日本車の絶頂期だった’80年代の名車たちに“高騰”の波が押し寄せている。超プレミアマシンと化した’70年代車のような状況ではまだないものの、現実的な価格で入手できる時間的猶予はそう長くないだろう。本記事では、’20CB-Fコンセプトの登場により値上がり必至と推される、ホンダCB750Fを中心に解説する。
※本記事に掲載されている車両価格等は、取り扱い店舗における’20年6月時点の情報です(関連写真提供:グーバイク)。
多くが焦がれた名車CB-F。高騰化はまだこれから
世界初の量産4気筒車・ホンダCB750フォアから10年後の’79年に登場した後継機が「CB750F/900F」だ。当時絶大な支持を集めていたカワサキZシリーズに対抗するため、この時代としては画期的なDOHC4バルブを採用。’81年に大型バイクでありながら1万1841台という国内販売台数を記録するほどの大人気となった。
サーキット最速&最軽量スーパースポーツをコンセプトに、耐久レーサーRCBの設計思想を盛り込み、ケーヒンと共同開発した負圧式キャブレターやコムスターホイールを採用。’79年の鈴鹿8耐では1〜5位を独占した。
フレディ・スペンサーがAMAスーパーバイク時代に駆った北米カラーのワークスマシンが”スペンサーカラー”としてCB-Fのイメージを定着させているほか、’83〜’91年に連載された人気バイク漫画「バリバリ伝説」の主人公・巨摩郡の愛車としても知られる。
ライバルのカワサキZ1/Z2はすでに”国宝”級の扱いを受けているが、こちらは4気筒CBの第二世代ということもあって、まだ”重要文化財”級。タマ数は多いが良個体は減少しており、それに伴い価格も上昇傾向だ。’20CB-Fコンセプトの登場で注目度も上がり、さらなる価格高騰が予想される。
CB750F各年式のポイント
’79 CB750F[FZ]:大ヒットで幕開け
革新のDOHC4バルブエンジンを搭載。海外仕様のパイプハンドルに対し、国内仕様はセパレートハンドルで登場した。銀と青を発売し、すぐに赤も追加。
’80 CB750F[FA]:さっそくマイナーチェンジ
2年目にしてマイナーチェンジ。ヘッドライトをシールドビーム→ハロゲン式に変更し、リヤブレーキパッドを刷新した。
’81 CB750F[FB]:足回り強化の裏コムスター
スポーク部を反転させたブラックコムスター(通称・裏コムスター)採用。フロントフォーク&ブレーキも新作し、テールカウルに小物入れを追加。
【’81 BOL D’OR-2:赤フレーム×金ホイールの派生モデル】’81年の鈴鹿8耐制覇を記念して150台が限定発売された。CB1100R譲りの赤フレーム/金ホイールを採用。特別仕様のカウル付きもあった。
’82 CB750F[FC]:前後18インチ化
足まわりを刷新し、前後18インチのブーメランコムスターホイールを採用。エンジンはブラック仕上げ、ステップホルダーの肉抜きも。
【’82 INTEGRA:FCベースのカウル装着車】’82年のカウル解禁を受け、カウル装着モデルをレギュラー販売。ベースを同年モデルのFCとし、コックピットには時計と電圧計を装備した。
保存したい歴史的純正パーツ
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