オフロードマシンライダーなら林道ツーリングに行きたくなるものだが、ひとりで行く場合、様々な危険と隣り合わせになることも多い。『オフロードマシン ゴー・ライド』の連載でおなじみ、プロライダーの内山ユータロー先生が、林道ソロツーリングの心構え、事前準備や装備など、安全に楽しむための心得を指南。今回は今回は林道を走る際の注意すべきポイントについて紹介する。
●文/まとめ:ゴー・ライド編集部 ●写真:関野温 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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【右】内山ユータロー先生
チビテクでおなじみのユータロー先生。中学時代はマウンテンバイク、高校で二輪免許取得後はトレールマシンで林道ツーリングを楽しんでいた林道の申し子。その後、エンデューロに参戦し、各地のレースで優勝。日本代表としてISDEに5回参戦している。
【左】コイ
林道を愛し林道に愛されたい、好奇心と衝動に隷属するオフロードマシン ゴー・ライドの副編集長。今はオフ車に乗ることと林道に夢中。石橋を叩きまくったあとに叩いていないところに飛び込む生き物。
(前ページより続く)
心得その9:林道走行の注意点
コーナリング中は上りでも下りでも、頭の位置をヘルメット1個分前に出すだけでフロントタイヤに荷重がかかる。滑りにくくなるので、安心してコーナリングできる。その時、胸を進行方向に向けるだけでさらにスムーズに曲がれる。覚えておこう!(ユータロー)
林道の上り&下りの体勢
天候次第で路面状況がコロコロと変わる滑りやすい林道では、マイルドな走行を心がけることで転倒の危険度を大幅に下げることができる。ここでいうマイルドな走行とは、前ページでも挙げた「”急”のつく動きをしない」ことに加え、上りや下りやコーナーなどで適切なボディアクションを意識することにより、マシンにスムーズな加減速を与えることだ。激しいボディアクションではなく、頭1個分の動きで通常姿勢と前傾姿勢、後傾姿勢を適所で使い分けることで、驚くほどマシンの挙動が安定し、悪路でも落ち着いた気持ちで対処できるようになる。
斜面の山側に向かって立つと、身体は自然に前傾姿勢になる。反対に斜面の谷側に向かって立つと、身体は自然と後傾姿勢になる。これは地面に対して身体が一番バランスのいい状態を取るからだ。つまりマシンに乗っても同じ。斜面に対して一番バランスのいい状態を取れば、自然な体重移動でスムーズにマシンはムリなく走り、急なギャップを拾っても余裕ある体勢で対処できるのだ。
ダート林道で見られる路面例
路面&障害物との付き合いかた
大きな石や岩はやっかい!
心得その10:余裕のある休憩を
疲れを感じてからの休憩は、どんどん疲労が蓄積していっているので集中力が下がり、体力の消耗も激しくなる。つねに休憩時には水分を取り、景色やその先の道程を思い描いてニコニコしていられるくらいの余裕を持っていよう。
まとめ:ほんの少し意識を変える=格段に走りを制御でき、転倒の危険も減らせる
ソロで林道に入り、転倒などで動けなくなり発見が遅れるなど、林道ソロツーリング中の事故は昔から後を絶たない。
これから林道ソロツーリングをしたい人にその危険を知ってもらい、行く覚悟を決めた人の指標になるように、ユータロー先生に心得の指南を仰いだ今回の特集。心得はまさしく自由を謳歌するために負うべき責任の助けとなればいいと思っている。
「自由」と「責任」はセットである。もし「自由」に憧れるだけなら「責任」はその心に映りにくく、「自由」はきらめいたモノに感じられるだろう。そのまま「自由」を求め飛び出したとして、トラブルにあって初めて、そこには同時に「責任」も生まれていたと気づかされる。その失敗を次に生かせればいい。だが、取り返しのつかない失敗もあるのだ。
だからといって「自由」は恐れるだけのものではない。自分のやりたいことをやり、やりたくないことはやらず、自分の行動の結果をすべて受け止め、自分で対処する「責任」ごと思いっきり楽しめばいいのだ。それを理解すれば、「自由」は本当に充実してキラキラ輝く至高の時間をくれる。
楽しく、恐ろしく、ふつうの林道ツーリングとはまた違う喜びや感動、孤高の時間を与えてくれる林道ソロツーリング。それとは別に、喜びも失敗も仲間たちとともに分かち合える林道ツーリング。
林道を愛するすべてのライダーたちに安全に林道走行を楽しんでほしい。無事に帰り、いい思い出になってこそ、自由も得られるのだから!
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