●文:ヤングマシン編集部
電脳はR1譲り。気合いの全面改修で盟主は確実か?
軽量ハイパワーな3気筒ネイキッド・ヤマハMT-09が初の全面刷新を敢行した。’14年の登場以来人気を博している本作だが、近年は他メーカーの攻勢も激しい。そこで従来の個性を深化した”The Rodeo Master”をテーマに全身を磨き、再びライバルを突き放す。
【’21 YAMAHA MT-09】従来のサイバーな雰囲気を継承しつつ、一段と洗練さをアップ。先行して欧州仕様が発表されたが、’21年春の国内発売も告知済みだ。●予想価格:107万円前後 ●予想発売時期:’21年5月
心臓部は、ストロークを3.1mmアップし、従来から45cc増の890ccに到達。内部の動弁系パーツは多くが新設計され、最高出力は+3psの119psをマークする。さらに”MT(=マスター オブ トルク)”の名にふさわしく、低回転トルクは7%もの向上を果たした。
フレームは新作のCFアルミダイキャスト製デルタボックスを採用し、軽量化と剛性向上を両立した。サブフレームは鉄からアルミに、軽量のスイングアームやホイールも投入したことで、従来の車重193kg(日本仕様)に対し189kgにまで減量。600cc台の軽量モデルと同等の軽さを実現したのだ。
さらにYZF-R1譲りの6軸IMU(慣性センサー)を搭載し、スライド制御など多彩な電子制御サポートを追加したほか、トータルでの制御が可能に。クイックシフターは従来アップのみ対応だったが、上下対応となった。
フルカラー液晶メーターも手に入れ、デザインも最新版にアップデート。まさに新型MT-09は隙のない完成度を誇る。予想国内発売時期は’21年5月。価格面にも期待だ。
カバー類を極力減らしたシンプルな造形によって構造体を魅せるデザインが特徴。特にタンク周辺のラインが滑らかで、空気の流れや音の波を想起させる。
灯火類は全てLEDでミニマムな設計。エンジンや張り出したタンクが一層際立つ造形だ。前後ライトはヤマハの”Y”字形状を採用した。
【欧州仕様カラーバリエーション】欧州仕様の車体色は3タイプ。ヤマハブルーにツヤ消し灰を配したメタリック青、赤ホイールと各部のグラフィックが印象的なダークグレー、ツヤ消しの渋いブラックを用意する。
【際立つマスの集中感】’20年式(左)と’21年式(右)を比較。超小型ヘッドライトやエンジン腹下に収めたマフラーなど各パーツをエンジン付近に凝縮している。さらに軸間距離を10mm短縮しており、俊敏な走りに期待が膨らむ。
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【’20 YAMAHA MT-09】前モデルは新生MTシリーズ第1弾として、’14年に完全新設計で投入された意欲作。トルクフルな3気筒とモタード的な車体の過激な走りに、80万円台という控えめな価格で大反響を呼んだ。’16でトラコンを採用。’17でデザインを変更し、2眼フルLEDに進化した。
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