セローに続き、44年目で歴史に終幕

ついに最後…! ヤマハ「SR400ファイナルエディション」伝説の最後に1000台限定車も登場

ヤマハは、1978年に初代モデルが登場し、43年の歴史を紡いできた空冷2バルブ単気筒のリアルクラシック、SR400のファイナルエディションを発表した。職人の手によるサンバースト塗装を施した1000台限定の「SR400 Final Edition Limited」も同時発売される。

車両別アーカイブ:SR400

ぼかし塗装“サンバースト”のファイナルエディションリミテッドや、懐かしいツートーンも登場

ヤマハ「SR400」がついに最終モデルに! そんな噂が駆け巡ったとき、やはりユーロ5への適合など諸々のアップデートを施しながら空冷2バルブの単気筒エンジンが生き残るのは難しいのか……と残念に思ったファンも多かったことだろう。そして噂の通り、ヤマハは「SR400 Final Edition」を発表した。

ボア×ストローク[87.0×67.2mm]の399ccビッグシングルを搭載するSR400は、1978年に兄弟車のSR500とともに発売され、43年にわたってロングセラーを続けてきた、本物のクラシックモデル。デコンプレバーを引きながらクランクの位置を合わせ、焦らず確実にクランク回転を増していくように体重をかけて蹴り込む……といったキックスターターによるエンジン始動は、現代では他にない“目覚めの儀式”を体験させてくれる機構だ。FI時代になって格段に始動性は改善されたが、「一発始動できる」という満足感にひたれるのはオーナーの特権とも言える。

空冷、単気筒、キックスターター。機械と人間のシンプルな関係性が心地好い。これが失われてしまうのか……。

そんな生ける伝説、SR400が終焉を迎えてしまう。2020年も400ccクラスで販売台数は僅差の2位であり、まだまだ人気のある車種だけに惜しいと感じるファンは多いだろう。

ヤマハはこの最終モデルに至った理由を「今後施行されるさまざまな規制に対応していないため」としている。ひとつはABS非装着車が2021年10月までしか生産できないこと、そしてもうひとつは2022年10月以降は平成32年排出ガス規制(ほぼユーロ5相当)への適合が必須項目となることだ。2020年のセロー250に続く、ヤマハの象徴的なバイクがまた1台、消えてゆく……。

残念ではあるが、このファイナルエディションには最後の花道を飾るにふさわしい魅力的な限定車も用意される。「SR400 Final Edition Limited」は、多くの歴代SRファンに愛されてきた“ブラック”を採用。職人の手作業によるサンバースト塗装を施した燃料タンク、シリアルナンバー入り電鋳エンブレム、真鍮製音叉エンブレム、本革調シート、新色アルマイトのホイールリム、“Final Edition”を記した黒い文字盤のメーターなどを装備し、SR400の有終の美を飾る、ヤマハのモノ創りを集結させたモデルだ。

また、標準仕様ともいえる「SR400 Final Edition」には、歴代モデルを彷彿とさせるシンプルなグラフィックパターンの“ダークグレー”と、ブラウンのシートを組み合わせた“ブルー”の2色をラインナップする。

“リミテッド”はYSP店とアドバンスディーラーの専売となるエクスクルーシブモデルとされ、限定1000台で発売される。後者の標準仕様はヤマハの正規取扱店で広く販売されるので安心だ。発売日は2021年3月15日、価格は“リミテッド”が74万8000円、標準仕様が60万5000円。

ちなみに、国内向けはこれで最後になるが、タイではSR400が生き残るという。それもいつまで生産が続くかはわからないが、復活の望みを託すことはできるのだろうか……。

シンプル&アイコニックなカラーリングが施されたファイナルエディション(標準仕様)。往年のXS650スペシャルなどをイメージしたブルー(ダルパープリッシュブルーメタリックX)はサイドカバーに、1983年式あたりのSR400/500をモチーフとしたダークグレーメタリックNは燃料タンクに“Final Edition”の文字が入る。

【YAMAHA SR400 Final Edition / Limited[2021 model]】主要諸元■全長2085 全幅750 全高1100 軸距1410 シート高790(各mm) 車重175kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 399cc ボア×ストローク87.0×67.2mm 圧縮比8.5:1 最高出力24ps/6500rpm 最大トルク2.9kg-m/3000rpm 始動方式キック 変速機5段 燃料タンク容量12L■キャスター角27°40′ トレール111mm タイヤサイズF=90/100-18 R=110/90-18 ●価格:60万5000円/リミテッド=74万8000円 ●色:灰、青、黒(リミテッド) ●発売日:2021年3月15日

ヤマハ SR400の歴史をざっくり振り返る

SR400は、1978年にストローク違いの兄弟車・SR500と共に誕生した。ビッグオフローダー・XT500のロードスポーツ版という位置づけだったが、1985年に前輪の19→18インチ化、フロントブレーキのドラム化などでビンテージ路線へ。2001年には排ガス規制に対応しつつ再びディスク化(500はここで消滅)した。2008年に諸々の規制適合などを理由に一度生産を中断するも、2010年にFI化し復活。2018年には小改良でユーロ4にも適合していた。

[1978]初出はロード版XT

[1985]ドラムブレーキ化

[2001]再びディスクに

[2010]キャブ→FI化

サンバースト車は1984年に初登場

1984年の初登場以来、限定サンバーストは1995/2003/2008/2018年に登場。今回のリミテッドで6度目となる。

[1984]SR400 発売7周年記念モデル

[1995]SR400Sスペシャルエディション

YAMAHA SR400 Final Edition Limited[2021 model]

ファイナルの本命と言えそうなリミテッドは専用装備を満載。特にサンバースト塗装は過去に5回も限定車に採用された、SRのラストにふさわしいグラフィックだ。なお、このリミテッドはYZF-R1やテネレ700と同様のエクスクルーシブモデルとして、YSP店(リニューアル中の店舗含む)とアドバンスディーラーの専売機種となる。

YAMAHA SR400 Final Edition Limited[2021 model]ヤマハブラック

YAMAHA SR400 Final Edition Limited[2021 model]ヤマハブラック

YAMAHA SR400 Final Edition Limited[2021 model]ヤマハブラック

YAMAHA SR400 Final Edition Limited[2021 model]ヤマハブラック

職人が手作業で塗り上げるサンバースト塗装を採用。リミテッドでは黒を基調に、タンク側面にブラウン系のグラデーションが入る。音叉エンブレムは専用の真鍮製だ。

ホワイトメーターの通常モデルに対し、専用のブラック文字盤を採用。タコメーターはFinal Editionの文字入りだ。

前後リムはアルマイト処理でカッパーブラウンに彩色。この色もリミテッド用の新色だ。

サイドカバーのエンブレムは電鋳立体の専用品。右側はシリアルNo. が入る。

シートには茶と黒の本革調表皮を採用。ステッチカラーもリミテッド専用色。

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]

ダークグレーメタリックN(ツートーン)、ダルパープリッシュブルーメタリックX(ブルー)の2色がラインナップされる標準仕様のファイナルエディション。

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]ダークグレーメタリックN

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]ダークグレーメタリックN

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]ダークグレーメタリックN

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]ダークグレーメタリックN

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]ダルパープリッシュブルーメタリックX

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]ダルパープリッシュブルーメタリックX

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]ダルパープリッシュブルーメタリックX

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]ダルパープリッシュブルーメタリックX

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]

YAMAHA SR400 Final Edition[2021 model]


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