’18年にフルモデルチェンジしたホンダ フォルツァが、’21モデルで新開発eSP+エンジン搭載と合わせてスタイリングを刷新し、さらに快適性や利便性を高める仕様変更を実施した。スマートキーと連動した純正アクセサリーのトップボックスを用意するなど、充実装備で魅力度アップ!
●文:大屋雄一 ●写真:冨樫秀明 ●外部リンク:ホンダ
微振動が減少してより上質に。優秀な操安性を受け継ぐ
’13年からヨーロッパなどで販売されているフォルツァ300が’21モデルで350に進化したのを受け、日本国内向け250cc版もeSP+エンジンへの変更やスタイリングの見直しなど、ほぼ同じ内容のモデルチェンジが施された。
この新設計eSP+エンジン、最高出力が前作と同じ23psなので油断していたが、いざ乗ってみると微振動の少なさに驚いた。先代も軽二輪クラスの他のスクーターと比べて振動の少なさが際立っていたが、新型はアイドリングから加減速時に至るまで、全域で上質なフィーリングになっている。これはバランサーの追加をはじめ、フリクションロスを低減するための各種技術が効いているに違いない。
動力性能そのものは、あくまでも記憶の中での比較となるが、先代と大きく変わらない。100km/h巡航時の回転数は6000rpmで、そこに至るまでの加速に一切のストレスを感じない。スロットルを大きく開ければ発進加速は力強く、その一方で右手の細かな動きに対するレスポンスもなかなかに忠実。軽二輪スクーター用のエンジンとして極めて優秀と言えよう。
ハンドリングは、フレームの一部を新設計としたり、燃料タンクとラジエターの前後位置を入れ替えるなど、見えない部分での変更は大きいが、基本的な印象は先代と大差がなく、非常に扱いやすい。前後のタイヤが吸い付いているかのような高い接地感と、優れた直進安定性。どんな操縦でも自然と向きを変える旋回性など、ビッグスクーターのお手本のような操安性を実現している。ブレーキもコントローラブルであり、ABSの介入も適切だ。
電動式可動スクリーンは、可動範囲が140→180mmとなり、ハイポジションでの高さが40mmアップした。これによる効果は絶大で、明らかに快適性が向上している。ただし、風切り音がゼロになるまでスクリーンを上げると、ヘルメットを後方から押すような力が発生。これに耐えようと無意識に力を入れるため、長時間巡航していると首回りの筋肉が凝る原因に。付け加えると、ミラーは側方への張り出しが少ないためか、真後ろの視認性があまりいいとは言えず、後方を確認するたびに無意識に首を動かしていた。これも凝りの要因になっていたようだ。
利便性では、フルフェイスが2個入るシート下収納スペースへの照明設置は今回も見送られたが、グローブボックスの電源ソケット(12V/2A)がUSBタイプC(5V/3A以下)に変更されたり、スマートキーに連動して解錠できるトップボックスを用意するなど、着実に進化している。安心のトラクションコントロールも引き続き採用しており、これで本体価格の据え置きは立派だ。
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