530㏄にアップした’12年モデル以降、TMAXのコンプリートマシンを手掛けてきたRC甲子園が、’20年型のTMAX560/テックマックスでも同様のRCKコンプリートをリリース。動力性能のアップ分に対してシャーシ、ブレーキとも十分に許容範囲であり、パッケージングは崩れていない。ヤマハ車を知り尽くしたRC甲子園らしいアップグレードだ。
[◯] 発進で3車身以上の差。車体との相性も良好だ
別記事で紹介したように、排気量を561ccにアップした新しいTMAXは、スポーティなだけでなく上質さも兼ね備えたマキシスクーターだ。RC甲子園のコンプリートマシンはこれをモディファイしてさらに速くしたということで、パワフルなSモード同士で比べてみた。
その違いは、発進してすぐに体感できた。加速中に常用する回転域が明らかに高いのだ。STDが5000rpm付近を維持しながら速度を上げていくのに対し、コンプリートマシンは6000rpm以上でグングンと加速していく。試しに2台で加速性能を比べたところ、ゼロ発進では60km/hに到達するまでに目測で3車身以上の差が開き、体感だけでなく実際にも速いことが証明された。一方で、50km/hからの中間加速ではほとんど差が付かなかったことから、信号発進の多い市街地走行ほど恩恵を受けやすいと言える。
なお、動力性能のアップ分に対してシャーシ、ブレーキとも十分に許容範囲であり、パッケージングは崩れていない。ヤマハ車を知り尽くしたRC甲子園らしい内容だろう。
[△] ジェントルさは減少。価格は3万アップに
スロットル微開でもSTDに対して1000rpmほど高い回転数を維持するので、エンジンの存在感が強まってしまった。また、先代はSTDと同価格だったのが、560ではプラス3万3000円に上昇。
[こんな人におすすめ] 「コンプリートはかくあるべし」を体現したマシン
モディファイの内容は明らかにされていないが、ノーマル車との違いは明瞭。いくらTMAXが速いとはいえ、いずれその加速力にも慣れてくるので、だったら最初からこれを、と思う人がいても不思議ではない。ぜひ試してほしい。
このコンプリート車が購入できるのは、RC甲子園が認めた高い技術力を持つRコンセプト店のみで、現在のところ以下のYSP店舗がそれに該当する。
YSP 仙台|八王子/福生東支店|川崎中央|横浜南|豊橋南|名古屋西|滋賀|大阪箕面/甲子園支店|大阪東|神戸中央|香川
【車両協力:YSP川崎中央】神奈川県川崎市中原区井田中ノ町17-19 TEL:044-755-1141 http://www.ysp-top.co.jp/
●まとめ:大屋雄一 ●写真:真弓悟史
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