●文:ライドハイ編集部(根本健)
ニュージーランドの情熱家、天才エンジニア、常識破り。彼の名はジョン・ブリッテン。何か趣味をやっていないと息が詰まる……カスタムバイク創りに手を染めたことが彼の運命を大きく変えたのだった。
最新MotoGPマシンにも似たフォルム。当時は未来すぎて違和感を覚えた人も多かった
彼の名はジョン・ブリッテン。モーターサイクルメーカーに従事したこともなく、レース界に身を置いていたワケでもない。ニュージーランドのクライストチャーチにある自宅に、厩舎の一部を改造したジョンの趣味のためのワークショップがあった。毎夜遅い時間まで灯をつけて作業をしていたので、家路で近所を通るバイク好きが何事だろうと顔を出すようになり、次第に仲間が増えていったという。
彼は自ら設計したオリジナルに着手、当然ながらその60°Vツインのエンジンはクランクケースの鋳物から全て手造りと、業界の常識からすれば途方もないというか無謀扱いされても不思議はない。
車体や足周りにホイールのカーボンコンポジットも、欠かせない専用の電気窯を自宅に据え付けるという発想も常人離れしている。
気筒辺り4バルブのDOHC、98.9mmの巨大なボアと65.0mmのストロークで998.7ccから166hp/11800rpmは当時最強のパワートレーン。さすがに初めてならではのトラブルも経験したものの、その後は耐久性さえ立証する堅実さで人々を驚かせていた。
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