ピレリ エンジェルGT2:寿命が尽きるまでグッドハンドリング
「エンジェルGT2」の重要な要素は、磨耗時の性能劣化を最小限に抑えていること。既存のツーリングタイヤの場合、ライフが長くてもある程度の距離で操安性が悪化することが多いが、GT2はコンパウンドへの依存度を低めにし、構造の最適化を図ることで、ライフ終盤になっても本来の操安性を維持させるのが特徴だ。
外見上の特徴は、トレッド面の中央をぐるりと一周する2本の縦溝。これは排水性だけでなく、冷間時やウェット路面での安心感に大いに貢献している。縦溝で細かく分割されたトレッド面は低荷重域から適度にたわむため、悪条件下でも接地感を瑞々しく伝えてくれるのだ。
そうした資質を備えつつも、このタイヤは快走路で高荷重を与えれば、ピレリならではのスポーツ性を堪能させてくれるし、ツーリングタイヤに求められるライフはきっちり確保している。
年間走行距離が1万km以上のロングツーリング派にとって、GT2は「待ってました!」と言いたくなるタイヤだと言えるだろう。
〈番外編〉”先鋭化”という、もうひとつの流れ
ワイドレンジ化が進む一方で、かなり目的を絞り込んだタイヤも続々登場している。ブリヂストンの「バトラックスCR11」は、旧車レースに向けた18インチ車専用の競技用タイヤ(公道走行不可)。IRCのオンオフタイヤ「GP-22」は、ホンダ・グロムやカワサキZ125でオフを楽しむための12インチを追加。メッツラーの「クルーズテック」は、高性能化する最新ハーレーやインディアンに向けた製品で、クルーザー用とは思えない軽快感やグリップ力が特徴。売り文句も「クルーザーでスーパースポーツをブッちぎれ!」という過激さだ。
●文:中村友彦(メッツラー/ピレリ) 大屋雄一(ダンロップ) 編集部 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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