック350は、タイムレスクラシック(Timeless Classic)を掲げて刷新されたニューモデル。メッキ処理と曲線美にあふれたフェンダーやティアドロップ型の燃料タンクを持ち、まつ毛のようなひさしが特徴的なキャスケットヘッドランプ、エンジンの佇まいやマフラーの形状に至るまで、ロイヤルエンフィールドらしいクラシックの世界を体現している。
エンジンは従来型とは完全に異なるが、ロイヤルエンフィールドが持つ鼓動のリズムは忠実に守っているという。またアップライトなライディングポジションもクラシックの文法に則ったもので、大径ディスクブレーキなどを組み合わせて必要な制動力を得ているほか、快適性も追求した。フロントフォークは正立式でφ41mm/トラベル130mm、ツインで装着されるリヤショックは、6段階のプリロード調整が可能だ。
車体色はなんと11色もあり、クラシカルなツートーン/単色モデルにはスポークホイールが、そして現代的なステルスブラック&ガンメタルグレーの2色にはキャストホイールが組み合わせてある。シングルチャンネルABSの単色モデルとデュアルチャンネルABSのツートーン/単色があり、いちばん参考になりそうな英国価格では4439ポンド~(日本円換算約68万4000円~)となっている。
ニードル式のメーターの下には控えめなLCDディスプレイがあり、USB充電ポートはハンドルバー下にマウントされる。また、クロームレッドおよびクロームブロンズの2車では、スマートフォン接続によりターンバイターンのナビゲーションも利用可能。
日本への導入などについては全くの未発表だが、ベースモデルのメテオ350は導入確実であることから、こちらも可能性は高そうだ。
ROYAL ENFIELD CLASSIC 350[2022 model]
主要諸元■全長2145 全幅785 全高1090 最低地上高170 軸距1390 シート高805(各mm) 車重195kg(装備)■空冷4ストローク単気筒 349cc 内径×行程[72×85.8mm] 圧縮比9.5 最高出力20.2ps/6100rpm 最大トルク2.75kg-m/4000rpm 変速機5段 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=100/90-19 R=120/80-18 ●色:11色 ※諸元はインド仕様
デュアルチャンネルABS
シングルチャンネルABS
ロイヤルエンフィールドのクラシックってどんなバイク?
国内現行車のロイヤルエンフィールド・クラシックは、空冷単気筒499ccの“クラシック500”のみ。すでに流通在庫のみという噂だが、現代にあってリアルクラシックの味わいを持つ貴重な1台だ。エンジンは84×90mmのロングストローク設定で、2008年にトランスミッションの一体化やアルミシリンダー最小、燃料供給のFI化などでバージョンアップしている。そんなクラシック500のインプレッションを、簡単ではあるがお届けしたい。
もちろん……といっていいのか振動はかなり大きく、SR400も大したことないと感じてしまうほど。初代XT500やバランサーのなかった時代のKTM・LC4などが比較対象になるだろうが、パワーやレスポンスを追求していないぶん、振幅は大きくとも、カドの取れたまろやかなバイブレーションに感じられる。
トルクはさすが500といった感じで、重めのクラッチレバーをラフに操作しても発進加速ではグイグイと前に進む。回したところで振動が増えるだけなので、美味しい領域を味わいながら節度あるペースで走るのがイイ。そして、この80km/hにも満たない領域の『ストンストンストン』という鼓動感に包まれながら流すような走りの気持ちよさったらないのである。
50km/hにも達すると、大径の鉄製リムによりホイールは慣性重量が強く感じられる。バイクを傾けようとすればジャイロ的な抵抗があり、ブレーキも重たい弾み車を止めるような感じで、レスポンスのいい制動なんてものとは無縁だ。それでも、これでいーのだと思わせる気持ちよさがあるからたまらない。フォローしておくと、重さは安定感につながるし、2018年型でABSを採用しており制動力そのものも十分にある。
ライディングポジションも独特だ。殿様乗りの直立したポジションに前方+高めのステップ。シートはどっかりと座れて、まるで座布団である。前19/後18インチのホイールに細身のタイヤを履き、インドに多い未舗装路でも快適に走れるだろう。
まあ、たしかに万人にオススメできるとは決して言えないが、“こういうの”が好きなライダーにはたまらないバイクなのだ。
「時間軸にとらわれない“タイムレスクラシック”とは、どんな時代にも適応するということでもある」と謳う新生クラシック350は、いったいどんな乗り味に仕上がっているのだろうか。日本への導入が待ち遠しくてならない。
【動画】オールニュー・クラシック350
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
来たるハイネスCB350の強力な対抗馬 インドを本拠とする老舗ブランド・ロイヤルエンフィールドが、空油冷349cc単気筒を積む新作ネオクラシック「メテオ」を発表した。クルーザー風の車体に、イージーさを[…]
創業120年の歴史から生まれた、バイクらしさが詰まったトラディショナル イギリスに拠点を置いていたロイヤルエンフィールドが、バイク製造の分野に進出したのは1901年ことだ。現在も名を残すブランドとして[…]
クリップオンハンドルとバックステップを組み合わせたカフェレーサーの王道スタイル 2021年3月、東京都杉並区にショールームをオープンし、その知名度とシェアを着々と広げているブランドがロイヤルエンフィー[…]
ロイヤルエンフィールドがラインナップするデュアルパーパスモデルが「HIMALAYAN」だ。少し前まで、カタカナ表記の時は「ヒマラヤン」とされていたが、現在は「ヒマラヤ」で統一されている。 アンケートや[…]
ロイヤルエンフィールドに感じる究極のレトロな味 英国発祥ながら、現在はインドメーカーのロイヤルエンフィールド(以下RE)。現在は「クラシック」「バレット」の2タイプで展開されるレトロ系は、本国だと35[…]
最新の記事
- カワサキ新型モデル「ニンジャ1100SX」登場! 排気量アップで新生、ブレンボ&オーリンズのSEも同時デビュー
- 黒玉虫とグリーンボール! カワサキ「Z650RS」の2025年もモデルが10月1日発売
- カワサキ「ヴェルシス650」新グラフィックで10/1発売! 可動ウインドシールドやトラコン、スマホ接続も装備するミドルツアラー
- 電子制御シフト搭載! クラッチ操作も不要のヤマハ新型「MT-09 Y-AMT」9月30日に発売
- 「小椋藍と中上貴晶 それぞれの“最後の”日本GP、マニアックすぎない見どころ紹介」【ノブ青木の上毛グランプリ新聞 Vol.17】
- 1
- 2