自転車業界のようにバイク業界も動くべき
新型コロナ禍にあって、電車やバスといった密になりやすい公共交通を避け、自転車で移動する人が増えているという。また、国土交通省ほか国の省庁も自転車通勤/通学を促進すべく、自転車専用通行帯等の整備やシェアサイクルの拡大といった施策のほか、有識者会議が盛んに行われている。
では、バイクの活用についてはどうだろうか。2輪業界では、駐輪/駐車規制緩和の声は聞かれたものの、実に静かで動きが見えてこない。緊急事態宣言下を含めて新型コロナ禍以降バイク事故が増えているからだろうか。とはいえパーソナルモビリティとしての有用性は変わるものではなく、むしろ自転車同様の理由で高まっていると言える。
予約制の時間貸し駐車場を運営するakippa(アキッパ)株式会社広報グループの森村優香氏に、新型コロナ禍における「通勤/通学目的の予約状況」について尋ねた。北海道など国内でも感染者数が増え出した2月を1として、3月から8月までの予約数を見てみると、8月に至るまで、バイク保有台数ベスト3の大阪府(3位)、東京都(1位)、神奈川県(2位)、さらには全体(全国)で見ても予約は増加傾向にあることがわかった。特に、神奈川県では緊急事態宣言解除後の6月に約3.1倍も伸びていた。全国でも、8月に1.6倍を記録し増え続けている。
通勤/通学でバイクを利用している人の数は間違いなく増えている。こうした事実を踏まえて、自転車同様に新型コロナ禍におけるバイクの駐車環境を改善していくことが今求められているのではないか。akippa契約駐車場のオーナーからは「バイク駐車場はあまりないので、バイクも使えるように貸し出したい」「1車室にバイク2台を停めてもらえるようにできないか」といった声も寄せられている(森村氏談)。こうした事実をぜひ多くの業界関係者に知ってほしい。
●取材・文:コンサルタント 田中淳磨(輪) ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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