オフロードマシンでのツーリングの楽しみ方を提案し続ける『ゴー・ライド』誌の副編集長・コイ(以下、副編コイ)が、限りなく自然の状態にある露天風呂=野湯を目指して林道八ヶ岳周辺を走り山を歩き野湯を堪能した前編。 後編では、野湯を堪能した八ヶ岳周辺のさらなるダート林道を探索し、名所/グルメと駆け巡ったミニマム旅の様子をお届けするゾ!
●文:小泉裕子(ゴーライド副編集長) ●写真:関野温
旅こそ早起きは三文の徳!!
たかが1日、されど1日。季節によって日の出から日の入りまでの時間は一番長い時でだいたい14時間強、一番短い時でも10時間弱ある。たとえ短い時でも、日の出前から動き出せば、そのぶん太陽先輩の光を浴びながらの”お楽しみに使える時間”は増やせるのだ。
そんなわけで、今回のミニマム旅・林道温泉ツーリングも日の出前に長野県・八ヶ岳を目指して出発。野湯に向けて登山林道をオフロードマシンで走り、ちょっとした軽登山まで楽しみつつ、自然あふれる野湯をしっかりと堪能したのだが…。
そう、この充実したお時間を過ごした時点でまだ、時刻はしっかり午前中。昼飯前の林道&露天風呂を楽しんだ後に、ランチグルメを楽しみつつ周辺探索や林道探索と、1日をフルに使い楽しみ倒すお時間はまだたっぷりとあるのだ。まずは腹ごしらえをしてから探索開始。”早起きは三文の徳”とは、昔の人はいいことを言ったものだ。
信州特産のボリューミーなランチを堪能
林道探索前にしっかりと体力を回復させるために、信州福味鶏や信州福味噌をふんだんに使った食べ応えのある丼飯をランチにチョイス!! この店ではほかにも馬肉=さくら肉など長野県の特産物を使用したメニューがあり、いろいろ選べるのが嬉しい。
八ヶ岳周辺に眠るダート林道へ
八ヶ岳周辺には”八ヶ岳林道”という総称で呼ばれるいくつかの林道があるという。おそらく”八ヶ岳線〇〇林道”という名のお宝たちがいくつも眠っていると思われるのだが、昼飯を頬張りながら地図とにらめっこしつつ、目をつけていた八ヶ岳線”茨沢林道”へゴー・ライド!
茨沢林道
この林道はダート7〜8kmほどの完抜林道で、林道を西に走り抜けると県道480号に出ることができ、そのまま北上するとメルヘン街道(国道299号)にぶつかる。地図を頼りに林道入口を探しながら北上すると、突然左側にくるりとカーブを描いて森に続くダートが現れる。ダートが始まる入口そばの電柱に手書きで「茨沢林道」の看板があるのが目印なので、比較的入口がわかりやすい林道だ。
左に巻いたカーブから始まる茨沢林道に入っていくと、一気に左右から伸びた背の高い野草たちの洗礼を受ける。クルマなどが入った痕跡はあまり感じられなかったが、近くのホテルへの古い案内看板などがあり、そこへ続く支線もあった。
小さな小川で川ちゃぷタイム
しばらく進むと林道のすぐ横を流れる小川を発見した。ダート走行で汗ばんだ顔を冷えた川の水で洗うと、一気に疲れが吹き飛ぶ。気軽に川ちゃぷを楽しめる林道は、筆者的に本当に嬉しいかぎり。夏ならどっぷり川に浸かりたいが、せっかく野湯で温まったあとなので今回はお預けとした。
台風の爪痕を大きく残す
次々に雰囲気の変わる林道だが、路面状況はこぶし大の石や砂利石が主体で、場所によっては地面がまるで緑のじゅうたんのように覆われている場所もある。また、近年増えた台風による被害を受けており、倒木やちょっとした崖崩れの跡などがあった。
茨沢林道は、長野ならではの深い山の緑と濃厚な土の香りがあいまって、異次元の森に迷い込んだかのようなドキドキ感をつかのま味わえた林道だった。最終的に大きな落石のため通通行止めになっていたが、入って行けるところまででもピストンで充分楽しめたので大満足!! ぜひ開通時にはまた走りに行きたい。
名所でハシャギながら帰路へ
オンもオフも気軽に楽しめる、それがオフロードマシンの大きな魅力のひとつ。オフロード走行も最高に楽しいが、ふつうにツーリングとしてもめいっぱい楽しめるからオフ車乗りはやめられない!! というわけで、土と山と緑を堪能した後は、ふらふらと名所や不思議ポイントを訪れつつ、帰路につく。
そっとソロでやりたいことをやり尽くした今回のミニマム林道旅=林道温泉ツーリング。ぜひ自分だけのミニマム旅を構想して安全に楽しんでみて♪
JR鉄道最高地点
標高1375mの鉄道最高地点で幸せの鐘をかき鳴らし、鉄道最高地点神社で人類の平和を願った。
野辺山高原の牛だるま
高さが3mもある牧草ロールの像・通称「牛だるま」。春になると野辺山高原や南牧村の国道141号沿いなどに出没し始め、冬は雪だるまへと姿を変えるという。かわいい。
国立天文台 野辺山宇宙電波観測所
JR鉄道最高地点から3km行ったところに位置する「国立天文台 野辺山宇宙電波観測所」。ここは”ミリ波”と呼ばれる電波を観測できる、電波望遠鏡では世界最大の口径を持つ45m電波望遠鏡を備える。太陽電波強度偏波計などの観測装置が設置され、宇宙に関わるさまざまなテーマの研究を進めているのだ。ズラリと立ち並ぶミリ波干渉計に、最高にロマンを感じること間違いなしッ。
八ヶ岳高原大橋
川俣川渓谷にかかる高さ100m/全長490mの通称「黄色い橋」と呼ばれる八ヶ岳高原大橋を渡り、横目に映る八ヶ岳の雄大な姿に感動する。あまりの気持ちよさにUターンして3回渡り倒した。衝動に素直に従う、これもすべて旅の醍醐味なのだ。
標高1000mを超える野辺山高原を走る小海線
「八ヶ岳高原線」の愛称で親しまれる山梨県北杜市の小淵沢駅から長野県小諸市の小諸駅までを結ぶJR小海線沿線には、線路のすぐ横を走るちょっとしたダート路もある。愛車とともに鉄道をゆっくりと眺めることができるので、ぜひ探してみて!!
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