軽二輪規格外の存在感&個性的な走り

スヴァルトピレン250 試乗インプレッション【250ccながら走りに余裕あり】

  • 2020/10/8
スヴァルトピレン250 試乗インプレッション【250ccながら走りに余裕あり】

ハスクバーナ・モーターサイクルズの「ピレン」シリーズに250ccの軽二輪モデルが登場。スクランブラースタイルに現行シリーズ唯一のキャストホイールを組み合わせる。軽二輪の枠を超えた存在感と個性的な走りを実現しながら、日本車並みに手を出しやすいプライスにも注目だ。

[◯] 兄弟車・デュークとは異なる走り。高速域では安定指向に

スウェーデン語で「矢」を意味するピレンシリーズ。カフェレーサースタイルのヴィットピレンとスクランブラー風のスヴァルトピレンがあり、’20年の新機種として登場したのが後者の250だ。上位の701と401がそうであるように、ベースモデルはKTMのデュークシリーズであり、付け加えるとデュークは390から125までのスモール系が共通のシャーシなので、スヴァルトピレン401に250ccのエンジンを積んだ、という見方もできる。 

ハスクバーナ スヴァルトピレン250

【HUSQVARNA MOTORCYCLES SVARTPILEN 250】■軸距1357±15.5 シート高835(各mm) 車重153kg(半乾) ■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 248.8cc 31ps[23kW]/9000rpm 2.44kg-m[2.4Nm]/6750rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量9.5L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=110/70R17 R=150/60R17 ●59万9000円 [写真タップで拡大]

まずはライディングポジションから。ハンドルの幅や高さなどは250デュークに近いが、着座位置が高く、さらに後方にあるので、スクランブラーというよりもストリートファイターに近いとも言える。足着き性は決していいわけではないが、車体が軽くてスリムなので恐怖感はほとんどない。 

続いてエンジン。同じ水冷シングルを搭載するホンダのCB250Rが最高出力27psなのに対し、このスヴァルトピレンは31psを公称。メーター読みで1万1000rpmまで快活に吹け上がる一方で、わずか2000rpmで発進できるほどのフレキシブルさを併せ持つ。この特性は250デューク譲りだが、ECUなどのセッティングが熟成されたのか、忠実なスロットルレスポンスも含め、さらに磨きが掛かった印象すらある。スリッパークラッチを採用しているためレバー操作が軽く、ミッションのつながりも良好。あらためていいエンジンだと感心した。 

ハンドリングは、表記サイズよりも太く見えるデュアルパーパス系タイヤの影響が大きいのか、1クラス上の安心感がある。倒し込みや切り返しは軽いけれども舵角の付き方は穏やかで、60km/hを超えるとより安定性が高まる。セミブロックパターンだがオンロードでのグリップ感は高く、前後とも142mmという長めのサスストロークと相まって、ステップが接地するほど倒し込んでもまだ余裕があるという印象だ。ブレーキはこのパワーと車重に対して十分以上に利いてくれ、コントロール性も文句なし。まさにアーバンスクランブラーといっていいだろう。

ハスクバーナ スヴァルトピレン250

クロモリ鋼のハイドロフォームチューブをロボット溶接で組み上げたトレリスフレームは、スモールデュークシリーズ譲りだ。サスペンションストロークは前後とも142mmで、ABSはボッシュ製9.1MB。車名のスヴァルトピレンは「黒い矢」を意味し、往年のモデルに由来する。 [写真タップで拡大]

シート高835mmは、同じ250cc単気筒のCB250Rより40mmも高く、かなり腰高な印象だ。座面に対してステップがやや後ろ気味なので、ストリートファイター的な雰囲気もある。[身長175cm/体重62kg] [写真タップで拡大]

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31psを発揮する248.8cc水冷DOHC4バルブ単気筒。トランスミッションは6段で、スリッパークラッチを組み合わせるのはシリーズ共通だ。

ハスクバーナ スヴァルトピレン250

前後とも8本スポークのアルミキャストホイールを採用。標準装着タイヤはインドMRF社のREVZシリーズだ。前後ショックはWP製のAPEXで、キャリパーはバイブレ製を採用する。 [写真タップで拡大]

KTM 250DUKE
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バランスのいいニーゴースポーツ]KTM傘下にあるハスクバーナ。エンジンやフレームなど基本骨格は250デューク(現在は廃番)がベースだ。車重はプラス7㎏で、燃料タンク容量はデュークの約13.4Lに対し、約9.5Lと少ない。●参考価格:58万6000円

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幅の広いアップハンドルでスクランブラーらしいライディングポジションを形成する。個性的な円形メーターはシリーズ共通で、見た目はコンパクトながらも多機能だ。

ヘッドライトは共通デザインで、外周にポジション、上段にロー、下段にハイビームをレイアウト。テール&ブレーキランプ、ウインカーもLEDで統一。 [写真タップで拡大]

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シリーズ共通のタンクキャップは、軽二輪としてはかなり高級感あり。タンクの上面に標準装備されるラゲッジラックには、軽い荷物を装着することが可能。

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長円がデザインされたタンデムシートをキーロックで取り外すと、フロントシートも外せる仕組み。ただし収納スペースは皆無だ。

[△]積載性よりもデザイン。その割り切りに惚れろ

兄貴分の401は’20年モデルでシートレールを40mm延長。その車体を250も共用しているのだが、それでもタンデムシートは狭いので積載性は期待しない方がいい。このスタイリングが気に入った人なら、それに文句を言うことはないだろう。

[こんな人におすすめ]軽二輪の枠を超えた存在感と個性的な走り

’18年にデビューした際のヴィットピレン401よりもサスの動きがいいように感じた。輸入元に聞いたところ、インド生産に切り替わった際に仕様変更が行われた模様。ただ扱いやすいだけでなく、そこに主張があるので楽しいのだ。

●まとめ:大屋雄一 ●写真:真弓悟史
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