
バイクのカスタムは楽しい! ……けれど、相応にコストがかかる。そこでネットオークションやフリマアプリで“中古パーツ”を活用している方も多いだろう。ただし、物によっては“高い勉強代”になってしまうことも少なくない。たとえば旧車やキャブレター車のチューンナップで人気の高い「FCRキャブレター」も、そんなパーツのひとつだ。
●文/写真:ライドハイ(伊藤康司)
その中古FCRキャブレター、本当にリーズナブル? 中古で買うと痛い目を見る可能性も……
そもそもFCRキャブレターは、純粋なレーシングパーツとして開発されていることを忘れてはいけない。だからメンテナンスの頻度や消耗パーツの定期交換のサイクルも短く、純正キャブレターよりずっと手間がかかるし、部品としての寿命も短い。
しかし、これは高性能と引き換えなので仕方のないトコロ。そして中古パーツの場合は、ドコがどれくらい傷んでいて、どれくらい寿命が残っているのかわからない……。
まず代表的なところではスロットルバルブの傷み。セットされる浮動バルブの摩耗やシールの劣化、それにベアリングローラーの作動状態は、操作感や性能に大きく影響する。
ちなみに、アイドリング中に“カチャカチャカチャ……”と音がするのがFCRキャブレターの特徴と思っているライダーも多いようだが、それはカン違い。これは浮動バルブやシールが傷んでガタツキが大きくなっているか、セッティングが出てない時の症状だ。
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