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国内でも二輪車デイライトが合法に【ポジションランプ&車体サイド反射板も義務付け】

排ガスや騒音など、欧州と国内における様々な保安基準の調和が進む中、未だ日本では解禁されていなかったデイライト(昼間走行灯、デイタイムランニングランプ=DRLとも)。だが、国土交通省が保安基準を改正し、’20年9月下旬から適用(緩和)される予定だ。

デイライトは、日中の被視認性を高める専用ライトで、欧州では’11年2月から義務化。顔のデザインを大きく左右し、眉毛状やリングなどの印象的な輝きで個性を主張できる。今までデイライトを採用した外国車は、国内では減光調整し、ポジションランプとして扱われてきた。’16年10月より国内では四輪車のみ合法となったが、二輪車は認可されておらず、解禁を求める声が挙がっていた経緯がある。

国内ではバイクに’98年から「ヘッドライトの常時点灯」が義務化されたが、今後はヘッドライト(前照灯)かデイライトのいずれかを常時点灯させればOK。両者を同時点灯するのはNGで、デイライト採用車は周囲が一定の暗さになった際にヘッドライトが自動でONになるシステムが義務付けられる(ただしDRLの最大光度が700cd以下の場合は、手動での切り替えも認可される)。

国内への導入を妨げていたのが、デイライトと前照灯の切り替えの問題で、夜にヘッドライトの点灯を忘れる事態が懸念されていた(欧州ではスイッチで切り替え可能)。二輪車用オートライトのメドが立ち、ついに解禁へ至った模様だ。その分、車両価格は若干アップすると思われるが、欧州モデルと同様インパクトのある顔が国内でも拝めるのはメリット。また、日中のバッテリー消費電力を抑えることも可能になる。

ドゥカティの最新マシンであるストリートファイターV4を比較。国内仕様(右)はDRLが減光され、ヘッドライトが点灯している。欧州仕様(左)のDRLの方がインパクト大だ。

CRF1100Lアフリカツインの場合、欧州仕様(左)はリングのみ。国内仕様(右)はリングが目立ちにくい。

なお、今回の改正に合わせて、バイクに「車幅灯」と「側方反射器」が義務付けされることになった。前者は「ポジションランプ」を指し、横幅0.8m以下の車両はナシでも合法だったが、今後はバイクも義務化される。ウインカーを常時発光させることで兼用も可能だ。後者は車体側面のリフレクターとなる。これらは右表のとおり、’23年9月以降の新型車からの適用だ。

フロントフォークとリヤフェンダーに反射板が義務付けられる。形状は四角や丸型もあり。※写真は国交省HPより

国際基準調和が進めば、メーカーとしては仕向け地ごとの仕様変更が少なくて済む。ユーザーにとっては、コストダウンやリリースのタイミングが早まるなどの利点があるだろう。なお、国交省では9月4日までの期間、法改正に関するパブリックコメントを募集中だ。


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