国内モデルのデイタイムランニングライト第1号!

祝認可! DRL+オートライト初採用のホンダ新型「X-ADV」国内仕様登場、3/25発売


●文:ヤングマシン編集部 ●写真:本田技研工業

ホンダは、並列2気筒745ccエンジンを搭載するビッグSUVスクーター「X-ADV」をフルモデルチェンジし、2021年モデルとして発売する。欧州等で先行発表されていたものだが、規制によって日本では今まで採用できなかった“初物”が搭載されている。2020年から国内でも合法となったデイタイムランニングライト(DRL)だ。

スクーターとアドベンチャーを掛け合わせた個性派クロスオーバー

ホンダは、NC750系エンジンを搭載する大型SUVスクーター「X-ADV」をフルモデルチェンジし、2021年モデルとして発売する。登場以来初のビッグチェンジとなり、スタイリングはより鋭くスリム、かつアグレッシブな造形へと進化。特に切れ上がった2眼とデイタイムランニングライト(DRL)+多灯LEDが織りなす顔は鮮烈だ。

そして、このDRLの採用は、国産バイクの国内仕様として初。というのも、2020年9月下旬からDRL=昼間走行灯が日本国内でも認可されるようになったからだ。DRLはその名の通り日中の被視認性を高める専用ライトで、欧州では’11年から義務化。現地メーカーはデザインの一部として組み込んでおり、眉毛状やリングなど印象的な光で個性を主張している。だがDRLを採用した海外モデル(日本車、それ以外ともに)は、日本では減光調整されポジションランプとして扱われてきた。国内も4輪は2016年10月から合法となったが、バイクでは認可されておらず、“解禁”を求める声が多かったという経緯がある。

左がデイタイムランニングライト、右はヘッドライトがONになった状態だ。DRLはLEDの面発光としたほか、ヘッドライト左右上方に配された車名ロゴを常時発光させて存在感を強めている。

日本では1998年からバイクのヘッドライト(前照灯)常時点灯が義務化されたが、今後はヘッドライトかDRLのいずれかを常時点灯させればOK。ただし、DRLとヘッドライトの同時点灯は違法となるため、DRL採用車両に対しては、周囲の明るさに合わせて自動でいずれかを点灯させるシステム=オートライトの装着が義務化されている。

というわけで、他にもDRL採用の国産車は続々登場が期待されるが、まずはその第1号としてX-ADVが2021年3月25日に発売されるのだ。DRLの輝度は、従来のポジション灯扱いだったものの300カンデラから、本来の明るさである400~1200カンデラとなる。オートライトの利便性と併せて、ぜひ体感してみたい機能だ。

パワーユニットは最高出力向上と環境性能を両立

新型X-ADVは、パワーユニット/フレームともに大きな変更を受けた。エンジンはピストン裏面の肉抜きや、クランクシャフトのカウンターウェイトの最適化、バランサー軸径の見直しなどにより、単体重量で1.4kgの軽量化を達成。吸気抵抗の低減やスロットルボアをφ36→φ38mmとすることで、最高出力の向上と力強いエンジンフィールを実現した。ギヤレシオは4~6速を最適化し、加速フィーリングの燃費の向上に寄与している。

フレームはスチール製パイプで構成される、新設計のタイヤモンド式。フレーム単体で約1kgの軽量化を達成しつつ、向上したエンジン出力とあいまって、より軽快な運動性能を獲得した。また、フレーム形状の変更により、シート下ラゲッジスペースは22Lに容量を拡大。ラゲッジライトとUSBソケットは標準装備
だ。

裏面を肉抜きされたピストン。軽量化により往復部の慣性力を低減し、高回転化に寄与している。スカートにはコーティングも。

スチール製パイプを主な構成材としたダイヤモンドフレームは、新たに設計し直されて単体重量では約1kgの軽量化を達成。

レッドゾーン入り口を従来モデルの6400rpmから7000rpmへと引き上げ、最高出力は4ps向上した58ps/6750rpmに。ほぼ全域で従来モデルを上回るパフォーマンスだ。

電子制御は、5パターンのライディングモードを用意。新採用したスロットルバイワイヤシステム(TBW)を軸に、エンジン出力、ホンダセレクタブルトルクコントロール、エンジンブレーキ、ATモード選択時のシフトスケジュールの各制御レベルを組み合わせることで、さまざまなシーンで好みの走行フィーリングを任意に選択できる。兄弟車のNC750Xにはない、オフロード対応の“グラベル”モードが用意されるのも頼もしい。

ハンドルバーはオフロードバイクに定番のテーパーバーを採用。5インチカラーTFTメーターは、機能/情報別に表示エリアを分けることで豊富な情報を直感的に把握しやすいレイアウトとした。表示パターンは4つあり、背景色は昼間と夜間で切り替わる。スマートキーやオートキャンセルウインカー、ハザードランプの高速点滅で急制動をいち早く後続車に知らせる“エマージェンシーストップシグナル”も標準採用されている。

ライディングポジションは、キビキビとした加減速に対応するだけでなく、フラットダートでも振り回しやすい設定に。シート高は従来型から不変ながらもシート前部の幅をスリム化するなど形状の変更を受けて足着き性は向上している。高さと角度をリンク式で調整可能なウインドスクリーンは、調整幅を上下で135mmとした。

ホンダスマートフォンボイスコントロールシステム(HSVCS)も新たに採用し、スマホとブルートゥース接続することで、音声入力が可能に。液晶メーターは4インチTFTフルカラー液晶で、速度計、回転計、燃料計はライダーの好みで4パターンのグラフィックに切り替えられる。ETC2.0車載器およびグリップヒーターは標準装備。

カラーバリエーションはグレー、ブラックの2色で、価格はともに132万円となる。

135mmの幅で調整できるスクリーン。リンク式を採用することで、高さだけでなく角度も変化する。

シート下ラゲッジスペース容量は従来比1L増量の22Lに。ヘルメットも収納可能。

ラゲッジスペースを照らすラゲッジライトとUSBタイプCソケットを標準装備。

シート高は従来と変わらない790mmだが、シート形状変更で足着き性は向上している。

スマートフォン接続機能『HSVCS』システム図。音声入力と手元スイッチでナビ等を操作可能。

HONDA X-ADV[2021 model]

【HONDA X-ADV[2021 model]】主要諸元■全長2200 全幅940 全高1340 軸距1580 シート高790(各mm) 車重236kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 745cc 58ps/6750rpm 7.0kg-m/4750rpm 電子制御式6段変速DCT 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=120/70R17 R=160/60R15 ●価格:132万円 ●色:灰、黒 ●発売日:2021年3月25日

HONDA X-ADV[2021 model]パールディープマッドグレー

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