●文:ヤングマシン編集部(谷田貝洋暁) ●写真:真弓悟史
ジェームズ・ボンドがスクリーン狭しと大活躍する大人気スパイ映画『007』シリーズ。その25作目となる最新作に、トライアンフの「スクランブラー1200XE」が登場する! しかも劇用車は外装を変えただけで、中身はXEそのまんまとのこと。乗れば気分はジェームズ・ボンド!?
サスペンションの減衰調整機能でキャラクターが激変!
トライアンフのクラシックシリーズに属する「スクランブラー1200XE」。モダンクラシック系のモデルの足だけ長くしたところで、オフロード走行とかありえないだろ? 筆者は乗るまではそう思っていた。いや、実際乗ってみてからも、「こいつでダートはちょっと手強いなぁ」というのがファーストインプレッションだったのだ。
高速道路でクルーズコントロールも試したし、ワインディングも走ってみたが、やっぱりロードバイクの寄りのキャラクターが強い印象を受ける。むしろ、他のクラシックモデルよりも、高い視点とコントロール性のいいワイドなハンドルのおかげで、ワインディングを攻めてもけっこう楽しい。そんな感触を得たくらいだ。
しかし、である。227kgの車体でオフロード走行となると話が変わってくる。いくら21インチホイールを履いていたってねぇ…。とりあえず、取扱説明書にオフロード走行時の減衰力セッティングの指標を見つけて(しかもソフトとハードの2種類がある!)、前後のサスペンションセッティングを変えてみる。…と、あら不思議! 途端に足が動き出すじゃない!?
それまでグリップを感じにくかったリヤタイヤが、途端に路面を掴むようになった。今回のステージはフラットダートと林道のみだったが、タイヤをブロックタイプにすれば、さらにハードルの高いステージでも遊べそうな雰囲気。確かに1200ccのパラツインエンジンのドッカンパワーは、すぐに地面をかきむしるが、270度クランクの歯切れのいいパワーはコントロールしやすく、4000回転以下で最大トルクを発揮する特性も、ダートでそのキャラクターを引き出しやすい。ズバッと瞬間的にパワードリフトさせるなら、このくらいのパワフル感が逆にちょうどいいのだ。
実際、重量級のアドベンチャーモデルが相手なら、リヤを右へ左へ派手にスライドさせながら、後ろから突き回せるくらいの走りは十分できそうである。しかもミラーに映るシルエットは丸目のクラシック系マシンなのだから、それはそれは恐ろしいハズだ。
スクランブラー1200XEがダートに強いヒミツ
フロント21インチのチューブレススポークを採用するなど、アドベンチャーモデルに劣らぬ装備が奢られたスクランブラー1200シリーズ。走ってみるとXEはかなり本気でオフロード性能を追求していることがわかった。腕に覚えがあれば、ダートの上でかなり自由自在に操れるハズだ。
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