日本車の絶頂期だった’80年代の名車たちに、“高騰”の波が押し寄せている。超プレミアマシンと化した’70年代車のような状況ではまだないものの、現実的な価格で入手できる時間的猶予はそう長くないだろう。綺羅星のごとき昭和の名機をバイクライフの伴侶に迎えるならば、今こそ決断を下すべき最後のタイミングだとヤングマシンでは考えている。
※本記事に掲載されている車両価格等は、「バイク王 つくば絶版車館」’20年6月時点の情報です。
人気銘柄も裏名車も、付加価値は上がるばかり
“伝説”と化してしまった感のある’70年代の名車を、これから手に入れるのは至難の業である。その代表格に君臨するカワサキZ1は、300万円台がザラ。モノによっては600万円超(!!)で、数年前には’72年の初期型がなんと1200万円のプライスタグをつけた。もはや博物館レベルの歴史遺産に近いとしか言いようがない。その一方で、’80年代の名車はまだその域に達してはいない……が、年を追うごとに価格高騰が進んでいるのは紛れもない事実。いずれ’70年代モデルと同等の域に達すると予測している。
’80年代モデルをひと言で総括するのは難しいが、「個性的なバイクが百花繚乱の時代」だったと言えるだろう。’80年代の10年間におけるバイクの進化は目覚ましく、過渡期ならではの強烈なキャラクターを持つマシンが次々と生まれた。’80年代中盤のバブル景気という時代の追い風も手伝い、今では考えられない冒険的かつ野心的なモデルも数多い。
中でも支持を集め続けているのが、カタナ、CB-F、GPZ900R、VMAXといった’80年代を代表する人気銘柄。まさに「ポストZ1」候補だ。中には’00年代まで生き延びた車種もあるが、程度のいいタマは減っていく一方で、よりプレミア化するのは必至。いまなら価格的にもタマ数的にもギリギリ間に合う。まさに「いつ買うか、いまでしょ!」なのだ。
2ストローク勢やレーサーレプリカも、忘れてはならない’80年代の花形である。ホンダNSR250Rに代表される2ストレプリカは、’90年代末期に絶版となって以来、価格は上昇の一途をたどる。この傾向は今後も続くハズ。それどころか、近年は2スト車自体の人気が爆上がりしており、当時の不人気車でさえ高値がつく状態だ。
たとえば、2ストデュアルパーパスのヤマハTDR250は、’88年型の1年のみで絶版となったが、今では118万円の値がつくタマもある。絶滅した2スト車自体の希少性もあるが、”カットビ2ストツアラー”という、現代にはない突き抜けた個性が再評価されているのだ。
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