待ちに待ったカワサキ ニンジャZX-25Rの試乗機会がやってきた。大分県はオートポリスに飛んだヤングマシンメインテスター・丸山浩が、公道とサーキットを2日間にわたって走行。本記事では電子制御システムと足まわりについてのインプレッションをお届けする。
上寄りのパワーバンドに面食らう、久々のこの感じ 今回はオートポリスの周辺にある大観峰やミルクロードといった絶好ロケーション公道試乗も予定に組まれていた。サーキットだけだと、どうしてもレース向きな直4の[…]
カワサキトラクションコントロール:クラス初装備、使える3段階の切り替え+OFF
ZX-25Rは、250ccモデルで初めてトラクションコントロールシステムを搭載。大型スーパースポーツのようなIMU(慣性測定装置)こそ持たないが、路面に対するシャーシの向きを予測して動的解析を行うことで、コーナーの傾き/勾配などに適応したトラクション制御が可能だ。モードは3段階+OFF。もっとも介入度の高い”モード3″で未舗装路を走行してみたところ、リヤタイヤの空転をしっかり抑制してくれたので、雨天など路面状況の悪いストリートでライダーの助けになるだろう。より介入が少ない”モード2″は、ワインディングや経験の少ない方のサーキット走行に。最もスポーツライドに適した”モード1″は主にサーキットのスポーツ走行に。コーナリングスピード重視のライディング&ベストラインを探求するツールとしても有効だ。なお、トラクションコントロールOFFは自在にスライドコントロールできる人限定にて。
パワーモード:ハイ/ローで明確なパワー差を体感
フルパワー/ローパワーの2種類が選択可能なパワーモード切替機能も装備。直4エンジンのパフォーマンスを楽しむなら、もちろんフルパワーモードで。路面が悪い時やちょっと疲れた場合などはローパワーを選べば、エンジン回転数/スロットルポジション/ギヤポジションに応じて、出力とスロットルレスポンスの両方を引き下げてくれる。とはいえ、疲れたらまずは休憩が先決。路面状況などに合わせてうまく使い分けたい。
カワサキクイックシフター:サーキットでも公道でも使える新装備
こちらも250ccクラス初装備(SE標準/STDオプション)。数日遅れて発売された新型CBR250RRにもオプション設定されたが、ZX-25Rが先だ。シフトアップ時はペダルの操作を検知し点火/燃料カットで、シフトダウン時はオートブリッピングでの回転数調整によりクラッチレスでのギヤチェンジが可能。ライドバイワイヤを搭載しているからこそ実現できるシステムだ。2500rpm以上で働くが、ストリートの常用域でもその回転に達するので、十分に実用的だ。
モノブロックキャリパー:制動力は十分。軽量化のためシングルに
ブレーキディスクは、ニンジャシリーズの大親分・ZX-14Rと同径のセミフローティングタイプ。キャリパーは対向4ピストンとすることで制動力を確保しつつ、高剛性なラジアルマウント+モノブロック構造により高いコントロール性を両立。またシングルディスクとすることで、フロントバネ下重量を低減して軽快なハンドリングにも寄与。メンテナンス性やランニングコストの面でもメリットだ。実際にサーキットでも十分な制動力だった。
SFF-BP&ホリゾンタルバックリンク:サスペンションにもZX-6R/10RのDNAが
フロントフォークはφ37mmの倒立タイプ。プリロードとダンピングの機構を左右別にしつつ、減衰力の高い大径ピストンを備えたSHOWA SFF-BPは、ZX-6Rも採用する上級サスペンションだ。その高性能はストリートからサーキットまで幅広いステージをカバー。リヤサスペンションはスイングアーム上方に寝かせてレイアウトすることでエキゾーストチャンバーの容積を確保し、マスの集中化にも貢献する。ガチガチではない味付けに好感が持てる。
●文:丸山浩 編集部 ●写真:真弓悟史 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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